
1945年の8月、広島と長崎に原子爆弾が落とされました。今回は、小学生に向けて書かれた 原爆の本 をご紹介します。
絵本
ヒロシマ 消えたかぞく
指田和/鈴木六郎
広島に暮らしていた鈴木さん一家のアルバム。写真好きのお父さんがカメラにおさめたのは、子どもたちの笑顔ばかりです。お父さんはその写真を、一人に一冊ずつ作った子どもたちのアルバムに、大切に綴じていました。しかし、広島に落とされた原爆が、一人残らず一家の命を奪い去っていきました。
数々の写真は、戦争で亡くなったのは決して物語の登場人物などではなく、私たちと同じように暮らしを営み、愛情にあふれた人たちであったことををありありと感じさせます。
おこりじぞう
山口勇子/沼田曜一
8月のある朝、広島に一つの爆弾が落とされました。ぎらぎらとした光に包まれ、大爆発した広島の町。巻き込まれた人たちの多くが、苦しみのなか亡くなりました。
この絵本は、原爆が投下され、焼け野原になった町の片すみで、小さな女の子の最期を見届けた、おじぞうさまのお話です。
やけどを負って力尽き、おじぞうさまに水を求める女の子。その痛ましい姿を前に、優しくほほえんでいたはずのおじぞうさまは、おそろしい顔へと変わっていくのです。優しいものが恐ろしいものへ。人の心もそうだったかもしれません。戦争の時代を生きた人たちの怒りと悲しみを伝える絵本です。
赤いボタン
岡本央
『赤いボタン』は、長崎市に住む竹下芙美さんのお話をもとに、長
ボタン、生活用品、炭になった着物、溶けてひと固まりになった鉄
もう二度と戦争をしてはいけない、そんな願いの込められた絵本で
絵で読む広島の原爆
那須正幹/西村繁男
原爆を経験した人たちの証言をもとに、年前の広島、原爆を落とされたあとの広島、現在の広島を、空から俯瞰したイラストで見比べられる科学えほん。
イラストの合間に原子爆弾の構造や人体に与える影響、各国の動きなどの詳細な解説が挟まれ、知識えほんとしての役割も果たしています。 (対象年齢:小学校高学年から)
よみもの
パンプキン!模擬原爆の夏
令丈ヒロ子
ヒロカが暮らす田辺は、その昔、”原爆を落とす練習”のため、模擬原爆”パンプキン”が落とされた町でした。夏休み、いとこのたくみの力を借りて、ヒロカは模擬原爆についての自由研究を始めます。 よみものとしては薄い本ですが、原爆を使ったアメリカの考え、当時の日本と外国との関係などにも触れ、「敵」「味方」ではない見方を示してくれます。また、被弾地の図解や参考資料の明記、ノートの取り方のアドバイスもあり、この本をきっかけにして、さらに詳しい調べ学習へと広げていくこともできそうです。
ノンフィクション
ぼくは満員電車で原爆を浴びた 11歳の少年が生きぬいたヒロシマ
米澤鐡志
8月6日、ぼくは母といっしょに電車をのりつぎ、祖父母の家に向かっていた。新しい生活の準備をするためだ。満員電車にゆられ、外の景色を見る。どこかで何かが光った。強い強い光だ。ものすごい音がする。それまで聞いたこともない、すさまじい音が――。
1キロと離れていない場所で原爆をあびた、当時11歳の男性の実話です。被爆した直後の地獄のような光景、なんとか逃げおおせたはずのその後、彼を待っていた原爆症の苦しみ 。すさまじい経験です。
戦争への不安が高まっている今、「核」の本当の恐ろしさを伝えるこの本を、たくさんの方に読んでほしいです。
いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録
当時、爆心地から約500mの場所で作業のために整列していた広島二中の1年生321名。生徒の中には、実際に落下する爆弾を目にしたという子もいたそうです。即死であった子もあれば、やけどを負った体を引きずって家へと向かった子、今に至っても行方の分からない子もありました。 この本では、彼らがそれぞれどのような最期を迎えたのかが粛々と語られています。
2025年7月には漫画版も出版されました。この先も戦争の非道さを伝えていく本です。
最後までお読みいただきありがとうございました!