ニュース

【鈴鹿8耐 2019】5時間経過で10号車Kawasaki Racing Teamがトップに。トップ3争いはワークス3台に

シリーズ逆転優勝をもくろむ1号車F.C.C. TSR Honda Franceは4番手で厳しい状況

2019年7月28日 決勝

レースをリードする10号車Kawasaki Racing Team

「2018-2019 FIM世界耐久選手権 最終戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久レース 第42回大会」(以下、鈴鹿8耐)の決勝レースはスタートから5時間が経過した。5スティント目に33号車Red Bull Hondaが高橋巧選手にスイッチすると、3番手から猛烈に追い上げ、2番手の21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMをパス。トップを走行する10号車Kawasaki Racing Teamにコンマ数秒差まで迫っている。

トップ3争いはワークスチーム3台に絞られる

 スタートから2時間10分ほど経過した時点で、トップを走っていた21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMは、上位3チームのなかでは最も早い2回目のピットストップ。遅れて10号車Kawasaki Racing Teamもピットへ。その間にトップに立った33号車Red Bull Hondaは、初回と同様に21号車からおよそ10分後のピットインとなった。

21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM

 33号車Red Bull Hondaはトップのままコースに復帰。タイヤが温まりきらないところに10号車Kawasaki Racing Teamが迫るシーンも見られたが、33号車の高橋巧選手が2分7秒246のベストラップを刻むなどして快走。周回を重ねるごとに徐々に2番手との差を広げていく。

 10号車Kawasaki Racing Teamと21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMはコンマ数秒差で抜きつ抜かれつの戦いを展開している間に、33号車Red Bull Hondaははるか前方で独走状態。3時間が過ぎたところで10号車、21号車の2台がそろって3回目のピットへと向かう直前には、33号車との間に約12秒もの差がついていた。

 ところが4スティント目、33号車Red Bull Hondaはリードしながらも、そのステファン・ブラドル選手は2分8〜9秒台を出すのが精一杯。後を追う10号車Kawasaki Racing Teamのジョナサン・レイ選手と21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀選手は2分7秒台を連発し、次第に33号車を追い詰めていく。

 そしてちょうど100周目、3時間40分余りが経過したところで、33号車Red Bull Hondaが周回遅れの処理に手こずっている間に2台が一気にパス。10号車Kawasaki Racing Team、21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM、そして33号車のオーダーに変わった。トップに立った後、10号車は快調に飛ばし、4時間10分経過後の4回目のピットストップのタイミングで21号車とのギャップは6秒超に。

 5スティント目になると、10号車Kawasaki Racing Teamが5秒前後のアドバンテージを維持し、21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMと、高橋巧選手にスイッチしてそれをハイペースで追い上げてきた33号車Red Bull Hondaとの2番手争いが勃発。21号車が130Rでアウト側に膨らんだ隙にインを刺し、順位が入れ替わる。33号車はそのままの勢いでトップを走る10号車にも迫り、5時間経過時点でわずか0.3秒差余りにまで詰める。

21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMと33号車Red Bull Honda
21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMのアレックス・ローズ選手をパスする33号車「Red Bull Honda」の高橋巧選手

 一方、1号車F.C.C. TSR Honda Franceはトップ3と同一周回の4番手を走行中。3時間が経過したところで、チャンピオンシップをリードする11号車TEAM SRC KAWASAKI FRANCEが転倒したものの、16番手で復帰した。1号車がシリーズチャンピオンを獲得するには現在の23ポイント差を巻き返す必要があり、この鈴鹿8耐での優勝がほぼ必須であることには変わりない状況だ。

1号車F.C.C. TSR Honda Franceは4番手を走行中。少なくとも2位を獲得しないとシリーズランキングで逆転可能な23ポイント差を埋められない計算だが……
11号車TEAM SRC KAWASAKI FRANCEは転倒したものの、ランキングトップを堅持できるか

 5時間経過時点の順位は以下の通り。

途中経過(5時間経過時点の上位チーム)

順位:チーム(選手、車両、タイヤ)
1位:10号車Kawasaki Racing Team(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/トプラック・ラズガットリオグル選手、Kawasaki ZX-10RR、BS)
2位:33号車Red Bull Honda(高橋巧/清成龍一/ステファン・ブラドル選手、Honda CBR1000RR SP2、BS)
3位:21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク選手、YAMAHA YZF-R1、BS)
4位:1号車F.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/フレディ・フォレイ/マイク・デ・ミリオ選手、Honda CBR1000RR SP2、BS)
5位:12号車YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING(加賀山就臣/渡辺一樹/シルバン・ギュントーリ選手、SUZUKI GSX−R1000、BS)
6位:7号車YART-YAMAHA(ブロック・パークス/マービン・フリッツ/ニッコロ・カネパ選手、YAMAHA YZF-R1、BS)