RAWで撮らないのは
「ゾンビ顔の我が子」を
一生残す覚悟を
卒業式・入学式で「変な色」に絶望したことがあるすべてのパパ・ママへ。
設定をひとつ変えるだけで、我が子の笑顔は「記憶通りの色」で残せます。

ねぇ、この前の卒業式の写真見返してたんだけど…
うちの子、なんか顔色悪くない? っていうか緑色なんだけど?
あー、それね。体育館の照明にカメラが騙されてるパターン。
実はこれ、パパ・ママカメラマンの7割が経験してる「学校行事あるある」なんだよ。
え、私の腕が悪いんじゃなくて?
腕の問題じゃない。でも、撮り方をひとつ変えるだけで救える写真が山ほどある。
今日はその話をしよう。
あなたの写真、こんな「絶望」に
覆われていませんか?
卒業式、入学式、学芸会。我が子の晴れ舞台を気合いを入れて撮ったのに、家に帰って写真を見返すと…
こんな経験、ない?
全部あるーーー!!!
特に体育館の緑、ほんとにゾンビっぽくて泣きたくなった…
これ、あなたの腕が悪いんじゃない。
カメラが体育館の「照明」に騙されているだけなんだ。
体育館でよく使われている水銀灯や蛍光灯は、人間の目には「白っぽい光」に見えるけど、実は強烈な緑色の成分を含んでいる。人間の脳は優秀だから自動補正してくれるけど、カメラはそこまで賢くない。
結果、カメラは「この光は緑っぽいな、まあいいか」とそのまま記録してしまう。これが、我が子がゾンビになるメカニズムだ。
JPEGは「接着剤」──
一度固まったら、もう戻せない
でも別に、後からスマホのアプリで色を直せばよくない?
そう思うよね。でも、JPEG(カメラにお任せ保存)で撮った写真は「接着剤でガチガチに固められた状態」なんだ。
JPEGとは、カメラが「色はこれでいいっしょ!」と自己判断して、データを圧縮・確定させた形式のこと。この「確定」がクセモノで、体育館の緑色も、曇り空のどんよりした灰色も、すべて写真の細胞レベルで焼き付けられている。
後からスマホの編集アプリで「肌の色だけ健康的に戻そう」と持ち上げると、こうなる。
つまり、「顔色の悪いゾンビ写真」を無理やり補正したら、今度は「加工バレバレの事故写真」になるだけ。
JPEGの色補正は、接着剤で固まったプラモデルを力ずくで曲げるようなもの。パキッと折れるか、ヒビだらけになるか、どっちにしても綺麗にはならないんだ。
じゃあ、もうあの緑色のゾンビ写真は一生あのまま…?
JPEGで撮った分は…残念ながら、大幅な改善は難しい。
でも、次の行事から撮り方をひとつ変えるだけで、この絶望は二度と味わわなくて済む。
RAWは「魔法の粘土」──
好きな色に作り変えられる
RAWは、カメラのセンサーが受け取った「生の光データ」をまるごと保存する形式。
色の確定も、明るさの確定も、まだ何も決まっていない状態で保存される。
具体的に何ができるかというと――
えっ、スライダーひとつで!? めちゃくちゃ簡単じゃん!
そう、RAW現像の「ホワイトバランス補正」は、写真編集の中でも最もカンタンな操作のひとつ。
スマホアプリで写真にフィルターかけるのとほぼ同じ感覚でできるよ。
一生に一度のハレの日の顔色を、カメラ任せの「運ゲー」にしてはいけない。
RAWは、我が子の笑顔を「記憶通りの鮮やかな色」で守り抜く、最強の保険だ。
「でもRAWって難しそう…」
に答える3つの誤解
RAWがすごいのはわかったけど…なんか「プロ向け」とか「難しそう」ってイメージがあるんだよね。
そう思ってる人がすごく多いけど、ほぼ全部誤解。ひとつずつ潰していこう。
RAWに設定を変えても、シャッターの押し方も、構図の決め方も、ピントの合わせ方も、撮影中の操作は一切変わらない。変わるのは「カメラが写真を保存する形式」だけ。今まで通り撮るだけで、自動的にRAWデータが保存される。
各カメラメーカーが、自社のRAWファイルを編集できる無料ソフトを出していてメーカーサイトからもDL可能です!
| メーカー | 無料ソフト |
|---|---|
| Canon | Digital Photo Professional(DPP) |
| Nikon | NX Studio |
| Sony | Imaging Edge Desktop |
| FUJIFILM | X RAW STUDIO |
| OM SYSTEM(旧OLYMPUS) | OM Workspace |
どの無料ソフトも「ホワイトバランス」を変更するスライダーがあるから、それを動かすだけ。
プロカメラマンが普段やってることで、基本操作は同じ。もしライトルームを覚えるなら下記Youtubeで基本操作を解説してます。
たしかに、RAWファイルはJPEGの3〜5倍のデータ容量がある。でも、今どきのSDカードは大容量でも手頃な価格だ。64GBのSDカードなら4,000円前後で買えるし、これ1枚でRAWでも1,000枚以上は撮れる。卒業式1回分なら余裕でお釣りがくる。
我が子の一生の思い出を「ゾンビ色」から守るためのコストが4,000円。
これを高いと思うか安いと思うかは…言わなくてもわかるよね?
安すぎる。缶コーヒー数本分じゃん。
もし容量が心配なら、カメラの設定で「RAW+JPEG同時記録」にするのがおすすめだ。JPEGはすぐにスマホへ転送してSNSや家族LINEへ。RAWはもし失敗した時に後から色を直したり、将来もう少しおしゃれな色にしたいなと思った時のバックアップ用。流行りは時代とともにかわるので普段使いの利便性とRAWの安心感を両立できる。
今すぐできる!RAWに切り替える方法
(1分で完了)
設定変更は本当にカンタン。1分もかからないよ。
(メーカーによって表記が違うが、だいたい設定メニューの最初の方にある)
え、これだけ?
これだけ。あとは今まで通り撮ればいい。カメラが勝手にRAWで保存してくれる。
そのレンズ、届いてますか?
望遠レンズ問題を解決する
RAWの設定はバッチリ!これでもう安心だよね?
ちょっと待って。もうひとつ確認させてほしい。
今手元にあるレンズ、何mm?
えーっと…カメラ買った時についてきたやつ。
「18-55mm」って書いてあるけど。
それ、標準レンズだけだと学校行事はかなり厳しい。
体育館の後方席から我が子を撮ったら、豆粒みたいな大きさにしか写らないよ。
駆け出しの頃に幼稚園・保育園の行事撮影を数多く担当し、スポーツカメラマンとして北海道から沖縄まで全国の体育館を回ってきた経験から言うと、必要な焦点距離は会場の広さで決まる。
えっ、望遠レンズって何万円もするんでしょ? 年に数回しか使わないのに…
その気持ち、すごくわかる。だから2つの選択肢を提案いたします。
どちらを選ぶにしても、「当日に望遠レンズがない」という事態だけは避けたい。
RAWで色は後から直せるけど、豆粒の我が子を大きくする魔法はないからね。
設定がわからない人は
シャッタースピード優先:1/250秒の法則
レンズは準備した!でもさ…カメラの「絞り」とか「ISO」とか、正直よくわかんないんだよね。オートじゃダメ?
フルオートでも撮れなくはないけど、体育館の暗さだとカメラが「もっと光を集めなきゃ!」ってシャッタースピードを遅くしちゃうんだよ。
結果、さっきの「心霊写真(全部ブレブレ)」が量産される。
じゃあどうすれば…
「シャッタースピード優先モード」にして、1/250秒に固定。ISO AUTOにする。
これだけ!
※「S」= Shutter Priority(シャッタースピード優先)、「Tv」= Time value(同じ意味)
これだけ? 絞りとかは?
シャッタースピード優先にすれば、絞りと明るさはカメラが自動で判断してくれる。
あなたが決めるのは「1/250秒でシャッターを切る」ということだけ。あとは全部カメラ任せでOK。
被写体ブレを防ぐ:走っているシーンは難しいけど壇上を歩く入園式卒園式の子供の動きなら1/250秒で十分止まる。
フリッカーを最小限に:蛍光灯のチラつきが悪さをしにくいギリギリのライン。
つまり「手ブレ」「被写体ブレ」「フリッカー」の3大失敗を同時に抑えられる、絶妙なバランスポイントが1/250秒なんだ。
ここまでの設定を全部やった上で失敗したなら、それは腕の問題。
でも逆に言えば、ここまでやれば「機材や設定のせいで失敗する」ことはほぼなくなる。
あとは構図とタイミングに集中するだけだ。
なんかちょっと……プロっぽいこと言うじゃん。
プロは「腕」の前に「設定」で失敗を潰してるだけだよ。
今日伝えたことは全部、プロの「準備」をパパ・ママ向けに翻訳しただけ。
RAWの設定、レンズの準備、カメラの設定。ここまでの3ステップはクリアした?
でも、ここで安心して安いSDカードを買うと、入場シーンでカメラが「フリーズ」するという第二の絶望が待っている。
えっ、容量さえ大きければ安いカードでもいいんじゃないの?
ダメ!RAWデータはJPEGの何倍も重い。
安いカード(書き込み速度が遅いカード)で、我が子の入場シーンを連写すると
カメラの中でデータの「お盆の帰省ラッシュ(大渋滞)」が起きて、シャッターがパタリと切れなくなります。
camera.one-cut.net
あと、割といらっしゃるのですが…「SDカードがいっぱいになったら、新しいのを買って、古いカードはそのままアルバム代わりに保存する」って人、いない?
あ、やってる!昔のフィルムカメラみたいな感覚で、ケースに入れて取ってあるよ。便利じゃん!
今すぐやめて...。SDカードは消耗品。永遠じゃない。
量販店時代から今まで、「子供のデータが消えちゃったんですが…」という悲痛な相談ちらほらあります。復元ソフトという手もあるが、魔法じゃない。ダメな時は本当に二度と戻ってこないんだ。
camera.one-cut.net
そういえば、体育館で連写したとき、写真に謎の「緑の横シマ」が入ったり、1枚ごとに明るさが全然違ったりしたんだけど…カメラ壊れてる?
それは「フリッカー現象」だ。
体育館の照明の「目に見えないチラつき」と、カメラの速いシャッタースピードが喧嘩して起こる。
手ブレを防ぐためには、シャッタースピード「1/250」がギリギリのライン。でも、この速さだとフリッカーの魔の手にかかることがある。
えー!じゃあ、これもRAW現像の「魔法の粘土」でサクッと直せるんでしょ?
直せない。
プロでもフリッカーのシマシマを後から修正するのは吐くほど難しい。一般の人にはほぼ不可能だと思っていい。
すべて完璧!……と思いきや、
最大の罠
よし。V60のSDカードを入れた。RAW設定もOK。フリッカー軽減もONにした。
これで明日の卒業式は完璧だ!……と言いたいところだが、最後に一番怖い「人間のバグ」について話そう。
人間のバグ?
「バッテリーを充電器に挿したまま、家に置いてくる」
「充電し忘れて、残量10%で式場に到着する」
これ、笑い事じゃなく本当に多いんだよ!!!
- バッテリーをフル充電する
- カメラの記録画質を「RAW」または「RAW+JPEG」に設定する
- フリッカー軽減機能をONにする
- モードダイヤルを「S」または「Tv」にしてシャッタースピード1/250秒、ISO AUTOに設定
- 望遠レンズを装着(またはレンタル品を受け取り済みか確認)
- V60以上のSDカードをカメラに入れる
- バッテリーとSDカードを入れた状態で、カメラをバッグにしまう
いいかい? 当日の朝の自分を絶対に信用するな。
「前日」にすべてを終わらせた者だけが、我が子の最高の笑顔を「記憶通りの色」で残すことができるんだ。
次のハレの日、
我が子をゾンビにしないために
さあ、今すぐカメラの電源を入れて、設定画面を開こう。
シャッタースピード優先・ISO AUTO。
手ブレもフリッカーもブレも、この設定で同時に潰せる。
プロカメラマンがなぜ全員RAWで撮っているか。
それは「腕がいいから」じゃない。
「どんな現場でも、後から最高の1枚に仕上げられる保険をかけている」からだ。
プロの技術じゃなくて、プロの「備え」をマネすればいいってことね!
そういうこと。
次の行事の前日に、カメラの設定画面を開いて「RAW」を選ぶ。
たった5秒の操作で、我が子の笑顔は「記憶通りの色」で一生残せる。
ゾンビ顔の写真を量産する前に。