今回は現在公開中の映画『Dear Stranger ディア・ストレンジャー』を語っていこうと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

イントロダクション
日本・アメリカ・台湾の合作によるヒューマンサスペンス。全編ニューヨークで撮影を行った作品らしいですよ。
ニューヨークの大学で建築学を教える助教授の賢治(西島秀俊)と人形劇団の監督を務めつつ体を悪くした父の店を手伝うジェーン(グイ・ルンメイ)。仕事に介護と忙しない日々を送っていたある日、4歳の息子が行方不明になってしまう。警察は誘拐事件と見て捜査を進める中、夫婦間の溝は次第に深まっていく。
監督は真利子哲也。『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年公開)に『宮本から君へ』(2019年公開)と良作暴力映画を立て続けに手掛けています。どちらの作品も暴力が生々しいんですよね。殴ったり蹴ったりした時にまさしく骨が肉を打つような音で”ボッ!”みたいな。今回もそれに期待したのですが、ちょっと異なりました。
主演は西島秀俊。『ドライブ・マイ・カー』(2021年公開)以降すっかり国際派路線に転向した方。本作でも台詞は9割英語でした。何でも今後はニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作への出演が控えているというから期待大ちゃん。『首』(2023年公開)でのサイコパス明智光秀も良かったよね。
やりたい事は分かるが…
久々に尺の長さを感じ辛抱する映画でした。上映時間を調べてみると2時間15分程。2時間超えは長めかもしれませんが、体感はそれ以上の3時間近くはあった気がしました。決して長尺の作品が苦手という訳ではないんですけどね、なぜでしょう?
母国ではない異国の地で暮らす外国人たちの心境への肉薄や言語の違いを超えた物語への挑戦(人形劇は言語を必要としないコミュニケートの象徴か?)とやりたい事の意図は汲み取れました。でも何でしょうねぇ…ぼんやりしているといいますか掘り下げ切れてない感じがしました。そのため雰囲気だけが先行しているように見えたのがあまり良くなかったかと。そもそも作家性だと思っていた暴力表現が抑えられたストーリー自体の規模感が2時間以上かけて語るものでもないと思いました。
また、全編ニューヨークが舞台なのに所々邦画っぽさが漂う不思議さ。カメラワークとライティング、その複合によるものでしょう。現在公開中のこちらも日本と海外で合作の『遠い山なみの光』とは対照的な印象。ひとえに合作映画でも違った味わいがある点だけは面白かったです。
まとめ
以上が私の見解です。
面白くなりそうな予兆止まりな印象。これはちょっと残念でした。
ちなみに私の前に座っていたカップルさんも同じ気持ちだったのか。きっと彼女さんの方が観たいと言って観に来たのでしょう。彼氏さんはだいぶ退屈だったようで、仕切りにスマホで時間を確認しているかと思えば、途中から爆睡。こうした明らかに彼氏さんの方が退屈しちゃってるカップルの光景はたまーに見かけますね。スマホの光にイラッとしつつどこか微笑ましくもあります。ともあれ人間関係、時として我慢が必要です。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。