ビジネス法務2024年12月号特集1が実例・アイデアを大公開 法務人材の「評価」というものでしたので、読んだ感想を記録します。
法務人材の目標設定や評価というと、よく議論に上がるところであり、定量的なものにしにくい、その業務内容にかんがみて事業部門の動向に影響されることが多く目標設定になじまない、といった観点から、法務部門の特殊性をあげて、目標設定・評価の難しさが議論の俎上に上がることが多いように感じます。
とはいえ、これもよくある言葉だけども、法務パーソンもビジネスパーソンであるということには変わりはないということからすれば、事業部門と同様に、何らかのアプローチにより適切に目標設定・評価をしていかないと、組織としての体をなさずに、ただの属人化した集団になっていくと思います。
というような観点で本特集を読んでみて、気になった点は以下の通りです。
まず、一人法務のための評価サバイバル術(片岡玄一、本書26頁以下)を読んで、法務が法務として組織化されておらず、一人法務のように法務とは異なる専門性を有する上長にうまく説明しないとダメなポジションの経験は、法務の目標設定・評価を事業サイドと目線を合わせるための方策として参考になる点があると思います。
例えば、同記事における、
具体的には、法務が解決すべき課題を特定し、課題認識を評価者と共有したうえで、その解決を目標にするというのが目標設定において実施すべきことである。
このような課題の特定をする前にSMARTなどのフレームワークを用いても、効果的な目標を設定できるようになるわけではないので、順序を間違えないようにしてほしい。
なお、法務における解決すべき課題とは、自社が抱える法的リスクのうち、発生可能性が高く(または現に発生しており)、事業へのインパクトが大きいものと言い換えることができる。そのため、(1)そのようなリスクを発見し、(2)法務の力でリスク管理に寄与できるものをピックアップしたうえで、(3)具体的な対処方法を策定し、その実現を目標にするというのが具体的設定時の動きとなる。
というのは参考になるように思う。
法務界隈で話題になるテーマとしては、法務機能論があると思うけども、個人的には、こういった機能論を深ぼっていった先に、法務の目標設定・評価というものの解は出てこないように感じております。それよりは、経営・事業の課題を正確に把握し、そこに対して法務としてどのようなアプローチが可能かといった経営・事業の課題ベースのアプローチの方が、実務者としてはより具体的な手法ではないかと考える次第です。
そういう意味では、個人の目標設定・評価の前に、法務部門のマネージャー層が、ビジネスパーソンとしてのスキルを高め、経営・事業の課題を把握し、それを法務施策に落とし込むという意味での経営・事業理解が起点になるのではないかと思います。
本特集であまり出てこなかった観点ではあるのですが、目標設定・評価というのが、所属する法務部員個人に焦点が当たりすぎており、個人の課題として捉えられているような印象があるのですが、それよりは、もう少し組織に焦点を当てて、組織の課題として捉えていくのが適切であるように思います。
本特集の他の記事も参考にしつつ、日々試行錯誤を行っていきたいです。