私の愛車、TREK のグラベルロード「Checkpoint ALR 5」は、納車された時点で「Bontrager Paradigm SL」というホイールに「Bontrager GR1 Team Issue」というタイヤの組合せの ” チューブレスレディ(TLR)” 仕様でした。その後ホイールとタイヤをアップグレードしていますが、こちらも ImeZi のシーラント を使ってチューブレスレディで運用しています。
「チューブレスレディ(TLR)」とは、タイヤの中にチューブを入れない代わりに「シーラント」という液体を入れておくことでパンクした際にすぐさまこの液体が噴出し、空気に触れることで固まってパンクで空いた穴を塞いでくれるというものです。
「チューブレスレディ(TLR)」タイヤにも一長一短はあり、ある程度の大きさまでのパンクで空いた穴は勝手にシーラントが塞いでくれるのですが、「シーラント」は放っておくと乾いてしまうため定期的に(3ヶ月~半年に 1回程度)補充しなければならないなど手間の掛かる部分があることも事実です。
シーラントで塞ぐことが出来ない程の穴が空いてしまった場合は、Muc-Off(マックオフ)の 「STEALTH TUBELESS PUNCTURE PLUG」のような製品を使って「タイヤワーム」と呼ばれるゴムをねじ込んだり、場合によってはタイヤチューブを入れて凌ぐことになります。タイヤシーラントではサイドカットのようなパンクには対応出来ませんので、自転車屋さんの少ない地域にロングライドに出掛ける際などは最悪のケースに備えて タイヤブート とタイヤチューブも携行した方が安心です。
一長一短があるというのはまあそう言うことで、釘やガラス片を踏んでしまったといった程度のパンクならいちいちタイヤを外してチューブを取り出し、空いた穴にパッチを貼るといった作業をしなくてもある程度勝手に穴を塞いでくれるので少しエアを足す程度で済みますが、万全を期すなら反って荷物が増えることもあるということです。
でも実際、かなり TLRタイヤであることの恩恵は受けていますよ。TREK の Checkpoint に乗り始めてから 2年半ほど経ちましたが、パンクで走行不能にまでなったことはまだありません。パンクでエアが減ってしまったことは何度かありますが、携帯ポンプでエアの補充をする程度で収まっています(直近のパンクでは ” 追いシーラント ” を行いましたが、ちょうど乾いていそうな時期でした)。
■ 「チューブレスレディ(TLR)」運用の最大の難関は ” ビード上げ ”
この「チューブレスレディ(TLR)」で運用を始める上で一番の難関になるのが ” タイヤのビード上げ ”。チューブがタイヤの中に入る「クリンチャータイヤ」なら中のチューブが膨らむことで比較的簡単にタイヤのビードをあげる事が出来ますが、TLRタイヤの場合は空気圧だけでビードを上げなければなりません。
一般的な フロアポンプ のポンピングだけでビードを上げられないかというと、必ずしもそういうわけでは無く、頑張ればなんとかなるケースもあります。実際私も新しいホイールにタイヤを取り付ける際には ” エアが抜ける前に頑張ってエアを入れる ” 作戦でなんとかここをクリアしています。・・・が、はっきり言って相当しんどいです(笑)。
また、中にはタイヤとホイールの相性のようなものからどれだけ頑張ってポンピングしてもビードが上げられないということもあるようです。そういうときは CO2ボンベとインフレーター を使えばなんとかなることも多いと思うのですが、CO2ボンベって意外にコストが掛かるのですよね・・・。途中で失敗したりなんかすると(案外タイヤの回転方向を間違えてたりするんです💦)更にコストが掛かってきます。
そんなビード上げ作業時にあると安心なのが「タイヤブースター」!チャンバーに予めエアを高圧で充填しておき、一気に放出することで素早くタイヤのビードを上げる事が出来るというシロモノです。コンプレッサーを持っていればそれでもいいのですが、なかなか大きな音の出るコンプレッサーを家庭で持っているという方も多くは無いでしょう。

この Schwalbe(シュワルベ)のタイヤブースターもはっきり言って安くはありません。滅多にタイヤ交換なんて自分でしないという方なら CO2ボンベを都度用意した方が安上がりになるでしょう。でもこれさえあればタイヤの付け間違えをしてしまっても気軽にやり直しが効きますし(笑)、CO2ボンベでビード上げをする際のプレッシャー(?)からも開放されます。
TREK のお店でタイヤ交換もお願いしてもいいのですが、現在は予約制となっているため行ってすぐに頼むというわけにもいきません。タイヤ交換などの軽い作業くらいは自分で出来るようにしておきたかったので、思い切って買っておくことにしました。


構造としては簡単なものです。ボンベにフロアポンプなどからエアを注入して高圧にしておき、ホースを接続した後青色のコックを捻って一気にタイヤにエアを送り込むというものです。Schwalbe のタイヤブースターの場合、仕様上 11 Bar / 160 PSI まで加圧することが出来るようです。


タイヤブースター先端の保護キャップを外すと極一般的な仏式バルブの形状になっているので、フロアポンプの先端をセットし、青色のコックがクローズの位置になっていることを確認したらポンピングしてタイヤブースターを加圧します。どこまで加圧するかはタイヤとホイールの組合せ次第なので、作業前に確認をしておいて下さい。但し、多少のロスはあるようなので、少し(1 Bar くらい?)なら高めに加圧しておいても大丈夫かと思います

付属のストラップでフロアポンプに固定する事も可能です。ただ、タンクはアルミ製なので重くは無いですが、意外に嵩張るので収納時は外して元箱に入れておいた方がよいかと。


バルブにタイヤブースターのホースを接続し、コックを開放すれば貯められた「ブシュー」と貯められた空気が一気にタイヤへと流れ込みます。バルブコアは外さなくても使えますが、確実にビードを上げるために バルブコアツール を使って取り外しておいた方が良いでしょう。

ちなみに汚くて済みません \(__ ) タイヤブースターを使ったビード上げの練習のために長らく外して放置していた旧ホイールからタイヤを外してみた様子です。ビロンと剥がれているシーラント残滓の下、色の濃い部分は最初から入っていた Bontrager のシーラントかなと思います。シーラントは長いことほったらかしにしているとこのように底に溜まる感じで固まってしまうので、長期間乗らない時はたま~にでもホイールを軽く回転させてシーラントを分散させておいた方がよいでしょう。
ImeZi のシーラントはこのように固まってしまっても塊はビロンと剥がせますし、水溶性なので洗えば綺麗にもなります。タイヤシーラントは基本的に継ぎ足しでいいとのことですが、タイヤローテーションを行う時くらいは綺麗にしてやってもいいんじゃないでしょうか。
■ TLR 運用するならタイヤブースターは買っておく価値あり!
実際にタイヤブースターを使ってビード上げに挑戦してみましたが、正直に言って圧巻!の一言に尽きます。あれだけ頑張ってポンピングしていたのは一体なんだったのかと思うほどに「パキン」という小気味の良い音を立てて一瞬でビードが上がりました。コレは便利です!
シーラントは最初は入れずに挑戦してみていいと思います。いきなりシーラントも注入しておいてからビード上げを行うと、うまくタイヤが塡まっていなかった場合に大惨事(笑)になりかねませんので。うまくビードが上がらない場合はシーラントを注入し、再度タイヤブースターを使ってビード上げに挑戦するのがよいでしょう。CO2ボンベと違って何度やり直しても追加のコストは発生しませんので!
シーラントの注入方法については以下の記事で紹介しておりますので、併せてお読み頂ければ幸いです。 ビードが上がったのを確認してからシーラントを注入し、所定の空気圧までポンピングしてやれば作業終了となります。これでタイヤのビード上げに関する不安が払拭されました。今度 Checkpoint を洗車する際にタイヤのローテーションに挑戦してみようと思います。車体後部に パニアバッグ を付けてカメラ機材など重いものを持ち運んでいることもあってか、前後のタイヤの消耗具合が全然違うのですよね・・・。