ニュース

マツダ、「ロードスター」「ロードスター RF」商品改良。「SKYACTIV-G 2.0」エンジンは184PS/205N・mに

歴代初のテレスコピックステアリング採用!

2018年7月26日 発売

ロードスター:255万4200円~325万6200円

ロードスター RF:336万9600円~381万2400円

特別仕様車:309万4200円~320万7600円

ロードスターの特別仕様車「Caramel Top(キャラメル・トップ)」

 マツダは、小型オープンスポーツカー「ロードスター」「ロードスター RF」の商品改良を行ない、7月26日に発売する。価格はソフトトップモデルのロードスターが255万4200円~325万6200円、リトラクタブルハードトップモデルのロードスター RFが336万9600円~381万2400円。同時に特別仕様車「Caramel Top(キャラメル・トップ)」をロードスターに設定して発売する。こちらは6速MT仕様が309万4200円、6速AT仕様が320万7600円。

 今回の商品改良により、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」をロードスター全モデルに標準装備しており、マツダはスポーツカーも含めた国内で販売する主要7モデル(デミオ、アクセラ、アテンザ、CX-3、CX-5、CX-8、ロードスター)すべてが経済産業省や国土交通省などが普及啓発を推進する「安全運転サポート車」の「サポカーS・ワイド」に該当することとなった。

ソフトトップモデルのロードスター
ロードスター価格表
グレードエンジン変速機駆動方式価格
S直列4気筒DOHC 1.5リッター「SKYACTIV-G 1.5」6速MT2WD(FR)2,554,200円
S Special Package6速MT2,759,400円
6速AT2,872,800円
S Leather Package6速MT3,094,200円
6速AT3,207,600円
特別仕様車 Caramel Top6速MT3,094,200円
6速AT3,207,600円
RS6速MT3,256,200円
NR-A6速MT2,705,400円
ロードスターのWLTCモード燃費一覧
グレード変速機WLTCモード燃費WLTCモード燃費(市街地モード)WLTCモード燃費(郊外モード)WLTCモード燃費(高速道路モード)
S6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
S Special Package6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
6速AT17.2km/L12.7km/L17.9km/L19.7km/L
S Leather Package6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
6速AT17.2km/L12.7km/L17.9km/L19.7km/L
特別仕様車 Caramel Top6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
6速AT17.2km/L12.7km/L17.9km/L19.7km/L
RS6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
NR-A6速MT16.8km/L12.0km/L17.7km/L19.5km/L
リトラクタブルハードトップモデルのロードスター RF
ロードスター RF価格表
グレードエンジン変速機駆動方式価格
S直列4気筒DOHC 2.0リッター「SKYACTIV-G 2.0」6速MT2WD(FR)3,369,600円
6速AT3,396,600円
VS6速MT3,650,400円
6速AT3,677,400円
RS6速MT3,812,400円
ロードスター RFのWLTCモード燃費一覧
グレード変速機WLTCモード燃費WLTCモード燃費(市街地モード)WLTCモード燃費(郊外モード)WLTCモード燃費(高速道路モード)
S6速MT15.8km/L11.8km/L16.0km/L18.3km/L
6速AT15.2km/L10.9km/L15.6km/L18.0km/L
VS6速MT15.8km/L11.8km/L16.0km/L18.3km/L
6速AT15.2km/L10.9km/L15.6km/L18.0km/L
RS6速MT15.8km/L11.8km/L16.0km/L18.3km/L

 今回の商品改良のポイントは、「人馬一体感を高めた進化したエンジン」「カラーコーディネーションの深化」「安心して運転を楽しむための環境づくり」「お客さまの要望にきめ細やかにお応えする使い勝手の向上」の4点。

SKYACTIV-G 2.0は184PS/205N・mに

改良を受けた直列4気筒DOHC 2.0リッター「SKYACTIV-G 2.0」エンジン

 まずロードスター RFが搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッター「SKYACTIV-G 2.0」エンジンでは、ソフトトップモデルで採用するFR専用設計の直列4気筒DOHC 1.5リッター「SKYACTIV-G 1.5」エンジンで実現した、どこまでも加速が伸びていくような伸び感を目指して改良を実施。具体的には、スロットル径を2.5リッタークラスまで拡大するとともに、吸気ポートを従来の独立ポートから吸気抵抗が少なく高出力化に適したコモンポートをSKYACTIV-Gシリーズで初採用。また、スカート部を極限まで小さくするなど27gの軽量化を達成したピストン、新開発の高強度ボルトや肉厚の最適化によって41g減量したコンロッド、重量増を最小限に抑えながら高バランス化したクランクシャフトなどを採用した。

 また、排気カムシャフトはバルブ開弁角を拡大し、最大バルブリフトをアップしたほか、バルブと排気ポートの径を拡大するとともに、排気ポートには排気ガスのかい離を抑制する新しい形状を採用。さらに、ポート壁面の受熱量を低減して吸気温度を低下させるとともに、ポートの形状を最適化したことでタンブル流(縦回転の混合気の流れ)を強化し、燃焼速度を高めた。

 そのほか、フライホイールを従来のシングルタイプからエンジン側とトランスミッション側の2つのホイールで構成する「低イナーシャデュアルマスフライホイール」に変更。また、エンジンサウンドの要になるエキゾーストパイプのメインサイレンサーでは排気ガスの経路や流れの見直し、高周波数成分を吸収するグラスウールの採用など、内部構造を一新。これにより力強さを感じる周波数に調律し、低回転から高回転までリニアで伸びのある力強いサウンドを実現するとともに、アクセル操作に対するサウンドのフィードバックを強めたという。

27gの軽量化を達成したピストン
重量増を最小限に抑えながら高バランス化したクランクシャフト
低イナーシャデュアルマスフライホイール
エキゾーストパイプのメインサイレンサー

 これらの改良により、SKYACTIV-G 2.0エンジンの出力は従来の最高出力116kW(158PS)/6000rpm、最大トルク200N・m(20.4kgf・m)/4600rpmから、最高出力135kW(184PS)/7000rpm、最大トルク205N・m(20.9kgf・m)/4000rpmへと進化。合わせて最高回転数も、従来の6800rpmから7500rpmという高回転まで息の長い伸び感のある加速を実現させている。

 なお、SKYACTIV-G 2.0エンジンの6速AT車については、緩やかに加速する際にエンジン回転だけが先に少し吹け上がる現象を抑制するため、制御を改善しながらエンジンとトルクコンバーターの回転が同期しやすいようファイナルギヤレシオを従来の3.454から3.583に低速化。また、スポーツ走行時のターンインでの変速タイミングや、ターンアウトの駆動力の制御などをより緻密に作り込んだという。

SKYACTIV-G 2.0エンジンは最高出力135kW(184PS)/7000rpm、最大トルク205N・m(20.9kgf・m)/4000rpmへと進化

 一方、SKYACTIV-G 1.5エンジンではフューエルポンプの高燃圧化とともに、インジェクターは微粒化、高拡散化、かつ多段燃料噴射化して燃焼を改善し、燃焼速度を高めたことで異常燃焼を抑えながらトルクアップを実現。また、ピストンは上部の外周に階段形状を設けることで未燃ガスを低減したほか、オイルリングの張力を最適化して機械抵抗を低減。高回転型エンジンならではの爽快な伸び感はそのままに、燃費・環境性能を向上させたという。

 スペックとしては、従来が最高出力96kW(131PS)/7000rpm、最大トルク150N・m(15.3kgf・m)/4800rpmだったところ、最高出力97kW(132PS)/7000rpm、最大トルク152N・m(15.5kgf・m)/4500rpmとなっている。

歴代ロードスターで初めてのテレスコピックステアリング

テレスコピックステアリング採用

「カラーコーディネーションの深化」では、ソフトトップ、ハードトップともに従来ではガンメタリック塗装だったアルミホイールのカラーをブラックメタリック塗装に変更(RFのSおよびVSグレードは高輝度塗装)。より黒くしたことでピアノブラック内装との統一感を図った。

ブラックメタリック塗装の16インチアルミホイール
ロードスター RF(VS)のスポーツタン内装
ロードスター RF(VS)のブラック内装
ロードスター RF(VS)のオーバーン内装

 また、今回の商品改良に合わせて新たに設定された特別仕様車「Caramel Top」では、「S Leather Package」をベースに新採用のブラウンカラーのソフトトップとともに、スポーツタン色のインテリアカラーを組み合わせた。

 エクステリアではボディカラーと同色のドアミラーや、深みと輝きが特徴的な高輝度塗装の16インチアルミホイールを採用。さらに6スピーカー(ドア×2、フロントピラーツイーター×2、運転席ヘッドレスト×2)のオーディオ機能も特別装備に含まれる。

特別仕様車「Caramel Top」では、深みと輝きが特徴的な高輝度塗装の16インチアルミホイール(195/50 R16)をはじめ、ブラウンカラーのソフトトップやスポーツタン色のインテリアカラーを採用

 一方、機能面でのトピックは歴代ロードスターで初めてテレスコピックステアリングを採用したことが挙げられる。このステアリング調節機構には、従来の上下42mmのチルト機能に加えて新たにストローク30mmのテレスコピック機能を採用。シートリクライニング量で換算すると、1~2ノッチ分の調整量を確保したという。

 そのほか、ソフトトップモデルではマルチインフォメーションディスプレイ(MID)にグラフィカルな表示が可能なTFTカラー液晶を採用。また、NR-Aグレードでは初めてステアリングにオーディオリモートコントロールスイッチが設定され、MID内での燃費表示が可能になっている。

ソフトトップモデルではマルチインフォメーションディスプレイ(MID)にグラフィカルな表示が可能なTFTカラー液晶を採用(S Leather Package、特別仕様車「Caramel Top」、RSに採用)

安全装備も進化

 今回の商品改良では先進安全装備も進化し、車両だけでなく歩行者も検知対象となった「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」に加え、「車線逸脱警報システム(LDWS)」や「ハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)」「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」(ともにグレード別設定)といった先進ライトを設定し、「AT誤発進抑制制御[前進時]」との組み合わせで「サポカーS・ワイド」に該当することとなった。

 また、ドライバーの認知を支援する「交通標識認識システム(TSR)」、ロングドライブ時の疲労軽減に貢献する「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」とクルーズコントロールを新採用した。