
1945年、日本にふたつの原子爆弾が落とされました。8月6日に広島、9日に長崎。核兵器がもたらしたものは何だったのでしょうか。
今回は、原爆を考えるための本をご紹介します。
小説
ある晴れた夏の朝
小手鞠るい
主人公のメイは、日系アメリカ人の高校生。先輩に誘われて、「原爆の是非」をテーマにしたディベートに、否定派として参加することになります。
中国系、ユダヤ系、アフリカ系など異なるルーツを持つ学生たちが、それぞれの立場から意見する中で、原爆の是非のあいだを揺れるメイ。原爆は必要だったのか?戦争を多角的な視点で見つめていくストーリーです。
光のうつしえ 廣島ヒロシマ広島
朽木祥
被爆二世でもある希未たち中学生。文化祭、美術部の作品テーマを「あのころの廣島とヒロシマ」とし、周囲の人たちの被爆体験に触れていきます。そこから見えてくる、「よく知っていると思っていた人たちの知らない」姿。近所の女性、先生、父と母――。今もなお、それぞれがそれぞれの後悔や悲しみを抱えて生きていたのです。
原爆が残した過酷な日々を描く反面、鎮魂と未来への祈りの込められたこの物語は、どこまでも美しく綴られています。
ワタシゴト 14歳のひろしま
中澤晶子
修学旅行で広島の原爆資料館を訪れた中学生。悩みを抱える子どもたちは、資料館で目にしたもの、体験したものから、それぞれ自分との結びつきを感じ、身近なこととして受け取めていきます。
戦争を知らなくても、学んだことや見聞きした経験に平和への思いを受け取り繋いでいく。未来への願いがこもったお話です。
黒い雨
井伏鱒二
広島に住む重松という男性が原爆投下直後の光景を綴った日記と、彼が原爆症と周りの偏見に苦悩する原爆のその後を語る、2つの話が交互に進んでいきます。実在する被ばく者の方の日記や手記をもとにした作品で、当時の様子がリアリティをもってせまってきます。
黒い雨は、原爆投下のあとに降った、放射性物質を含んだ黒色の雨のことで、浴びただけで被ばくによる健康被害を引き起こしたそうです。
ノンフィクション
15歳のナガサキ原爆
渡辺浩
その日、そしてその日から、ナガサキでは何が起きたのか。1945年8月9日、長崎に落とされた原子爆弾ファットマン。当時15歳だった被爆者たちの体験をもとに、凄惨な当時の様子をありありと描写します。彼らの体験と言葉を受け止め、私たちはどこへ向かうべきなのか。これからの時代を考えていくことを強く訴える本です。
いしぶみ
サメマチオ
爆心地から約500mの場所で爆発に巻き込まれた広島二中の1年生321名。1970年、彼らがそれぞれどのような最期を迎えたのかが粛々と語られた本『いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録』が出版されました。それから55年の時を経て、このまんが版『いしぶみ』が2025年に刊行されたのです。
広島二中の生徒の中には、実際に落下する爆弾を目にしたという子もいたそうです。戦争が起こした悲劇を後の世に伝える、貴重な記録です。
最後までお読みいただきありがとうございました!