今回は現在公開中の映画『ミッシング』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

イントロダクション
幼女失踪事件で苦悩する両親と2人を取り巻く社会を描いた社会派ドラマ。
森下家の一人娘 美羽が失踪する。懸命なビラ配りや警察の捜索も虚しく失踪から3か月が経過し焦る母親の沙織理(石原さとみ)と父親の豊(青木崇高)は、地元TV局の砂田(中村倫也)の取材に頼っていた。そんなある日、取材を基に放送された報道番組により沙織理は誹謗中傷の標的となり、沙織理の弟 圭吾(森優作)に疑いの目が向けられていく。
監督は吉田恵輔。一昨年の『神は見返りを求める』ではYouTuberを通して現代社会と承認欲求の関係を描いていましたが、わりと社会派なスタンスを取る監督。『ヒメアノ~ル』(2016年公開)とかはそうでもないとは思いますがね。
主演は石原さとみ。現在主演ドラマが放送してるようですけど、なかなか人気がありますよね。代表作品って何ですか?TVドラマの『アンナチュラル』かな?NHKで諸々の事を解説するトリセツ番組みたいなのでMCやってた覚えがあるぞ。ってな感じで個人的にTVのイメージが強くて、映画でお見かけするのは初めてだったかも。
なお共演は青木崇高、中村倫也、小野花梨、柳優怜などとなっています。
↓『神は見返りを求める』についてはこちら
善意はどこへ?
まず本作を観ていて、数年前山梨のキャンプ場で起きた少女失踪事件を思い出さずにはいられませんでした。まぁ元ネタと言いますか、着想の一つにはなっていると思いますが、あの時もネット上での根拠のない憶測や母親に対する誹謗中傷が問題となりました。まさしくそれをテーマとして描かれます。
とりわけ今回はTV報道にスポットが当たっていました。こうした行方不明者の情報を募る形式のTV報道は、それで情報が集まったとしても決して人探しの専門ではありません。結局人の不幸や悲劇をダシに稼ぎを得るという要素はどう足掻いても含まれしまうジレンマがあります。そこに“うーん”と頭を抱えるのが中村倫也演じる報道マンで、そんな事には気にも留めていないような後輩が出世していくのは何とも皮肉な話です。
無論、監督作品の特徴でもあろう嫌な人間たちも健在です。興味本位で冷やかすガキ(それイタいから)やわざわざ偽の電話をしてくるクソ野郎(暇かよ)とまぁー心無い。また登場人物とは直接関係のないカスハラしてるババアや肩がぶつかったか何かで言い争ってる男女が、背景に写っていたりと嫌がらせが細かい(褒めてます)。今の社会、いや人間に善意は存在するのでしょうか?映画は微かな希望を感じる結末となっていますが、果たして現実は…
まとめ
以上が私の見解です。
「善意はどこへ?」なんて辛辣な感じで語ってきましたが、いやいや善意はここにあるんですよ!私、行方不明ではないですけど迷子の子供を見つけた経験がありますから。あれは衝撃だったな。某観光地に行った際、迷子の放送が流れていたんです。特徴について説明がされていて“あぁこんなに人が多い中で見つかるかねぇ”なんて歩いてたら、その特徴通りの子供が目の前に居たのです。放送をしっかり聞いていた俺、偉いぞぉ!そういう事なので私みたいな人間が存在する事を忘れないでね。
それと青木崇高演じるお父さんの表情が印象深い映画でした。タバコ吸いながら他人の子供を見かけてじんわり涙しちゃうシーンとか良かったな。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。