ニュース

BMW、「3シリーズ」の新型PHV「330e」「330e xDriveセダン」米国で発売

最大10秒間、最高出力を40HP上乗せする新機能「XtraBoost」搭載

2020年3月26日(現地時間) 発表

330e:4万4550ドル

330e xDriveセダン:4万6550ドル

 BMWは3月26日(現地時間)、米国市場で3シリーズのパフォーマンスPHEV(プラグインハイブリッド)「330e」「330e xDriveセダン」を発表した。価格は330eが4万4550ドル、330e xDrive sedanが4万6550ドル。市場投入は5月を予定する。

 330eおよび330e xDriveセダンは、最新のeDriveテクノロジー、高度なドライバーアシスト、安全性、インフォテインメントシステムにより、排出ガスを低減し、EV運転を可能にすると同時に、爽快な運転も体験できる。ボディサイズは、4717×1827×1445mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2850mmとなっている。

「XtraBoost」を備えた新しい4気筒PHEVパワートレーン

 新しい330eおよび330e xDriveセダンは、モーターと高電圧バッテリーパック、さらに内燃ガソリンエンジン搭載するパッケージ。直列4気筒 2.0リッターのツインターボエンジンは、最高出力181HP/3800-6500rpm、最大トルク350Nm/1450-3600rpm、モーターは最高出力107HP/3170rpm、最大トルク105Nm/0-3140rpm。合計出力は288HP、420Nm(XtraBoost使用時)を発生。また、後部座席の下には34Ah/12kWhのリチウムイオンバッテリーが配置され、電気のみでも十分なパフォーマンスのドライビングを可能とする容量を持つ。

 新型330eおよび330e xDriveセダンには、新たに「XtraBoost」機能を搭載。アクセルペダルをキックダウン位置まで踏み込んだときに、瞬時にエンジン出力を高められる機能で、SPORTモードでのみ利用が可能となり、最大10秒間、最高出力が40HP上乗せさせられる。

 この電動パワートレーンにより、0-96.56km/h(60mph)加速は5.6秒をマーク(330e xDriveセダンは5.7秒)。オールシーズンタイヤを装備した場合の最高速は209.13km/hでリミッター制御が入る。サマーパフォーマンスタイヤの場合、330eセダンは228.53km/h、330e xDriveセダンは225.31km/hが最高速となる。

140km/hまでは完全な電気駆動

 ハイブリッドドライビングモードでは、電力のみで約110km/hまで走行可能となり、先代モデルよりも30km/hほど高速化。また、完全なEVモードでは、先代モデルの約120km/hから約140km/hまで高められた。EVモードで走行している時は、約32km/hまで歩行者を保護するため、外部スピーカーから独自の電子サウンドを鳴らして接近を知らせる装置を内蔵する。

8速スポーツステップトロニックトランスミッション

 装備される8速ATのスポーツステップトロニックトランスミッションは、新しい油圧制御システムと短いギヤリングを備えたことで応答速度が向上。また、インテリジェントコネクティビティにより、ルートや運転状況に応じて自動的にシフト選択を行なうことが可能。カーナビゲーションのデータと連携して、高速コーナー走行中や前方の車両に近づいたときなど、エンジンブレーキを使用して速度を落とすために早めにシフトダウンする機能も備わる。

後輪駆動の「330e」、4輪駆動の「330e xDriveセダン」

 BMWのインテリジェントxDriveの完全可変パワートランスファーは、あらゆる道路や気象条件で最大のトラクションと安定性を保証すると同時に、よりスポーティなハンドリングを実現。この機能は、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)システムとリンクして、運転状況に応じて瞬時に最適な状態へと変化する。

 また、インテリジェントxDriveは、通常は後輪により多くの駆動力を送ることでコーナリング時の俊敏性を向上させるが、前輪の駆動力を必要としない状況ではすべてのトルクを後輪に使用し、最適化されたオイル供給により内部効率を向上させる。

スポーティさと快適さを両立するシャーシテクノロジー

 ボディ構造とシャーシは、強化されたドライビングダイナミクス、俊敏なハンドリング特性、高精度のステアリング、優れたブレーキング性能に重点を置いて開発。これらの属性の基礎は、低重心、前モデルと比較した前後のトラックの増加、前輪のキャンバー値の大幅な増加、およびボディ構造やサスペンションマウント剛性の大幅な増加によって実現している。

 剛性アップに加え、3シリーズセダン用に新しいショックアブソーバーテクノロジーが開発され、サスペンション、ステアリング、タイヤ、ブレーキシステム、ディファレンシャルロックの機能的に調整された相互作用により、誰でもスポーツ走行を楽しめるようにした。

運転支援システム

 交通渋滞などの単調な運転状況でドライバーの運転負荷を軽減するように設計された支援システムに関しても、カメラの画像とレーダー、超音波センサーによって収集されたデータで車両の周辺領域を監視し、ドライバーに危険を警告する、または適切なブレーキとステアリング操作支援によって事故のリスクを最小限に抑えるために使用される。

 オプションのストップアンドゴーブレーキ機能付きACC(アクティブクルーズコントロール)は、ドライバーが設定した速度を維持するために自動的にクルマを加速または減速させることで、長距離ドライブを楽にしてくれる。設定速度は、オプションの交通標識認識システムのディスプレイから直接入力が可能。

 ストップ&ゴー機能付きACCは選択した巡航速度を維持するだけでなく、前方を走行する車両から安全な距離を保つことにより、ドライバーをさらに支援。このシステムは0-210km/hの範囲で作動し、必要に応じて車両をブレーキで停止させることも可能となっている。

 さらに新型3シリーズ PHEVモデルには、「アクティブガード」「シティ コリジョン ミティゲイション(市街地衝突緩和)」を備えた正面衝突警告、レーン逸脱警告が標準装備され、サイクリストが検出された時にドライバーに警告するだけでなく、状況に応じて車両を停止。衝突の回避、または影響を最小限に抑えてくれる。

 オプションの「ドライビングアシスタント」には、それぞれ71~210km/hと20km/hからクルマの最高速まで動作するブラインドスポット検出システムが備えられ、ドライバーがステアリング入力でクルマを正しい経路に戻すことをアシストする。

 ドライビングアシスタントのその他の機能には「後方衝突防止機能」と「交通渋滞警告機能」も含まれ、ドライバーの視界から遮られている道路に後退する際の衝突のリスクを軽減できる。クルマの後方で何が起こっているかを監視できるように、リアバンパーのレーダーセンサーとリアビューカメラの両方を使った「クロストラフィックアラート」機能も搭載する。

究極の快適性と安全性をもらたすオプション機能

 オプションの「ドライビング アシスタント プロフェッショナル」は、快適で安全な運転のための支援システムの完全版。Mobileyeと共同開発した3眼カメラにより、正面向きのレーダーと連動。このパッケージにより、幅広い状況でシステムを利用できるようになっている。「ドライビングアシスタントとストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロール」のすべてのコンポーネントに加えて、「ステアリングおよびレーンキーピングアシスタント」も含まれる。

 ドライビングアシスタントプロフェッショナルは、側面衝突回避機能を備えた車線維持アシスタントも備える。また、側面衝突回避は、視覚的な警告信号とステアリングを振動させるだけでなく、ステアリングを自動的に動かして衝突を回避させる。この回避機能は、歩行者や交通渋滞にも対応する。

「エクステンド トラフィック ジャム アシスタント」は、単調で退屈な運転時にドライバーを助けるように設計され、60km/hまでの速度で高速道路で動作するように設計される。このシステムは、レーンキーピングアシスタント、ストップアンドゴー付きACC、カメラによる運転者注意監視を行ないながら利用することできる。

駐車支援パッケージプラスバックアップアシスタント

 駐車時の革新的な支援システムも搭載。フロントとリアの両方にセンサーを備えたPDC(パークディスタンスコントロール)は、車両の側面または背面にある障害物との衝突を防ぐために視覚的および音響的信号を発信。

 オプションの駐車支援パッケージは、道路に沿って平行または垂直のスペースを自動的に選択し、それらに移動する自動駐車とさらに連携。システムの最新バージョンは、クルマのステアリング、加速、ブレーキ、ATをすべて自動的に制御する。

 パーキングアシスタントのもう1つの機能は革新的な「バックアップアシスタント」。これはクルマの駐車スペースに乗り降りするための空間がわずかしかないときに役立つ機能で、クルマを止めてから前進(35km/h以下)している時のステアリング操作を記憶。クルマを移動してからドライバーが降り、クルマだけを駐車スペースに運んでくれる機能となる。最大で45mほどの利用が可能で、この機能は新型3シリーズセダンで唯一のものとなる。

 また、リアビューカメラとオプションのパーキングアシスタントパッケージには、離れた場所からスマートフォンを使い、駐車中の車両周辺の3Dライブ画像を見る機能も搭載。このほかにもAndroid 8.0以降を搭載する「Samsung Galaxy」を使い、ドアロックの開閉やエンジンの始動もできる。