◎裏千家15代家元の千玄室さんが14日死去とのニュース。102歳でした。そして、特攻隊員でした。「学徒出陣で海軍入隊。志願して特攻隊員となったが出撃することなく終戦。特攻隊の生き残りとして、祖先である千利休が説いた精神をもとに『一盌(わん)からピースフルネスを』を提唱」(朝日朝刊)とあります。
★今日は8月15日。約310万人が犠牲となった戦争が終わった日です。この日に映画の話題を取り上げられる平和に感謝して。
映画「国宝」、私は公開日の6月6日に夫と、その後友人と、そして北海道旅行に出かける前の6月20日過ぎに一人で3回目を観ました。1,2回は凄いものを観たという感じが強く、3回目が一番じっくり見ることが出来た気がします。公開日からすでに2か月以上。近くの109シネマズでは先週の土曜日から連日のチケット売り切れです。回数は1日2回に減って、規模も小さくなっていますが、それでも、観たい人が続出ということです。
観た人が、評判通りという感想を述べていて、「がっかり」とか、「そうでもなかった」というのを✖でも見かけたことがありません。作品の出来が良いということは、原作、脚本、監督、俳優、撮影、音楽、舞台装置、衣装等々がバランスよく高水準ということ。3時間に5分足りないぐらいの長い映画なのに、緊張感が漲る画面と美しい歌舞伎のシーンとドラマチックなストーリーと音楽(主題歌も)が相まって3時間のとても充実した世界に没入できる素晴らしい映像体験です。
小さなお子さんがおられるお母さんの✖の感想に、子どもが最近お母さんが死ぬ、死ぬと言ってて心配・・・というのがあって、笑ってしまいました。曽根崎心中の舞台で、お初が「死ぬる覚悟が~」徳兵衛にあるのか!?と迫るシーンでのセリフなのですが、とても印象的な独特の抑揚で二人分(吉沢&横浜の同じセリフ)繰り返されます。ここは確かに、観終わって、家に帰っても、このお母さんのように、たとえ口に出さなくても、頭の中で、リフレインしてしまう科白です。
口コミで観た人から伝わって観たくなって、というのが無限連鎖して、とうとう「興行収入100億行くかも!」というところまで来たわけです。「#国宝」の✖では、吉沢亮ファンさんたちが「100億の男」にしたいと今日にも達成!かと待ちかねているようです。
吉沢亮さんが演じたのがこの物語の主人公で、後に人間国宝となる喜久雄。長崎でヤクザの抗争で父親を殺された喜久雄は、父親の知り合いの大阪の歌舞伎役者・花井半次郎(渡辺謙)の部屋子となり、同い年の俊介と兄弟のように育てられます。
長じて二人は女形の歌舞伎役者になりますが、実子の俊介は出奔して行方知れず、喜久雄が半次郎の名跡を継いで歌舞伎役者になっています。その親代わりの半次郎が今わの際で口にしたのが、目の前にいる自分ではなくて行方不明の俊介でした。
この時の吉沢亮さんの、父親と慕ってきた半次郎から自分の存在を否定される名状しがたい虚無の表情には凄味があります。この時から、喜久雄は人間的な感情を封印してしまって、芸にまい進するようになったのでは? 悪魔と取引して、芸に身を捧げる切っ掛けになったのは、この時から…だったのでは・・・。
大垣俊介を演じた横浜流星さんファンの私としては、流星さん演じる俊介は、確かな関西弁で血筋良さげで、ちょっと能天気で自惚れの強い御曹司の雰囲気が備わった俊ぼんでした。歌舞伎の名優の父親からは自分を差し置いてライバルの喜久雄を後継に名指しの仕打ち?に、「血より芸」を突き付けられ深く傷つきながらも、喜久雄からはその血筋を羨ましがられ、心の傷を隠し乍ら、それでも喜久雄に「芸があるやないか」と優しく励ます俊介の複雑な切なさを、見事に演じていてさすがです。

また、喜久雄の舞台を客席で見ながら、その芸の力に圧倒され、いたたまれずに席を立つ俊介。横浜流星さんは、こういう俊介の打ちひしがれ具合が誰の目にも手に取るように分かるように演じるのが本当に上手い。春江ならずとも、私が居なければ、私が支えてあげなければ…この人はダメになってしまうのではと思ってしまうでしょう。
こんな風に映画の登場人物に感情移入できるほど二人の俳優の女形歌舞伎役者の芸を生きる演技が優れているというのも大ヒットの大事な要因というか、第一の要因であるかもしれません。それには、過酷な準備期間(1年半とか1年数か月)を強いる李相日監督の監督術が功を奏しているのかも。
★今日、100憶円とか:
★
★
★

