サブカメラとして使用している FUJI FILM の「X-M5」。「X-M5」を購入した時点ではフジフイルムの Xマウントに対応したレンズは 1本も持っていなかったので、「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」という標準ズームレンズが付属したレンズキットを購入しました。 キット付属のレンズは、開放 F値が F3.5 ~ 5.6 とやや暗めな事を除けば画質面は悪くないのですが、どうにもこのレンズの使い勝手が良くない・・・。電動ズーム方式なのですが、ズーム速度が遅く、マニュアルでの画角の微調整も出来ない点が結構ストレスになっていました。
あまり「X-M5」の方に投資するつもりはなかったのですが、私がこのカメラを使うならやはりスナップ用途に使うことが多いだろう、ならば小型コンパクトこそ大正義!ということで、パンケーキ型で写りにも定評のあるフジフイルムの「FUJINON XF27mm F2.8 R WR」を購入してみました。

2021年春発売のこちらのレンズ、既に巷にレビュー記事もたくさん書かれているようですが、「X-M5」との組合せに於いて感じたことなどを記事として整理しておくことにします。これから購入を考えている方の一助となれましたら幸いです。
■ 「FUJINON XF27mm F2.8 R WR」の基本スペックを確認!
まずはこのレンズの特徴を確認しておきます。主な仕様は以下の通り。
| 焦点距離 | 27 mm(35mm 判換算で 41 mm 相当) |
| 絞り(F値) | F 2.8(開放)~ F 16(最小) |
| レンズ構成 | 5群 7枚(非球面レンズ 1枚) |
| 絞り羽根 | 7 枚 |
| 最短撮影距離 | 34 cm ~ |
| 最大撮影倍率 | 0.1 倍 |
| 手ブレ補正 | ✕(ボディ側対応) |
| フィルター径 | 39 mm |
| サイズ・質量 | Φ 62(最大径)x23(長さ)mm / 約 84 g |
| その他 | 防塵防滴設計、フジツボ型レンズフード付属 |
特筆すべきはやはりそのコンパクトさ。レンズ単体の重量は僅か 84g しかありません。その軽さからボディはプラスチック製かと思いきや、レンズボディとレンズフードはしっかり金属製。ビルドクォリティが非常に高いのもこのレンズの魅力の 1つです。
また、型番に「WR」が含まれているように、こちらのレンズは防塵防滴仕様、更には -10℃ の耐低温構造も備えています。但し、雨中で撮影する場合はカメラ側にも耐候性があるかどうかは気をつけてお使いください。ちなみに「X-M5」は防塵防滴仕様ではありません。

このコンパクトなレンズボディに 5群 7枚のレンズ(うち 1枚は非球面レンズ)が格納されているのは驚きですが、光学設計は 2013年に発売された先代の「XF27mmF2.8」を引き継いでいるとのことで、高画質をとことん追求したレンズというわけでは無さそうです。ですが、実際に使っている方で画質面の不満を訴えている声はほとんど聞きません。発売以来ずっと品薄状態が続いている事からもこちらのレンズの人気の高さが覗えますね。
■ 「FUJINON XF27mm F2.8 R WR」の外観チェック!
「XF27mm F2.8 R WR」は品薄状態が慢性化しています。在庫を持っているショップを見掛けることはほとんど無く、あっても転売価格になっていることが多々ある始末。フジフイルムのカメラ製品にはこうした傾向がよく見られるのが残念な点ですね・・・。最近は多少マシにはなってきたようですが。
なので、「納期約 6ヶ月」と表示の出ている「フジフイルムモール」で発注を掛けました。半年もあれば金策も余裕だろう・・・なんて思っていたのですが、運が良かったのか悪かったのか、なんと 1週間後にいきなり「商品発送のお知らせ」というメールが・・・。え???ちょ・・・心の準備が・・・(苦笑)。


カメラ関係では梱包にビニール類を使用するのをやめるメーカーが多くなっていますが、フジフイルムはその辺の事をあまり気にしていないようですね。

レンズ以外の付属品は専用フードとフードキャップ、ラッピングクロスと取扱説明書類一式です。フジフイルムモールで購入した場合はカメラ・レンズの保証期間が 3年間に延長されるのが有り難い。取扱説明書については以下より PDF を入手する事が可能です。

非常に小型でコンパクトなレンズなのにも関わらず、A(オート)ポジションのロック機構を備えた絞りリングを搭載している点が GOOD!また、この絞りリングのクリック感が非常に心地よいのです。

フィルター径は 39m。

レンズマウントや絞りリング、ピントリングも金属製で、全般的にビルドクォリティの高さが覗えます。

レンズフードはねじ込み式の ” フジツボ型 ”。フードの先端にはネジが切られていないため、各種フィルターを装着する場合はレンズとフードの間に挟む形で取り付ける必要があります。


また、レンズフードを使用する場合は、レンズ先端のキャップを被せるタイプのフロントキャップに交換する必要があります。
■ K&F Concept の MCUVフィルターを取り付けてみた
フードを付ければレンズ表面に触れてしまう恐れは少なくなると思いますが、花粉などの付着を防ぐ為にプロテクターは付けておくことにしました。今回は K&F Concept の製品を試してみます。Φ 39mm のフィルターってあまり選択肢がありませんね。


クリーニングクロスが付属します。フィルターには紫外線カットや撥水・撥油、反射低減など 18層のコーティングが施されているらしい。


フィルターの前側にもネジが切ってあるので、レンズフードも取り付ける事が可能です。この状態でも撮影してみましたが、特に周辺にケラレが発生するような事は無さそうでした。が・・・見た目がちょっと・・・ねえ・・・。多分私はフードを使わない。


「X-M5」に取り付けてみましたが、恐ろしいほどしっくり来ますね。冬場ならコートやブルゾンなどのポケットにも容易に収まってしまいます。正に散歩に持ち出すのに最適な組合せと言えるでしょう。
■ 撮影サンプル
撮影サンプルを置いておきます。「X-M5」は APS-Cサイズのセンサーを搭載しているため「XF27mm F2.8 R WR」を取り付けた場合の焦点距離は 35mm 判換算で 41mm 相当の画角になります。
「はてなブログ」の画像アップローダーである「はてなフォトライフ」に画像をアップロードする都合上、解像度のみ写真調整ソフトの「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 11」を使って 1200x800 pix に落とし、撮影情報の書き込みを行っています。この点以外は撮影した RAWデータをそのまま JPEG 出力したもので、特に画像補正などは行っていません 。
「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 11」については以下の記事でご紹介していますので、興味のある方はどうぞ。 現在は後継版の「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 12」が発売中です。 長らく新しいカメラへの対応が放置されていましたが、先日およそ 10ヶ月ぶりにアップデートが配信されました(苦笑)。
それでは実際に「X-M5」に取り付けて撮影してみましょう。


まず最初に、このレンズはあまり寄った撮影を行うことは出来ないという点は理解しておく必要があります。最短撮影距離が 34cm ということで、ある程度のワーキングディスタンスが必要です。レストランなどで料理を撮影したりする際はもう少し寄れたら・・・と思うことがあるかも知れません。


上記 2点は共にフィルムシミュレーション「Velvia」で撮影しています。「X-M5」と「XF27mm F2.8 R WR」の組合せは見た目の圧迫感が無いので、レストランなどでのテーブルフォト撮影も気軽に行えます。確かにもうちょっと寄れれば・・・ということもありますけどね。

フィルムシミュレーション「PROVIA」。

フィルムシミュレーション「クラシッククローム」。

フィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」。非常にコンパクトな組合せなので、街ブラしながら気になったモノをスナップするのに最適な組合せですね。

フィルムシミュレーション「REALA ACE」。絞り羽根は 7枚なので、光条は 14本出ます。逆光耐性はあまり高くないレンズなので、太陽などの強い光源を入れる場合は位置関係にやや注意が必要でしょう。

フィルムシミュレーション「Velvia」。「X-M5」は手ブレ補正機能を搭載していませんが、「XF27mm F2.8 R WR」との組合せではしっかり持てば夜間の撮影にもある程度使えそうです。








いやはやほんと、よく写ります。人気の高さも納得ですね。
■ やはり小ささは 1つの正義!
「XF27mm F2.8 R WR」は、カメラの電源を入れると極僅かに繰り出します。AF の駆動に DCモーターを採用しているためお世辞にも俊敏で静かな AF とは言えませんが、スナップ用途やテーブルフォト用途などで不満を感じるようなことは無いでしょう。

「XF27mm F2.8 R WR」の魅力はやはりなんと言ってもこのコンパクトさでしょう。「X-M5」との組合せではコンデジと同等の機動力を見せてくれます。そしてこのデザインの一体感が一目を引くようで、撮影しているとちょくちょく声を掛けられることがあります。売り方には言いたいこともありますが、フジフイルムはこういうところの商売が上手い。
レンズの操作性も非常に良好です。特に絞りリングはクリック感が心地よく、カメラを手に持っていると意味も無くクルクルと回してしまうほど(笑)。フォーカスリングの幅は狭いですが、こちらも指の掛かりが良く、気持ちよく操作する事が可能です。
この 12月に「XF23mmF2.8 R WR」という、焦点距離 23mm(35mm 判換算 35mm 相当)の兄弟機とも言えるパンケーキレンズが発売されました。「X-E5」のキットレンズともなっており、こちらは今のところ比較的手に入れやすいようですが、35mm 相当という、これまた使いやすい画角に加えて最短撮影距離が短くなっていたりするので、今後「XF27mm F2.8 R WR」のように人気に火が付いて入手難になるかも知れません。気になる方はチェックしてみてくださいな。