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ABB、CHAdeMO 200AおよびCCS 500A両対応の超急速充電器「Terra HP」展示

2019年7月17日~19日 開催

ABBの超急速充電器「Terra HP」が備えるCCS 500A対応のコネクタ

 ポートメッセ名古屋(名古屋市国際展示場)で7月17日~19日、自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2019 名古屋」(以下、人くる名古屋)が開催された。人くる名古屋では、「新たな自動車技術が支える地域創生」という企画コーナーを設け、数々の新しい車載製品・技術が展示されていた。

 2019年4月にポルシェジャパンと急速充電器の共同設置について発表したABBは、CHAdeMO(チャデモ)の200AおよびCCSの500Aに両対応する超急速充電器「Terra HP」を展示。このTerra HPはパワーキャビネットを別に設置するモジュール式の急速充電器で、2つのパワーキャビネットを利用することで最大500A/350kWも可能となっている。

 充電規格は、CHAdeMOとCCSに両対応。CHAdeMOは通常ケーブルだが、CCSは500Aに対応するために液冷ケーブルを使用。詳細な構造については説明できないとのことだったが、同心円状に内側から充電ケーブル、冷たい液体、温まった液体といった形で配置されているという。500Aを充電していくためには排熱システムが必要で、このABB Terra HPはそうしたシステムを備えたものになるという。

背の高い独特の形状をしたABBの「Terra HP」
展示機はCHAdeMOとCCSの両対応
Terra HPの解説
こちらはおなじみのCHAdeMO。リーフやアウトランダーPHEVで採用されている日本発の充電規格
こちらはCCS。500A充電に対応するため液冷ケーブルを用いる

 ABBの担当者によると、CHAdeMOの次世代規格(超高出力充電規格「ChaoJi」)についても安定した充電のためには液冷ケーブルが望ましいとし、それに対応する技術がABBにはあるという。また、ABBのTerra HPでは背が高めの充電器となっており、これはケーブルを屈曲して収納したくないからとのこと。確かに背が低めの充電器では、充電ケーブルの長さを確保するためにグルグル巻きとする収納方法を採用するものもあるが、ケーブルの液冷を前提とした場合には高い屈曲度はトラブルにもつながってくるのだろう。

 今後、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)は増加傾向となるのは間違いなく、このABB Terra HPのようなより短時間で充電できる急速充電器が普及していくことになる。