丁度1週間前。恐らく映画好き達が今年度最も頭を悩ます問題が発生していたことでしょう。それは9月27日公開の注目作品が多すぎる問題。私はこれを「9.27問題」と称してしばらく前から懸念をしていたわけです。そんな9.27から始まった怒涛の週末に観た各作品の感想&考察と共に振り返ってみようと思います。毎度の事ながらややネタバレ注意です。

↑28日、映画館へ向かう道中の公園でこんなヒョロ長い蛇に遭遇。都心にも居るんですね。
9月27日
さて戦闘開始の27日。この日の昼休みの時点で全く観に行く作品が決まっていません。28日にKing Gnuのライブビューイングに行く事は既にチケットを確保していたので確定案件。しかしその上映時間と噛み合うスケジュールがなかなか決まらない。スーパーで買った弁当を脇に各映画館のサイトと睨めっこです。
”うーん、これに行くとこれには間に合わない。おっ?今日これ仕事終わりに観に行ける?” と目に止まったのが『犯罪都市 PUNISHMENT』。みんな大好きマブリーが拳で事件を解決するクライムアクションシリーズの第4弾です。さぁこうなったら気合入れていこう。仕事を定時で切り上げ、速足で駅へGO。電車にすんなり乗れた。さぁあと一駅で到着。よしっ間に合うぞ…あれっ電車止まった?…とここでアナウンス。荷物挟まりで発車出来ないとの事…おいっバカタレ!こっちは分刻みで動いてるんじゃ!発狂したい気持ちを抑え、発車を待ちましたが10分近く待ちぼうけを喰らうはめに。ってか10分近く止まる荷物挟まりって事故じゃん。最寄りの駅に着いたのは上映開始の3分前。ここから映画館まで歩きチケットを買うのを考えると間に合うわけありません。5分10分遅刻して観るのも癪。泣く泣く撤退を余儀なくされました。ガッデム!
9月28日
27日は帰宅後に計画を立て直し。”これでいくしかねぇか”
という事で朝8時上映スタートという会社へ行く時以上に早起きをしないといけない時間で観たのは『憐れみの3章』。今年日本で公開した『哀れなる者たち』を手掛けたヨルゴス・ランティモス監督最新作。出演する俳優陣は同じながら3つの異なるストーリーが展開する中編映画の詰め合わせ作品。どの話も「支配」によって盲目になった人がとんでもない事をしでかす様をブラックユーモアたっぷりで描かれています。「支配」にも様々なレイヤーがあって社会的、ドメスティック的、宗教的といった支配。自由よりも支配や搾取される事を選んでしまう人間の可笑しさが楽しめます。『哀れなる者たち』といい私、ヨルゴス・ランティモス作品が好きなのかも。変態でネジが飛んでる人続出なんです。例えば相手への接触、話しかけるきっかけ作り方が怪我による同情ってヤバい奴だろw でもコミュ障な人間からすると気持ちはちょっと分かるのよねぇ。なお出演者の中ではジェシー・プレモンスが一番輝いてました。2章目のプレモンスはマジ怖え〜、公開中の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のプレモンスも怖そうなので期待大ちゃんです。
鑑賞後、うどんを啜った後に新宿から有楽町へ移動。有楽町で鑑賞した2本目は『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』となります。こちらは別途感想をアップしたのでここでは割愛します。いやでも、ほんと面白かったなぁ。ここのところ暫く”べビわる”ことばっかり考えてますもん。これは…恋ですね。
べビわるの余韻も束の間、28日を〆るのは『KingGnu DomeTour LV』。今年の上半期に開催された5大ドームツアーの東京公演の模様を上映したKingGnu初のライブビューイングになります。ライブビューイングなるものは人生初参戦。声出しや手拍子OKだったりする?と思ったら平時の映画館と同じ。ついつい騒いでしまいそうなものを大人しく観ている観客の皆さん。KingGnuファンは素行が宜しいようです。でも皆さん小声では歌ってたでしょ?「雨燦々」のコーラス部分とか「飛行艇」は仕方ないって。それに椎名林檎登場シーンは何度観てもブチ上がりますし。
いや以前はね、"何で映画館でライブ映像なんて流すんだよぉ映画を流しなさい!"とか思っちゃってたわけですよ。でもさ、好きなアーティストのライブならそりゃ行くしかないわ。デカいスクリーンにデカい音響でライブとは違ってじっくり観られるのが乙なポイントです。あーでもやっぱりライブ行きてぇ〜。
2本の映画とライブ映像を観てお腹一杯な帰り道。18時になると暗くなるようになった夜道をゆっくり歩きながら”良い映画観て、良い音楽聴いて…俺の生活にこれ以上の何を求めるって言うですか!”ってな事に耽りました。映画や音楽といったカルチャーは人間が生きる上で必要不可欠なものなんだって。
9月29日
27日に諦める結果となった『犯罪都市 PUNISHMENT』の上映で急遽行けそうな時間を発見したので駆け込み予約でいざグラシネ池袋へ。ちなみに昨日『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のパンフレットを購入しようとしましたが、売り切れにより断念。こっちでは買えるかと思いきやここでもパンフは売り切れでした。めちゃ人気だな。
で、本題の『犯罪都市 PUNISHMENT』。今年の2月に3作目が日本公開されたばかりでしたが早くも4作目が公開。今回の敵はIT犯罪です。オンラインカジノの独占や暗号資産で上場とか…経済弱者の私じゃ犯罪の仕掛けはよく分からん!最初の方のデリバリーアプリによる麻薬犯罪はどこいったんですか?しかしもっと酷いのが主人公のマ刑事でオープンソースやクラウドすら理解出来ていないご様子。しかし結局管理者は人間、殴れば解決じゃ!の潔い良過ぎるマインドが爽快。お決まりのコメディ描写も小難しさを緩和させます。
それにしてもドンソクさんはシリーズを重ねるごとにデカく、そして俊敏になってる気がしますね。井上尚弥を超えるであろう装甲貫通パンチの高速連打で吹き飛ぶ哀れな犯罪者たち…たぶん何人か死んでますw スタントは受け身の人の動きも重要みたいは話を目にした事がありますが、まさにそれ。殴られ役の方々は天晴です。
それではこの3日間の最終戦となる作品『Cloud クラウド』を観るため新宿へ。とその前に来年無くなってしまうらしい宮城県のアンテナショップで牛タンをチャージ。こうしたテンションが高い時の昼飯は豪華になるものです。
『Cloud クラウド』は今年の黒沢清監督祭りの最後を飾る映画。主演が菅田将暉という事があってか、珍しくシネコンで黒沢作品が大々的に流れております。さぁー今度はどんな世界を魅せてくれるのか?っと思ったらここに来てまさかの『復讐 運命の訪問者』(1997年公開)やオリジナル版の『蛇の道』(1998年公開)といった銃撃戦マシマシなVシネ黒沢作品じゃないですかぁ!?あの乾いた銃撃音が良いのよ。テーマとしてはどこでヘイトを買うか分からない現代の恐ろしさなのかなと思ったりもしましたが、やはり「復讐」というのが黒沢作品群における大きな命題なのでしょう。
ただ終始キレキレだった『Chime』に比べると序盤が間延びしている印象はありました。中盤の吉岡睦男が登場した辺りから急に黒沢成分が倍増しになった気がします。あの一気に空気を変えてしまうようなタレント力はすげぇよ。それに窪田正孝が黒沢作品とチューニングが合っている気もしました。次は窪田正孝主演の黒沢作品が観たいかも。
まとめ
以上、長月映画の乱を戦い抜いた記録でございました。
大満足ではあるんですけど…いやでもさぁ…この9月27日は再上映作品の層も分厚く手に負えなかったため再上映作品をスルーという戦術を取ったわけです。ちなみに映画館で観る映画は1日2本までという鉄の掟を設けているので3本観る選択肢はありません。昔1度やって記憶の錯綜と腰と首が悲鳴を上げたので懲りた次第。まぁ28日が実質3本ですがライブ映像は「ととのう」時間ですので。
でもさぁ『プライベート・ライアン』は一度スクリーンで観てみたいし『マルホランド・ドライブ』や『甘い人生』だって貴重だよ。欲張りなのは承知の上ですが、あまりに固まり過なのよぉ~。
という事でこの辺でお開きです。ありがとうございました。