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アミアン一人旅行記

私の数少ない大学の友達がアミアンという街にあるデザインスクールと私が通っているコンピエーニュ工科大学でダブルディグリーを取っている。2年半かけて2つの修士号を取れるプログラムである。ダブルディグリープログラムはフランスでは割とメジャーらしく、ちょくちょく話を聞く。(私は4年かけて日本とフランスで2つの修士を取っているわけだが...なんとも効率が悪いぜ...)

 

彼がデザインスクールのオープンデーに誘ってくれたので1日かけてアミアンに行くことにした。パリからアミアンへは電車で2時間ほどであり片道25ユーロとなかなかお財布に厳しいため、せっかく行くならということで観光地にも回ったので今回はその旅行記である。

 

パリの北にある地方都市アミアン

駅前にそびえ立つPerret Tower. 

アミアンはパリから2時間ほど北に行ったところにある地方都市である。駅から降りると思ったよりも大きな都市でびっくりした。駅の前にはなんとかタワーがそびえ立っており、ちょっと寂れた地方都市感があってなんとも好みな感じであった。以前行ったサン・マロやル・アーブルに少し似ている。フランスのパリより北側の都市はどこも何となくモノさみしい感じが漂っている。ホームレスや駅前にたむろしている若者がそこそこいて、若干治安は悪めな感じがした。

アミアン駅前。ちょっと寂れた感じ。

ノートル・ダム大聖堂

アミアンにあるノートル・ダム大聖堂は世界遺産である。全くその存在も知らないままアミアンに来たのだが、デザインスクールに向かって歩いていると巨大で美しいノートル・ダム大聖堂が見え、思わず寄ってしまった。

迫力が凄い。ディティールも細かい。

外見がなんだか変質的なまでにディティールが細かい。もうなんか真ん中の神様(?)の周りの人たちが多すぎて、ちょっとインド仏教ぽいなと思った(殺されそう)。中も非常に荘厳で、パリのノートル・ダム大聖堂に比べて派手さはないものの、より神聖な感じがした。無料で入ることができる。

中はこんな感じ。でけえ。

美しいステンドグラスの窓。ここ以外にもたくさんステンドグラスの窓があった。



デザインスクール ESAD D'AMIAN

ESAD D'AMIANはアミアンにあるフランスの公立のデザインスクールである。こういう公立のデザインスクールはフランス全土に44カ所あるが、最近政府から芸術系の大学の予算がカットされまくっており、いくつかは閉鎖されてしまったようである。ESADはその中でもカリグラフィーとグラフィックデザインに強みを持つ学校らしい。

ESAD AMIANの外見。カリグラフィーの学校だけあって壁にはたくさんの文字が

展示はフォントのデザインやグラフィックデザインに特化されており、私はよく知らなかったのだが非常に楽しめた。

フォントのデザイン過程を表した資料。こうやってフォントって作るんや…

 

彼曰くフォントのデザインはとても精密かつ細かい仕事でとても大変らしい。そりゃそうだ。いつもそれっぽいフリーフォントばかり探している私からすると非常に頭の下がる仕事である。

フォントの作成過程2

Pythonで線の太さや色をコントロールし、自分のオリジナルフォントを作れるソフトウェアのデモが面白かった。

 

その中でも彼の作品は「デジタルのアート作品やインタラクション作品における共感性」をテーマにした本であった。装飾も製本もしっかりしていてとてもクール。

↓彼の作品は以下から読める。100Pを超える大作。フランスの芸術系の卒業制作がまとめられたサイトらしい。

www.memo-dg.fr

卒業制作の一つらしく、他の学生のテーマを聞くと「キノコの生態とそれをモチーフにしたデザイン」、「テロリストが使う映像や広告のデザイン性」、などなんともマニアックなものばかりだった。フランスではこういうマニアックというか言葉を選ばずに言えばオタクっぽい一見何の役に立つのかはよくわからないけど異常にこだわって調べた書籍がとても多い。私はすぐ何の役に立つの?とか思ってしまうのだが、それはとてもエンジニア的かつ暴力的な思考で、そういうのとは別に異常にこだわって作ったよくわからないものがたくさんあるというのは文化的にとてもリッチなことだなと思った。こういう細かくてマニアックで豊富なカルチャーから昨今注目されるフランスのアートやゲームは生まれるんだろうなと感じる。

こんな形で各々がデザインや芸術に関するトピックについて調べ、デザイン、装飾、構成をこだわり抜いた本を制作している。日本の同人誌的なノリ?

↓以下から読める

www.memo-dg.fr



また、学校のなかの設備についても紹介してくれた。中でも日本のメーカーが作ったある印刷機は、独特の荒い質感で印刷することができ、他に替えがたい貴重な設備になっているらしい(メンテナンスはもう切れてるのでだいじに使っているとか)。ロストテクノロジーだ...

 

個人的に面白かったのが架空のブランドのロゴをデザインして、実際にプロダクトのモックアップを作った作品群で、どれも個性に富んでいて面白かった。こういう卒業後の就職を見据えたとても実践的な授業が多いのはフランスの特徴な気もする(日本のデザイン系の学校もそうなのかもしれないが)。

 

一通り作品を見終えたあと、友達にアミアンに来たら行ったほうがいい観光地として海底2万マイルで有名なSF作家、ジュール・ヴェルヌの家を教えてもらったので行くことにした。

 

SF小説ジュール・ヴェルヌの邸宅

海底2万マイルは知ってはいるが読んだことはなく、というかジュール・ヴェルヌの著作は一冊も読んだことはない。


なので全く思い入れはなかったのだが、お屋敷が屋上に謎の天球儀のようなオブジェクトがくっついた謎の建物で、如何にもSF小説家の家という感じでそこそこ楽しめた。

ジュール・ヴェルヌの邸宅。煙突の上の謎の天球儀オブジェクトがカッコいい。

フランスの小説家で有名な人と言えばレ・ミゼラブルヴィクトル・ユゴーだが、パリにある彼の家もとても立派だった。フランスでは著名な小説家は社会のヒエラルキーのトップに位置している気がしていて、小説家でヒットを飛ばしてその後政治参画したり、国の仕組みを作ったりして偉大になる人が多いと思う。ヴィクトル・ユゴーも小説家だけでなく現在のフランスの大学システムを作った偉人としても知られている。亡くなったときは国葬されたらしい。本当に国の根幹に文学や芸術の文化が根付いている国なんだなあと思う。

海底二万マイルに登場する潜水艦ノーチラス号の模型

よりリアルなSF、冒険物語を描くために世界中から論文やら化石やら宝石やらの資料を集めていたらしくそれらのコレクションが展示されていた。

小説を執筆していた机。いい生活だなぁ。



家から片道3時間ほどかかるため、あまり長居はできなかったのが、日帰りでも十分楽しめたアミアン訪問であった。

 

 

 




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