
Portage, ポータージュ
先日行ってきたカヌートリップでは、予定を遥かに超える頻度と過酷さとでポータージュもやってきました。
夫が大嫌いなポータージュ。
スープじゃないですよ、ポータージュ。
Portageとはフランス語で運ぶことを意味するPoterの名詞形、運ぶこと、転じて、カヌーやカヤックなどで移動している時にビーバーダムなどの障害物を迂回したり、2つの水域の間にある島や半島などの陸上を、カヌーや貨物を運ぶことを意味します。
水域と水域の間を定期的に運搬する道もポータージュと呼ばれます。
アメリカなど英語圏ではポーテージって発音するという噂ですけれど、聞いたことがないので私はポータージュと表記します。
元がフランス語ですからね、ポータージュと書く方が語源に近い仮名表記ですし。
友人たちとカヌートリップする時は、誘ってくれる友人(ガタイがでかい)と夫(まあまあでかい)が二人で、今回はいつもの友人と彼のお兄さんが二人とも筋金入りのカヌーイストで、カヌーを運ぶのは二人が担当してくれましたが、私もそういう人たちがいない時にはカヌー担いでポータージュします。
好んでやりたいことじゃないですから、やってくれる人がいる場合はありがたくお願いしますよ。
夫はポータージュ嫌いなんですけどたまに逃げきれずに担いでます。
なぜそんなことをするのかって?
ホワイト・ウォーター・カヌーイングという、白く泡立つ流れの急なところを下っていくのもありますが、カヌートリップで何泊分もの食料やテントなどを積み込んだカヌーでは、転覆する可能性の大きな水流の激しい箇所は避けてポータージュする方が安全です。
そもそもバックカントリーでほぼ手付かずな自然に近い湖と湖の間なのになぜそんな小道が存在するのかといえば、ヨーロッパからの入植者たちが入植当時盛んに行っていた毛皮交易の名残なのです。
カナダはその頃ニューフランスと呼ばれ、フランス系の入植者が多く住んでいた地域です。
アメリカにも結構名残が残っていますが、カナダはオンタリオのこの辺界隈には結構フランス語の地名も残っているんですよね。
入植者たちが定住し「文明化」した都市部からうんと離れた山奥で、先住民たちから毛皮を買い取り、それを都市部まで運ぶ経路の、山奥側の移動手段がカヌーだったんですね。
カヌーに積み込んだ毛皮の束はカヌーを漕ぐ労働者たちがそれぞれ担いでポータージュをしたのですが、ものすごい重さの束だったとか。
それをろくな整備もない山道(木の根っこ、岩、ぬかるみ、虫、熊、狼、、)をわっせわっせと運んだんでしょうね。
湖と湖の間の陸地は、平らで平坦なことはあまりなくて、結構急な斜面も結構あって、なんでこんなところを選んだんだろう昔の人たちは!と迷惑な気分もしましたが、誰も歩いたことのない未開の茂みを歩いてポータージュを開拓してくれた彼らがいなかったら、いくらバックカントリーとか言いつつもこんなことはできなかったんだよなあと、感謝(しなきゃねえ。)
キャンプ・トリップをしている私たちは運ぶ毛皮のノルマはありませんが、自分たちのギア(テント、寝袋、スリーピング・パッド、着替え、食料、などなど)を運ばなければならず、一人一つだけ運ぶのなら出発地点から到着地点まで一回歩けば済むのですが、カヌーも運ぶことを考慮すると人数分以上の数のサックを運ぶのは是非とも避けたい。
という次第で、持ち物は最小限・最軽量に、食料も乾燥させるなどの工夫が必要なのです。
いくら急流を避けるとはいえ、転覆する危険は常にあるので、濡らしたくないものを入れる樽とか、個々人の持ち物も中身が濡れずに済むドライ・バッグに入れたりするので、やはり持ち物は重くなりがち。
毎年七月もこの時期は虫はあんまり出てこないはずなんですが、今年は雨の量が多いようで、しかも温暖化も進んでいることだし、私たちが滞在している間中、蚊、ブラックフライ、ホースフライ、などなど嫌な虫たちがブンブン飛び交っていました。
岸にカヌーを乗り付け、荷物を運び出し、あれやこれややり始める間中周りをワンワン飛び交う虫たち。
私はなぜか周りの人たちよりも軽く十倍くらいは蚊に狙われます。
もう一人ブラックフライに狙われる体質の友人がいるせいか、ブラックフライは私は平気。
湖の上では上半身を主に使うパドリングをせっせとやりますが、ポータージュでは足腰もしっかり使い、蚊に食われながらエッサホイさと重いものを運び、汗だくになるのでした。
何が嬉しくてそんなスポーツをするのか、、、?

帰宅後の夕飯

写真の真ん中辺が茶色っぽいのは携帯を掲げる私の手元の影です。
めちゃめちゃ疲れた2週間ほどのカヌートリップから戻ってきて、最初の晩は冷凍庫に入っていた出発前に作ってあったご飯をいただきましたが、二日目は何か作らないと何もない。
冷蔵庫の中身はかなり一掃してあるので材料らしいものもない。
帰りの二泊三日は外食続きだったので、作りたくないとはいえ外食も出前も食べたくない。
そんなわがままな自分(大変疲れておりましたので。)
どうしようかなー、と冷蔵庫をのぞいたら玉ねぎと、長細い豆とニンニクがありました。
サンドライトマトも入れ、TVPも入れ、瓶に入れていたので冷凍庫に入れられなかったチックピーの茹で汁も匂いを嗅いだら大丈夫そうだったので使い、急場凌ぎのヴィーガン・パエヤになりました。
ちゃんと美味しく食べられました。
材料メモ:
- 長粒米2カップ
- 玉ねぎ一個
- ニンニク5かけほど
- 長い豆(中国のアレです)束の半分ほど
- エリンギ1本角切り
- サンドライドトマト、一つかみほど
- チックピー茹で汁、2カップくらい
- TVP1カップくらい
- 塩、胡椒、スパイス各種
玉ねぎ、豆、エリンギ、サンドライトマト、ニンニクを順番に厚手のフライパンで炒め、米を入れ、スパイスを入れてかき混ぜたらチックピー茹で汁を入れ、水を入れ、TVPを上に振り掛け、ヒタヒタになるくらいに水を追加し、ストーブトップで中火で加熱。
この日はパンを焼いていたので、パンが終わった後のオーブンで食べる時間まで30分ほど追加加熱。(華氏350度)