ニュース

メルセデス・ベンツ、新型「GLA」を4月末に欧州で発売。アメリカと中国にも順次導入

4MATIC車は「オフロードエンジニアリングパッケージ」標準装備

2020年4月28日(現地時間) 発表

新型コンパクトSUV「GLA」を4月末から欧州市場で発売

 メルセデス・ベンツ(ダイムラー)は4月28日(現地時間)、コンパクトSUVの新型「GLA」を4月末から欧州市場で販売開始すると発表した。また、同発表内ではこの発売からまもなくしてアメリカのディーラーでの取り扱いが始まり、中国市場でも入手可能になるとしている。

 2019年12月に世界初公開された2代目のGLAは、従来モデルと比較して全長を14mm短縮した一方、全幅を30mm、全高を104mm拡大。ボディサイズは4410×1834×1611mm(全長×全幅×全高)となり、ホイールベースも30mm広げた2729mmにサイズアップ。フロントシートのヘッドスペースやリアシートの足下スペースが拡大し、居住性を高めている。

2代目となる新型GLA。ボディサイズは4410×1834×1611mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2729mm

 パワートレーンにはメルセデス・ベンツの新世代コンパクトモデル向けに新開発されたガソリンとディーゼルの直列4気筒エンジンをラインアップし、それぞれデュアルクラッチトランスミッションの「8G-DCT」と組み合わせる。

 ガソリンエンジンは1.3リッターで最高出力120kW(163HP)/5500rpm、最大トルク250Nm/1620-4000rpmを発生する「M 282」型、2.0リッターで最高出力165kW(225HP)/5500rpm、最大トルク350Nm/1800-4000rpmを発生する「M 260」型の2種類。

 ディーゼルエンジンは同じ2.0リッターの排気量で、最高出力110kW(150HP)/3400-4440rpm、最大トルク320Nm/1400-3200rpmと、最高出力140kW(190HP)/3800rpm、最大トルク400Nm/1600-2600rpmを発生する2種類を用意する。駆動方式は2WD(FF)のほか、4WDの「4MATIC」をラインアップする。

 また、パワートレーンでは第3世代のハイブリッドシステムを搭載した「EQ Power」モデルを2020年前半に、完全なEV(電気自動車)である「EQA」を年末までに登場させることも予告されている。

エンジンは1.3リッターと2.0リッターのガソリン、2.0リッターのディーゼルを用意するほか、ハイブリッドシステムの搭載車やEVもラインアップに追加していく予定

 先進装備では、販売する国や地域によってオプションのレベルが異なるとしつつ、完全静止まで行なうACCや滑空走行のグライディング走行などを備えるアクティブディスタンスアシスト「DISTRONIC」、速度制限の標識と連動する「Active Speed Limit Assist」、走行レーンを維持する「Active Lane Keeping Assist」などの先進安全装備を採用。

 4輪駆動システムの4MATICでは、「DYNAMIC SELECT」スイッチを押すことで「スポーツ」「コンフォート」「エコ」「オフロード」の4つのモードを切り替えて走行特性を変更できるほか、4MATIC全車で「オフロードエンジニアリングパッケージ」を標準装備。

 オフロードエンジニアリングパッケージで用意されるオフロード走行モードを選択することにより、夜間などの暗いシーンで最大50km/hまで「マルチビームLEDヘッドライト」のコーナリングライトを追加点灯し、隆起した路面状況を把握しやすくするほか、下り坂で2km/h~18km/hのプリセット速度を維持する「ダウンヒルスピードレギュレーション」などを使用可能。

 また、エンジン出力やABSの介入コントロールによってオフロード走行を最適化する追加モードをDYNAMIC SELECTに追加。勾配、傾斜角、技術設定などの情報をメディアディスプレイ上でリアルにアニメーション表現し、運転操作の判断を助ける機能も備えている。

新型GLAの走行イメージ
4MATIC車では全車「オフロードエンジニアリングパッケージ」を標準装備。エンジン出力やABSの介入コントロールによってオフロード走行を最適化する追加モードを用意するほか、下り坂で2km/h~18km/hのプリセット速度を維持する「ダウンヒルスピードレギュレーション」も使用可能
新型GLAのインパネ

 フロントシートはAピラー断面の最適化により、運転席と助手席を従来モデルから97mm高い位置に設定。よりSUVらしいアップライトな着座姿勢として視認性を高めた。

 車内ユーティリティの改良は開発の焦点の1つと位置付けられ、後席シートバックは40:20:40分割可倒式を採用。オプションで140mmの前後スライド機能も用意された。ラゲッジスペースにはフロアの高さ調節機能が標準装備され、フロアを高い位置にセットするとフロントシート側までフラットな荷室空間を作成して大きな荷物を載せられるようにしている。

 このほかに車内では、2018年10月に日本市場で発売された「Aクラス」から採用がスタートした対話型インフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」も採用している。

対話型インフォテイメントシステム「MBUX」を新採用
左側ステアリングスポークにACCなどの操作スイッチをレイアウト
ドアトリムにパワーシートの操作スイッチを用意
40:20:40分割可倒式のリアシートは、140mmの前後スライド機能もオプション設定