今回は現在公開中の映画『罪人たち』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

イントロダクション
全米でのスマッシュヒットを受け急遽日本公開が決まったらしいサバイバルホラー。ワーナーさん、まさか『ザ・コンサルタント2』を配信に回してこっちを優先したのか…。ちなみに読み方は「つみびとたち」、「ざいにんたち」ではございません。
時は1930年代。アメリカ南部のとある田舎町に地元で有名な双子の兄弟 スモークとスタック(マイケル・B・ジョーダン)が戻って来た。彼らは仲間を集めて当時禁止されていた酒や音楽を振る舞う酒場を開店する。オープン初日の夜、多くの客が熱狂する中に招かれざる者たちが来訪し事態が一変する。
監督はライアン・クーグラー。本作の主演であるマイケル・B・ジョーダンとの強力タッグにより一気にハリウッドを代表する監督になりましたね。今のところマイケル・B・ジョーダンが出演していない作品は撮ってない?あの『ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022年公開)ですら出てたもの。
出演者の中で個人的注目がヘイリー・スタインフェルド。『スウィート17モンスター』(2016年公開)や『バンブルビー』(2018年公開)、「スパイダーバース」シリーズと出演作品のヒット率がかなり高い。そういえばつい最近『はじまりうた』(2013年公開)のリバイバル上映がやってましたよね。あれは何時だかの爆音映画祭で観たっけ。爆音映画祭、コロナ禍以降開催していない気がします。寂しい。
途中で力尽きた?
本作、はっきり前半と後半で毛色が変わる作品です。現在公開中の映画『28年後…』も割とそうだったので、前半と後半とで語り口を変える作品づくりがブームなのでしょうか?
そんな前半はブラックミュージックが織りなす音楽映画なテイスト。酒場のメンバーを集めるシーンにはワクワク感がありますし、前半の山場である過去や未来の様々なジャンルの音楽が渾然一体となるミュージカルシーンは長回しも相まって素晴らしかったです。
しかし後半は力尽きたのかヴァンパイア闖入によるアクションホラーに切り替わってからは盛り上がれない印象でした。例えばヴァンパイア側と人間側がぶつかり合う集団戦。ヴァンパイアにやられてる人間が居ましたが、そんなに人間側って頭数居ましたっけ?主要キャラクターたちも何をどうしているのが分かりづらかったですね。また後半になってからマイケル・B・ジョーダンの一人二役にも混乱。前半は割と性格が対照的に表現されていて見やすかったのですがアクションシーンに入ってからはいまいち整理が出来てないような気がしました。ただ、偶然『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年公開)のTシャツ着て観に行っており、まさに「ナイト〜」のような構図で(鬼は外福は内みたいな)展開していたので、その点はちょっとテンションアガりました。
思えば「ブラックパンサー」シリーズも、アクションがそこまで良い作品だとは思えていなかったので、クーグラー監督はアクションを撮るのが苦手なのかと邪推しました。オマージュ作品だという『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996年公開)の方が個人的には一枚上手でした。でも『クリード チャンプを継ぐ者』(2015年公開)は撮っているのになぁ…あれはスタローンの存在あっての事だったのか。
まとめ
以上が私の見解です。
黒人やアイルランド系移民の音楽文化を通した差別の歴史については、私自身不勉強ですので、薄っすらとしか解釈出来ませんでしたが『ロングレッグス』と同様に扱うテーマへの造詣が深い人たちにはクリティカルヒットするというのが全米でヒットを飛ばした理由なのかもしれません。
しかし文化盗用や搾取に関してはどの人種だって無意識のうちにやってるのではないでしょうか。例えば日本なんかは散々欧米を中心とした作品でサムライ、ニンジャ、ゲイシャのステレオタイプで描かれきたわけで、これもある種の文化的搾取だったりしませんか?あっだからこそ「罪人たち」というタイトルなのか!皆やってるじゃないかというなかなか重みのあるタイトルに感じます。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。