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ライオンキングを見てきた

感想ブログのほうに書こうか迷ったけど、作品それ自体よりもむしろ経験が意義深いと思ったので、こっちに書く。見ようと思ったのも、特にこの作品がというのではなくて、時間のあるうちにしかしなさそうなことをしたいと思ったからで、歌舞伎と悩んだけども、歌舞伎となるとどこで何を見るべきなのかわからない一方で、ミュージカルであれば劇団四季見とけば間違いないだろという安易さで決めた。中でもいちばんわかりやすいものが良いだろうと考えて、ライオンキングを見ることにした。美女と野獣でも良かったんだけど、横浜まで行く気にはなれなくて、ライオンキングなら有明だったので迷わず有明のチケットを取った。

 

大規模開発地あるあるではあるのだが、地図で見ると駅前に思えるが、ひとつひとつの建物が大きくて、歩くと思いの外に遠い。開場時間をわずかに過ぎたくらいの到着だが、既に少なくない人が建物付近に集まっている。施設看板や演目ポスター前で記念撮影をする人たち。そんな写真の一枚でも私も撮っても良かったんだろうが、自意識を拗らせているので若い来場客たちの前でそんな振る舞いを取ることはできず、つまりこのエントリーに写真は一枚もない。入口でチケット購入時に表示されたQRコードを提示して中に入る。そうしてどこに進めば、と映画館では迷いがちのところで、この劇場では必ず掲示がある。決してそこら中に掲示が貼られまくっているのではない。むしろ少ない。でも必要なところで、必要なところにだけ掲示されているので、最小限の案内が目立つのだ。その上で、スタッフが複数人立って声をかけるので、迷いようがない。すごい。子連れがいればスタッフは積極的に声をかけ、シートの高さを調整できるクッションを渡していて、ホスピタリティが行き届いている。

客席はかなり急勾配に配置されている。都心の小さいシアターならもっと勾配の大きいところもあるけども、1000人近く収容できるだろう規模でこの勾配だと高所恐怖症には少し怖くすらある。完璧に行き届いた劇場には思えたが、それにしては席がいくらか狭い。シートの座り心地は決して悪くないのだが、専有面積が小さい。立ち上がらずに席の前を人が通ることはできない。ひじ掛けは隣の席との間仕切りに過ぎず、実質的に使用できない。ドリンクホルダーも存在しない。だから隣の席が空いていればいいなと思ったけどもそうはいかなかった。2日前の予約時にはガラガラだった席もほぼ満席になっている。日曜日とはいえ雨予報であったし、実際に雨も降っているのによくもまあ埋まるものよ。

 

開演。TVCMか何かで聞いたことのある、遠吠えにも似たあのよくわからない歌から始まるのだが、ここでまず驚く。え、マイク使ってるの? たぶん使ってない、と思う。*1 けどめちゃくちゃ声が通るんだ。1000人規模の劇場だぞ。パパの声も通るし、ヒヒの声も響く。程度の差こそあれ、ソロのあるキャストはみんなやばい声量してる。すげえところに来てしまった。

歌唱力もやばいんだけど、それ以上にやばいのがあの演出よね。何食ったらあんなんやろうと思えるの? 大道具とかのレベルじゃねえんだよ。上から背景が下りてくるのはまだいいよ。床が動いてせり上がるの何なんだよ。あれ作るのにいくらかかるんだよ。そもそもキリンや鳥やらの衣装?ですら常人では思いつかないよ。ただのコスプレじゃないんだよ。あれが思いの外にそれらしい動きをして驚く。どうやって動かせばそれらしい動きをするのか、その動きを可能にするにはどういう構造に設計すべきなのか、誰が考えて実現させてるのか謎。この世のどこかにそうした知見が蓄積されてるんだろうか。それとも天才には直観的にわかるものなのかしら。あの決して広くない舞台上に多様な形態のキャストが溢れる中で、凧揚げのように鳥を飛ばすのも、かなり考え抜かないとぶつかりかねないし、きれいに見えるかどうかも相当綿密な計算の上にあるんだろうけど、それすらも本当に人間の計算で追いつくものなのか不思議に思える。

 

正直に言うと、圧倒的歌唱力による迫力と、謎感性と謎技術による演出がその良さのほとんどで、物語を云々するようなものではなかった。既知の物語であるし、だからこそ物語を追うことに執着せずに演出を楽しむことができたのも大きい。そも物語を追うことに重きを置こうにも展開が速すぎるんだ。けれどそのことをまったく不満には思わない。迫力ある歌唱と、頭おかしい演出がすごすぎたんだ。映画5本分の金額を払う価値は十分にある。余裕である。もっといい席で、もっといい金額を払ってもいいと思える。たぶんだけど、また四季の作品を見に行くことがあるならば、きっとまた既知の作品であるべきなんだろうとは思う。




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