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国交省と経産省、25.4km/Lの新燃費基準「乗用車の2030年度燃費基準」策定

新たにEVやPHVも規制対象に

2020年3月31日 発表

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 国土交通省と経済産業省は3月31日、自動車の新たな燃費基準となる「乗用車の2030年度燃費基準」を策定したと発表した。乗用車の2030年度燃費基準は、2016年実績と比較して32.4%の燃費改善を求めるものとなり、新たにEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)が規制対象となった。

 乗用車の2030年度燃費基準は、2016年度実績値に対する燃費改善率を、2016年度実績値19.2km/L(JC08モード燃費値をWLTCモード燃費値に換算)に対して、2030年度燃費基準推定値を25.4km/Lと設定、燃費改善率を32.4%とした。目標年度は2030年度、対象範囲はガソリン自動車、ディーゼル自動車、LPG自動車に加えて、新たにEV、PHVを対象とする。

図に示された新たな燃費基準値。2020年度と2030年度燃費基準推定値は、2016年度の乗用車の車両重量別出荷構成を前提に算出される

 新燃費基準の達成判定については、現行と同様に企業別平均燃費基準方式(CAFE方式)が採用される。CAFE方式は、目標年度において製造事業者等が出荷した燃費基準対象車両の燃費値を出荷台数で加重調和平均した値(CAFE値)が、燃費基準値を当該製造事業者等の目標年度における出荷台数実績で加重調和平均した値(CAFE基準値)を下回らない場合に基準を達成したと判定される。

 また、エネルギー消費効率(燃費値)の算定方法は、EVやPHVについては、ガソリン自動車などと比較可能にするため、ガソリンや電力などが車両に供給されるよりも上流側のエネルギー消費効率を考慮した「Well-to-Wheel」の考え方を用いて評価される。

 なお、公布は3月31日で、4月1日より施行。新たに対象となったEV等の表示事項は1年間の経過措置期間を設けて、2021年4月1日から適用される。

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