フランスの大学院に入って初めての中間テストが終わった。マジでしんどかった。6年間社会人をやっていて久しぶりの大学のテストだったのもあるが、文化の違い、言語の壁、そして今までと畑違いのデザイン系のテスト(ほぼ文系)というのが厳しかった。
まぁとりあえず終わったので、どういうテストを受けたか、そしてどんな部分が日本のテストと違ったのかをダラダラと書こうと思う。
テスト形式
私の修士のコースに限った話ではあるかもしれないが、今学期で受けている授業のテストは全て各授業で進めているプロジェクトに関するプレゼンであった。全ての授業で何らかのプロジェクトを学期を通して形にすることが求められており、その中間発表である。日本の一般的な理系大学の卒業研究の中間発表に近いと思う。私が今期受けている授業で今回発表しなければならなかったプロジェクトは、「VR空間上でのジェスチャー認識を円滑にするためのインタラクション開発」、「自動運転車の普及に対しての批判的視点を含めた作品の作成」、「夜に動物と人間が楽しめる体験をエコデザインの観点からデザイン思考を用いて設計」の3つである。それらの中間報告として、VRに関連する論文3本の紹介プレゼンと報告書の作成、自動運転車における批判的視点についてのプレゼン、2本のインタビューとアンケート、参考文献を含めたプロジェクトの中間プレゼンを行わなければならなかった。ちなみに全てグループワークであり、私以外はほぼフランス人である。
直前まで準備しないフランス人学生たち
さて、マジでフランス語ができず、いまいちテスト形式についてもよく分かっていないアジア人学生からすると、とにかく準備にどれだけ掛けられるか?が勝負となる。なるべく早め早めに準備を行い、他の学生の様子を伺い、修正をしてテストを迎えたい。しかしグループワークである以上、先行して出来ることも限られる。よって、どういうスライド構成にするか?誰がどこを分担するか?をなるべく早く決めておく必要がある。そこで問題なのがフランス人学生達が基本直前にならないと準備し始めないことである。直前というのは大体発表の前の日の晩である。私のグループだけがそういう人が多いのかと思ったのだが、他の留学生に聞いても同じ事を言っていたし、別のフランスの語学学校に通っている妻に聞いても同じ事を言っていたので、ある程度フランス人学生に共通する特徴と言えそうである。プレゼンの日が近づくにつれて私は焦ってきて、「こういうスライドの構成にして、こことここは私が担当しようと思う」的な話をするのだが、大体自分がどれだけ忙しく、今考える余裕がないか?という事を長文で訴えるメッセージが届くか、もしくは既読スルーである。もう仕方ないので、自分が担当する分だけ連絡して勝手にスライドを作るようにした。
俺のスライドを勝手にいじるな
そうしてなんとか自分の分のスライドを完成させ、ちょっとだけ発表練習をして迎えた発表当日、朝起きるとグループメンバーから長文のメッセージが届いていた。嫌な予感を感じながらも開くと以下のような内容であった。
- 私が書いたスライドの◯◯ページはいらないと思う。なぜなら~(以下長文、私のスライドの内容を勘違いしたほぼ見当違いの批判であった。)
- スライド間の共通性を持たせたいので、あなたのスライドのタイトルを勝手に変えておいたよ☆(私としてはそのタイトルにするとスライドの内容が分かりづらくなってしまうと思ったためこれも受け入れがたい提案だった。)
- ◯ページの内容は少し文字が多すぎるのでもっと削ったほうがいいかも(これは妥当と思える指摘であった)
- あんまりフィードバックできなくてごめんね☆私も忙しいの☆(ちなみに本人のスライドはまだ3割も完成していない)
連日プレゼンの準備に追われて寝不足だったのもあり、かなりイラッと来てしまった。特にプレゼン2時間前に勝手に私のプレゼンを弄られたのが許せなかった。せめてコメント機能で書いてほしい。流石にマナー違反だし、社会人になってからやったら困るだろうなと思ったので、割と理詰めで反論したところ、めちゃくちゃ謝罪するメッセージが来た。意外と豆腐メンタルである。怒ってないことと、一応社会人経験があるものとしてそういうのは辞めておいたほうがいいと思うよ、ということを伝えてメッセージのやり取りは終わった。
しかしあとでよく考えると、奇譚なく意見を言い合う、批判し合うというのはフランスのやり方であると思うし、ちょっと私が大人気なかったかなと思った。本人としては悪気が合って言ったことではなさそうだったからだ。また、日本だと、なんかここ変だな・・・と思っても本人に伝えないことが多いが、とにかく自分が感じたことを素直に相手に伝える文化は生産性や改善の速さにも繋がる気がする。流石に今回は相手も悪いと思ったが私も適応しなければいけない文化である。しかし、フランス人学生、なんかみんなめっちゃ自信満々なんだよなぁ。あの自己肯定感はどこから来るのだろうか。
本番
パッション系英語
私はフランスでの初めてのプレゼンだったのでそこそこ緊張した。他のフランス人学生はみんなフランス語で発表していたが、私は流石に今回フランス語で発表するのは厳しいと思ったので、先生にお願いして英語で発表させてもらった。ここらへんの融通が効くのはとても助かる点である。しかし、あるプロジェクトの先生からは、「今回は英語でいいけど、最終発表はフランス語にしてね」と言われてしまった。やべえ。やはりフランス語のコースで英語で発表し続けるのは厳しそうである。早急にフランス語をなんとかしなければならない。
さて、英語で発表できると言っても、そもそも私は対して英語力もないし、フランス人学生のように1枚のスライドでベラベラと長いスピーチをすることはできない。なので、なるべくスライドを分割し、かつ、自分でも理解できるような簡単な英単語のキーワードを散りばめ、なるべくハッキリとジェスチャー付きで喋るようにした。

割と先生からも他の生徒からも好評をもらい、ギリ切り抜けることができたと思う。まぁ次からはフランスで話す必要があるのだが。
スライドのデザインがお洒落
他のフランス人の学生のスライドを見ていると非常にお洒落である。デザインのコースだからかな?とも思ったのだが、デザインのコース以外の生徒が参加している授業でもみんなスライドがお洒落だった。発表テーマに沿った色とイラストを使い、スティーブ・ジョブズさながらにジェスチャーしながらリラックスした雰囲気で喋るのでとてもかっこいい。パワーポイントを使う学生はおらず、大体CanvaかFigma SlideかGoogleスライドである。また、かなり文字が小さく、1スライドの中に多くの文字が含まれているが、それ以上にめちゃくちゃ喋るというのも特徴だと思う。スライドに書かれていないこともめちゃくちゃ喋るので聞く側にかなりの想像力が求められる。


私も在学中にかっこいいスライドをかっこよく話すスキルを身に着けたい。
規定の発表時間の2倍話す生徒たち
私のプレゼン発表は全ての授業で10分であった。しかし私が見る限り10分で終わったグループは一つもなかった。大体15分~17分、長いと25分のグループもあった。ここらへんも日本との感覚の違いを感じた。少なくとも私が卒業した日本の大学院では超えたとしても許されるのは1分だったと思う。先生もあまり制限時間を超えることは気にせず、しっかりスライドの内容を伝えることを重視しているようだった。
とりあえず終わって一安心
まぁ何はともあれ終わってよかった。今のところ単位が危うそうな授業は無さそうである。とにかく次回の発表ではフランス語で喋れるようにフランス語力を磨いていきたい。
以上。