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クラッシックフォルクスワーゲンのファンイベント「13th Street VWs Jamboree」レポート

Type1からザ・ビートルの最後の陸揚げ車両まで多数のモデルが並んだ

2019年10月27日 開催

多数のフォルクスワーゲン車が参加した「13th Street VWs Jamboree」

 10月27日、空冷フォルクスワーゲンユーザー向けの雑誌「STREET VWs」およびその版元となる内外出版社が主催するユーザーイベント「13th Street VWs Jamboree」が、愛知県豊橋市にあるフォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)の本社において開催された。

 STREET VWs JAMBOREEは、これまでお台場などの東京都の会場で行なわれてきたが、今年は2020年に開催される東京オリンピックの関係から昨年までの会場が使うことができなくなったため、VGJが協力する形で愛知県豊橋市にある同社本社施設を利用して行なわれる形となった。

「Type1」と呼ばれる初期のビートルが正式に輸入開始された1953年から、2019年に生産完了が発表された「ザ・ビートル」まで、日本でも70年近くの歴史を誇るビートル。ドイツ語で昆虫の意味を持つ愛称を生むことになったユニークな外見や、空冷エンジンというユニークな仕様も相まって多くのファンに愛されており、今回も日本全国から多くのクラッシックフォルクスワーゲンファンが集まるイベントとなった。発表によると、展示車両のクラッシックフォルクスワーゲンが約600台、見学に来た新旧フォルクスワーゲンおよび一般車両の合計が約2000台、約5000人が訪れたとのこと。

1953年型のType1型ビートル、ザ・ビートルの最後の陸揚げ車両も展示される

愛知県豊橋市にあるVGJの本社ビル

 13th Street VWs Jamboreeは、その名前からも分かるように今年で13回目となるイベントで、日本全国から空冷エンジンを採用したビートルなどを中心としたフォルクスワーゲンのファンが集結するイベントとなっている。

フォルクスワーゲンの歴史

 空冷のフォルクスワーゲンと言えばビートルを思い浮かべる読者が多いだろう。「フォルクスワーゲン Type1」の名称で第2次世界大戦前からドイツで製造が始まった小型自動車は、空冷の水平対向4気筒エンジンを2WD(RR)方式で搭載している車両。初代ビートルが日本に正式に輸入されたのは1953年で、VGJの本社ビルの1階ではその最初の車両が展示されていた。

1952年式のフォルクスワーゲン Type1
1957年式のフォルクスワーゲン Type1

 その後、1998年に新しいモデルとして「ニュービートル」がデビューし、2011年に登場したザ・ビートルは日本でも人気を博してきた。しかし、2019年に入って生産を終了することが明らかにされ、今回の13th Street VWs JamboreeでもVGJの本社ビル1階にその最後の陸揚げ車両が展示された。

ニュービートル
ザ・ビートル
VGJ本社ビルのロビー

VGJ豊橋本社のさまざまな場所が公開される

VWベア

 そもそもVGJの本社施設は、VGJだけでなくフォルクスワーゲングループ各社の輸入拠点として機能しており、ベントレー、ポルシェ、フォルクスワーゲン、アウディ、ランボルギーニといった各ブランドが、VGJの本社内にあるVGJ豊橋インポートセンターで陸揚げするとともに、各種の検査(形式完成検査など)や機能・走行試験、純正アクセサリーの取り付けなどを行ない、出荷まで「カーサイロ」(屋内の保管場所のこと)に保管され、その後日本各地に出荷される。今回の13th Street VWs Jamboreeでは特別にVGJ豊橋インポートセンターが公開され、テクニカル・サービス・センターと呼ばれる検査場の様子などを見ることができた(ただし撮影は不可)。

VGJ豊橋インポートセンターの説明
VGJ各社の車両が展示
ベントレー コンチネンタル GT
ポルシェ 911
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
アウディ TT ロードスター
ランボルギーニ アヴェンタドール

 また、VGJの本社施設には「パーツデポ」と呼ばれる、純正部品を全国のディーラーなどにデリバリーするためにストックしておく倉庫もある。今回はこの「パーツデポ」も公開されており、純正パーツが保管されている様子や、それが出荷される様子などを見学できた。

パーツデポ
公開されたパーツデポ

 また、通常であればVGJの従業員が利用する社員食堂となる「キャンティーン」も公開。カレーブルスト(カリーブルスト)などドイツ名物の食事も出されていた。カレーブルストはソーセージにケチャップとカレー粉をまぶした料理で、ドイツ、特に首都のベルリンではそこかしこの売店などで販売されている国民食だ。筆者は1年1度のペースでベルリンに渡航するのでよくこのカレーブルストを食しているが、キャンティーンで販売されていたカレーブルストはまさにドイツの味がした。

キャンティーン
カレーブルスト

 また、子供向けのアトラクションもいくつか用意されており、「キッズマイスター」と呼ばれるコーナーでは整備士の体験ができるようになっていた。終了すると認定証までもらえる本格的なモノだ。

キッズマイスター
子供用遊具
スタンプラリー
フォトプリントコーナー

 そうした複数のコーナーではスタンプラリーも用意されており、スタンプを集めると景品と交換できるということもあり、多くの来場者がスタンプラリーに参加していた。

シェア社長が赤いフォルクスワーゲン Type1に乗って登場

フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社 代表取締役社長のティル・シェア氏

 STREET VWs JAMBOREEのメインのイベントは、空冷フォルクスワーゲンを愛するユーザーの交流にある。VGJ本社施設内には多くのType1やバス型のType2などが並べられており、各々のモデルがカスタマイズされているので、ただ眺めているだけでも十分楽しい。特に今年は、前述の通り会場が東京 お台場から豊橋のVGJ本社施設に移動したこともあり、東京だと参加できないユーザーも多数参加していたため、前回とはだいぶ車両のラインアップも変わっていたようだ。

ゲート
ロゴ
ステージ
会場にはところ狭しとフォルクスワーゲン車が並ぶ

 そうしたSTREET VWs JAMBOREEのメインステージでは、地元豊橋のえふえむ豊橋のパーソナリティが司会進行を務めて、STREET VWs編集長のトークショーなど各種のステージイベントが行なわれた。

 オープニングでは、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長のティル・シェア氏によるあいさつが行なわれた。赤いType1に乗って登場したシュア氏は、ステージで「こんなに多くのお客さまに集まっていただき、ビートルがこれだけ愛されていることを再確認した」と、詰めかけたフォルクスワーゲンファンに対して呼びかけた。

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長のティル・シェア氏が赤いType1に乗って登場
赤いType1
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン・アワードの受賞者とその車両

 なお、午後には各種のアワードが発表され、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン・アワードを受賞した参加者に対してシェア氏から表彰が行なわれた。