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ヤマハ、電動トライアルバイク「TY-E」でトライアル世界選手権 TRIAL Eクラスに初参戦

小型高出力モーターをCFRPモノコックで70kg以下の車体に搭載

2018年3月23日 発表

新開発されたヤマハの電動トライアルバイク「TY-E」

 ヤマハ発動機は3月23日、電動トライアルバイク「TY-E」を開発し、7月14日~15日(現地時間)フランス オロンでベルギー コンブレン オー ポンで7月21日~22日(現地時間)に開催される「2018 FIMトライアル世界選手権 TRIAL Eクラス」に初参戦すると発表した。この参戦にあたり、全日本トライアル選手権IAスーパークラスで活躍中の黒山健一選手を起用。「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からTRIAL Eクラスにエントリーする。

 この車両は、同日から3月25日まで東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催されている「第45回東京モーターサイクルショー」のヤマハブースで展示中。

ヤマハ 電動トライアルバイク「TY-E」プロモーションビデオ(1分33秒)
ヤマハ TY-E
TY-Eの走行イメージ

 TY-Eは、ヤマハの研究開発統括部で行なわれている「Evolving R&D(エボルビング R&D)」から生まれた先行的な開発車両。Evolving R&Dは個人の裁量で“業務時間の5%”を利用し、従来の枠にとらわれない自発的・自律的な活動によってイノベーションを創出する活動で、TY-EはEV(電動車両)開発の課題である「コンポーネントの高出力小型軽量化」「意のままに操れる運転しやすさ」を克服するため、競技用トライアルモデルに着目して開発されたという。

 主な特徴として「力強い低速トルクと伸びやかな加速を両立し、高い走破性を実現する高回転型の小型高出力モーターの搭載」「極低速から高速域まで優れたレスポンス、パワーフィーリングを実現するモーター制御技術」「優れたトラクション性能を実現するモーターと最適化されたフライホイール、瞬発力とコントロール性を確保するメカニカルクラッチなどを搭載したパワーユニット」「新設計した小型高出力電池パックなどの高出力・小型軽量のコンポーネント」「最適な剛性と電池格納スペースを確保しながら軽量化を突き詰めたCFRPモノコックフレーム」「ダイナミックなライダーアクションを妨げない限界まで突き詰めたスリムなスタイリング」の6点が挙げられている。

TY-Eの主な諸元データ
主要諸元
ボディサイズ(全長×全幅×全高)2,003×830×1,130mm
軸間距離1,310mm
最低地上高350mm
車両重量70kg以下
原動機種類交流同期電動機
駆動用バッテリー種類リチウムイオン電池
クラッチ形式油圧湿式多板
フレーム形式CFRPモノコック
TY-Eに搭載される高回転型の小型高出力モーター
電池格納スペースを確保し、最適な剛性を得ながら車両重量70kgを実現するCFRPモノコックフレームを採用
ライディングアクションを妨げないスリムなスタイリングも特徴となる
ヤマハ独自の「SixONy(シクソニー)」ナノ膜コーティング技術を使って車体をカラーリング