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ヤマハ、サーキット走行性能を追求した「YZF-R1M」「YZF-R1」

5月28日~9月30日予約受け付け

2020年5月28日~9月30日 予約受付

2020年8月20日 発売

 ヤマハ発動機は、スーパースポーツ「YZF-R1M」「YZF-R1」を8月20日に発売する。価格はYZF-R1Mが319万円、YZF-R1が236万5000円。

 このモデルはYSPおよびアドバンスディーラーのみで販売される「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」となり、5月28日~9月30日までの期間限定で予約を受け付ける。YZF-R1Mについては、生産計画を上まわる場合は期間を待たずに予約受付を終了する場合があるとのこと。

 YZF-R1は1998年の販売開始から、ヤマハのスーパースポーツ市場を牽引してきたフラッグシップモデルで、技術の粋が投入されサーキットを征する性能を照準に開発されたという1台。主な特長は、サーキット性能に磨きをかけたクロスプレーンエンジン、APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)、伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングが施された前後サスペンション、EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)に加え、すべてを見直した電子制御システム、エアロダイナミクス特性を高めた新設計のカウリング、次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドライト&新作ポジションランプなどが挙げられる。

YZF-R1 ABS/ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
YZF-R1 ABS/ブラックメタリックX(ブラック)

 また、上級モデルのYZF-R1Mは、オーリンズ製電子制御サスペンション、アルミにバフがけを施したタンクやリアアームに加え、新たにカーボン素材の軽量カウルが採用される。

YZF-R1M ABS/ブルーイッシュホワイトメタリック2(カーボン)

主な特長の詳細

サーキット性能に磨きを掛けたクロスプレーンエンジン

 最高出力200PSを発揮するエンジンは、環境規制に適合しつつ、クロスプレーンの“リニアリティとトルク感”向上を目標に開発。スロットルバルブと燃焼室を近づけるために新作したシリンダーヘッドと、バルブ傘裏狙いの斜流噴射のインジェクターを搭載。これにより低~中回転域の燃焼速度が最適化され、スロットルの開き始めからリニアリティ感を向上させるとともに、トルク感のあるエンジン特性に仕上がっている。さらに、高回転域ではセカンダリーインジェクターからの噴射が加わり良好な燃焼を実現する。

 また、アーム形状を見直し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上させるため、フィンガーロッカーアーム式バルブシステムを採用。レースユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げも両立させている。さらに、高回転域での油圧低下を防ぎ、オイル撹拌によるロス馬力低減を図るべく、各コンロッド大端部へのオイル供給に「センター給油方式」を採用。コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化が図られ、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを低減する。

APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)

 スロットルバルブ駆動を電子制御するYCC-Tには、アクセル操作をスロットルケーブルで伝達する機械式ではなく、電子式APSGを採用。軽量化と優れた操作感を実現。

伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション

 エンジン特性に合わせて前後サスペンションのセッティングを最適化。フロントサスペンションは、路面を掴む感触がライダーに伝わるような接地感を持たせることで、ダイレクトかつ素直なハンドリングと軽快感に貢献。また、YZF-R1Mには前後サスペンションを統合制御するERS(エレクトロニックレーシングサスペンション)に加え、フロントサスペンションにガスシリンダーを搭載。ガスによる加圧によりキャビテ―ションを抑制し、減衰力の安定に貢献する。

EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)を加えた電子制御システム

 海外仕様の2019年モデルに搭載されていた電子制御システムをすべて見直し、ライダーの好みや走行状況に応じた走行支援のため、EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)の2種の制御システムを追加。個々の制御システムが相互に連動してライディングを支援し、マシンの潜在能力を効率よく引き出すことに成功。なお、制御システムに合わせ、TFT液晶4.2インチメーターの表示機能を変更。YRC(ヤマハライドコントロール)モード選択など、ライダーの好みを反映できるようになっている

エアロダイナミクス特性を高めた新設計のカウリング

 優れた空力特性を実現するカウル形状を採用。上体を伏せた姿勢でライダーがカウルの中におさまるよう走行風の流れをコントロールすることで、エアロダイナミクス特性を向上させた。

次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドライト&新作ポジションランプ

 軽量コンパクトな新型LEDデュアルヘッドライトを採用することで、ハイ/ロービームとも照射特性を最適化し、特にロービーム時の照射性(照射範囲)が大きく向上。さらに厚肉レンズを採用した新デザインのポジションランプにより、外観品質を大幅に向上させた。

フロントビュー

「YZF-R1M」主要仕様諸元(【 】内は「YZF-R1」の値)

認定型式:8BL-RN65J
原動機打刻型式:N534E
全長×全幅×全高:2055×690×1165mm
シート高:860mm【855mm】
軸間距離:1405mm
最低地上高:130mm
車両重量:202kg【201kg】
定地燃費値:21.6km/L(60km/h)2名乗車時(国土交通省届出値)
WLTCモード燃費(クラス):15.2km/L(クラス3、サブクラス3-2)1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列4気筒
総排気量:997cm3
内径×行程:79.0×50.9mm
圧縮比:13.0:1
最高出力:147kW(200PS)/13500rpm
最大トルク:113Nm(11.5kgfm)/11500rpm
燃料タンク容量:17L(無鉛プレミアムガソリン指定)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
タイヤサイズ:フロント120/70ZR17M/C 58W、リア200/55ZR17M/C 78W【フロント120/70ZR17M/C 58W、リア190/55ZR17M/C 75W】