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第308回:映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』感想と考察

今回は現在公開中の映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

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イントロダクション

天才 ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督と名優 レオナルド・ディカプリオのタッグでおくるアクション作品。

過激派の革命家として活動していたボブ(レオナルド・ディカプリオ)は、一人娘のウィラ(チェイス・インフィニティ)と共にひっそりと暮らしていた。しかしウィラはある理由から、因縁の敵である変態軍人 ロックジョー(ショーン・ペン)に狙われてしまう。必要なまでの追跡にさらされる娘を守るべく、かつての闘争心を胸にボブは立ち上がる。

監督はポール・トーマス・アンダーソン。世界三大映画祭の全てで最高賞を獲得した監督。私の好きな映画監督の一人でもありますが、どの作品も”あぁ~映画観たなぁ~”って満足感が非常に高い。15分程度の短編ミュージカル作品『ANIMA』(2019年公開)ですらそう感じられます。

主演は レオナルド・ディカプリオ。つい先日とあるカフェに入ったところ設置されたモニターで『タイタニック』(1997年公開)が流れていたんです。何でだろう?と思っていたら隣に座っていた男女三人組からこんな会話が聞こえてきたんです。「最近のディカプリオって面白くない」「ブラピと比べて老けたし」…ちょっと待てくれ!老けたのは仕方ないとして(寧ろブラピが異形なんだ)、面白くないには一石投じたい。恐らくスコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年公開)以降と以前でフィルモグラフィーがガラッと変わった人だと思います。で私は『ギャング〜』以降のディカプリオの方が好き。『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』(2013年公開)のハイテンションな狂人キャラや『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年公開)での情けない男などで活き活きした姿はきっと本人も演じていて楽しいのではないかと思います。

共演は『イン・トゥ・ザ・ワイルド』(2007年公開)の監督としても名高いショーン・ペンや今一番続編の朗報を待っている「ボーダーライン」シリーズのべニチオ・デル・トロ。そんな中でも注目は本作が長編作品初出演だというチェイス・インフィニティ。目力が素晴らしかった。このベテラン俳優たち相手でも全く遜色のないスター性には今後期待していきたいですね。

Viva Revolution!

観終わった直後は思わずこう叫びたくなる快作。個人的には去年でいうところの『ソウルの春』に該当する映画でした。3時間近い長尺ながら中弛みする事なく終始面白い。そりゃ高打率の映画上手いマン PTAですから当然かもしれませんけど、監督作の中では最もエンタメ性が高く、疾走感の持続によるアッという間の時間を過ごす事になりました。思えば電話のやり取りが面白いのも共通点。何ですか、あの滑稽な合言葉の押し問答はw

そう、”滑稽”に描かれているという事もかなり巧妙だと思いました。ディカプリオ扮する元革命家が属するの「フレンチ75」は、様々な人種で構成されたいわゆる極左暴力集団。先述の合言葉のやり取りといい妙にマニュアル通りを貫こうとする陳腐さが際立ちます。対するショーン・ペン演じる軍人は今のアメリカ社会を彷彿とさせるような白人至上主義の極右コミュニティに属してします。そんな彼が目指しているのがクリスマスなんちゃらという陰謀論じみた謎の秘密結社に加入する事。まぁこの集団がとにかくシュールでバカバカしいのです。今や日本でも極端な思想や価値観により分断が如実に現れており、非常にセンセーショナルなテーマ。しかし双方ともに滑稽に描く事で、どちらにも肩入れさせない作りになっていたかと思います。

何より本作のメインは思想の対立ではなく、そんな社会の中での家族の絆です。いつも行動がワンテンポ遅いディカプリオババ。デル・トロ扮する"センセイ"のような器用さも無ければ、変態軍人と対峙できるだけの戦闘スキルもありません。しかし酒浸りのだらしない体に鞭打ち必死で娘のもとへ駆け付けようとする姿は正真正銘のお父さん。ヒーローではなくお父さんである点にグッとくるものがありました。

まとめ

以上が私の見解です。

さて、今年のベストが分からなくなって来たぞ。『サブスタンス』がぶっちぎりかと思ってたんですけどね。

あとはラストのカーチェイス。発明ではないか?車間距離の長さの道路の起伏を活かした遠距離戦カーチェイス。基本的にカーチェイスって車間距離の短い接近戦が多いのでシンプルなのに斬新。これが観られただけで儲けもんですよ。なるほど『ブリット』(1968年公開)のリメイク版を撮る予定のスピルバーグ監督が3回観に行った理由はコレだったのかも。

という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。




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