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英マクラーレン、GT4マシンの公道走行仕様「620R」。限定生産350台

日本での価格は3750万円から

2020年12月9日(現地時間) 発表

GT4マシン「570S GT4」の公道走行仕様「620R」

 英マクラーレンは12月9日(現地時間)、GT4規格のレーシングカー「570S GT4」の公道走行バージョン「620R」を発表した。350台の限定生産で、日本での価格は3750万円からの予定。

 620Rはレース仕様の570S GT4と同じハードウェアとシャシーを採用するなどにより、乾燥重量1282kgを実現。エアロダイナミクス性能では185kgのダウンフォース(250km/h)を発生するなど、マクラーレンのスポーツシリーズにおいて最もパワフルで、最速のラップタイムを実現するモデルという。

 パワーユニットは最高出力456kW(620PS)/7000rpm、最大トルク620Nm/3500rpmを発生するV型8気筒 3.8リッターツインターボエンジンを搭載。トランスミッションは7速SSG(シームレスシフト・ギヤボックス)を組み合わせて、駆動方式は2WD(MR)となる。パフォーマンスでは0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速で8.1秒。最高速は322km/hを実現する。

620R

 機能部品として、カーボン・セラミック製ブレーキ、センターロックのホイール、ステンレス鋼のスポーツエグゾーストなどを装備。インテリアでは、カーボンファイバー製レーシングシート、6点式のレーシングハーネスと公道用シートベルトを装備する。

 そのほかにもサーキット走行に向けて、手動調整可能なGT4ダンパーを採用したサスペンション、標準装備となる公道走行用のピレリ「P Zero Trofeo R」に加えて、オプションとしてサーキット走行用のピレリのスリック・タイヤも用意される。

620R
620R

 スリック・タイヤはピレリのモータースポーツ・チームがマクラーレンのために特別開発したもので、620Rのモータースポーツ用ブレーキやレース由来のサスペンションに合わせて最適化。公道用タイヤと比べて路面との接地面が8%拡大して横方向のGフォースが増えるため、より速いラップタイムを出すことが可能という。19インチのフロントホイール、20インチのリアホイールを履く公道仕様車が、メカニカルな調整なしでスリックタイヤで走行できるように開発されたのはこれが初めてという。

 ボディカラーは、標準仕様では「マクラーレン・オレンジ」「シリカ・ホワイト」「オニキス・ブラック」の3種類から選択可能で、「McLaren Senna GTR」から着想を得たカラーリングも入手可能。

 限定生産350台となる620Rは、すべてサリー州ウォーキングにあるマクラーレン・プロダクション・センターにおいて手作業で生産される。2020年1月に生産を開始して、2月より納車開始予定。ヨーロッパや米国での購入者には、レース・サーキットでインストラクターによる運転指導が受けられる「ピュア・マクラーレン・トラック・デイ」の費用が価格に含まれる。

620R