「ほとんどの人、スマホかMacで見るんでしょ。だったらカラマネモニターなんていらないじゃないですか」
その言葉を聞くたびに、つるたまは否定しない。
なぜなら、その気持ちが痛いほどわかるから。
かつて自分も、まったく同じことを考えていた一人だったから。
でも——彼らはまだ気づいていないだけなのだ。
その「いらない」という言葉が、やがて自分に向かって牙を剥く日が来ることを。
📋 この記事の内容

カメラ一台で「カメラマン」と名乗れる時代になった
カメラ一台、標準レンズや単焦点1本。
「大三元と呼ばれるf2.8のズームレンズを揃えないと仕事ができない」は過去の話になり、カメラとレンズさえあれば生業になることが、ここ数年で一気に増えました。
ライトルームをタブレットで使いこなし、DropBoxやLINEアルバムで納品して完了。Web記事やSNSへの掲載がゴール、企業ではなく個人をお客様とするカメラマンが急増した結果、「仕事の形」が大きく変わりました。
誰からも学ばずともWebで独学でカメラマンになれる時代。
だからこそ、昔なら会社の先輩が教えてくれていたことを、ここで書き残しておきたいのです。
「MacとiPhoneで見るからP3でいい」——その言葉の先にある落とし穴
カラマネモニターの話題になると、必ずと言っていいほど誰かから出る言葉があります。
「いまどきほとんどの人がiPhoneかMacで見るんだから、P3対応してれば十分でしょ。カラマネモニターなんて費用対効果が合わない」
つるたまはそれを否定しない。その感覚、よくわかる。
Appleデバイスのディスプレイは確かに優秀で、P3の色域をしっかりカバーしている。写真を自分のMacBook ProやiPhoneで確認している限り、何の問題も起きないように見える。
でも——ここに残酷な現実がある。
日本のPCシェアの約7割はWindowsだ。
あなたが納品したクライアントの担当者が使っているのは、色温度も輝度設定も何もキャリブレーションされていない、メーカーデフォルトのWindowsノートパソコンかもしれない。あなたが「完璧に仕上げた」と思っている写真が、相手の画面では全く違う色・明るさで映し出されているとしたら——。
その事実に気づいていないだけで、すでに起きているかもしれないのです。
カメラマンと名乗るなら、リスクヘッジを

カメラ一台だけでカメラマンと名乗るのは、あまりにもリスクが高い。
カメラやメモリーカードには耐久回数や経年劣化があり、撮影中にカメラが壊れたり、メモリーカードのデータが消えることは、長年やっていれば誰でも一度は経験します。
「何もしてないけどエラーしたことない」と断言するカメラマンほど、その後大打撃を受けて仕事を失う——そんなケースも実際に起きています。
万が一に備えて常に2台体制で望み、メモリーカードは信頼できるメーカーで使用回数によっては1年に1回買い替えること。そして納品したデータのバックアップ管理もしっかりしておくこと。これが最低ラインです。
そして——カメラ・レンズ・ストロボの次に考えるべきが、表示環境のリスクヘッジなのです。
お客様と色の差をできる限り最小に抑える

実際にノートPCとカラーマネジメントモニターがどのくらい違うのか、上の写真がその例です。(上がカラーマネジメントモニター・下が未キャリブレーションのノート)
ノートで見ていた色がどれほど違うのか、極端な例ではありますが、キャリブレーションモニターで見ると全然違いますよね。この写真なら「色を直したい」と感じるレベルで、自分が仕上げたかった色と乖離しています。
15年前はカラーマネジメントモニターを買おうと思うと安くても20万弱しました。
つるたまもヒーヒーしながらフリーカメラマンになった時に買ったものです。
現在はBenQが「カラーマネジメントモニターといえばEIZO」という業界に突破口を切り開き、約5万円から購入できるようになりました。
もう「買うのが難しい」ツールではなく、カメラマンであればカメラ・レンズ・ストロボの次に必要なマストツールです。
モニターは出荷時に同機種でも許容範囲内の誤差があったり、メーカーの特徴として色が鮮やかに出るよう設定されている場合もあります。そもそも編集時点で正しい色にキャリブレーションをかけていないモニターでは、「正しくない色の写真」を一生懸命調整している可能性があるのです。
やがて訪れる「絶望の伏線回収」——彼らは必ず戻ってくる
「カラマネモニターなんていらない」と笑っていた彼らは、しばらくすると、つるたまのもとへやってくる。
「写真展のプリントの色がおかしいんです……」
「クライアントのWindowsで見たら、全然違う色になっていて……」
困り果てた顔で。
それはまるで、アニメの伏線が回収されるように——必ず訪れる光景です。
ただ静かに話す。「正しい明るさと色の基準を持つことの意味」を。
写真展でプリントした作品の色が思い通りにいかない。
クライアントのWindowsで開いたら暗かった、青みがかっていた——これはカラーマネジメントモニターを持っていれば、かなりの確率で防げたことなのです。
クライアントワークが大きくなると、複数のカメラマンで撮影するようになります。
そのとき「僕の作風はこれです」は通用しなくなる。
企業の色のガイドラインに合わせた、正確な色調整が求められます。
白背景なのにマゼンタがかぶっていることに、実は気づいていないかもしれない。
切実に、カラーマネジメントモニターを使って欲しいのです。
カラーマネジメントモニターの4つのメリット

(上のカラーマネジメントモニターは出荷時の状態、下のMacもキャリブレーションなしなので差が出ています)
カラーマネジメントモニターとキャリブレーションツールを導入すると、「もしかしたら色が違うかもしれない」という不安が払拭され、色や明るさに自信が持てるようになります。
1. 正しい色で写真編集できる
一般的なモニターはsRGBを使用しています。上記のMacであっても、見えていない色のトーンが存在していることがわかると思います。
AdobeRGBやP3対応のカラーマネジメントモニターでキャリブレーションを取ることで、色のズレが少なく、「いまの色が正しい色だ」という明確な基準が生まれます。
他のデバイスとの色差を抑えることが、プロとして写真を仕上げる上での日常ワークです。
頑張って色調整したのに、納品先では実は色が全然違かった——なんて経験、絶対にしてほしくないのです。
2. 大画面で作業効率が爆上がり
大きな画面が1枚増えると、執筆や計算、Webでの調べもの、「〇〇しながら作業」も捗ります。BenQのモニターは高さ調整ができ、姿勢や首も楽になるので、猫背・首痛に悩む方にもおすすめです。ノートだけで作業しているカメラマン兼ライターであれば、試しに1枚増やすだけで作業効率が別次元になります。
3. 大画面で見ることで写真がレベルアップ
プリント時代からある話ですが、Lサイズでは見えなかった粗もA4サイズなら見えます。自分の写真を大画面で見ることで、粗を発見し、次の撮影でのレベルアップにつながります。
4. プリントとの色差によるストレス軽減
納品の最終ゴールが印刷物・写真展であれば、効果が特に大きいのがこれです。RGBとCMYKの違いがありますが、キャリブレーションを駆使することで色差を最小化し、写真の見栄えが格段に引き締まります。
WebやSNSで発信する場合も、P3環境でどう見えるかをキャリブレーションモニターで確認できると、iPhoneでいちいち確認する手間も省けます。
BenQ SW270C——正確な色を知るためのスタート地点
これからカラーマネジメントモニターを探す方への選び方をまとめます。
最低限チェックすべき機能:ハードウェアキャリブレーション対応 / AdobeRGB対応
あると嬉しい機能:USB Type-C(給電可能)/ P3対応 / PANTONE認証
長く使うならUSB-Cで給電できる点はかなり重宝します。紙媒体よりWebやスマホ向けがメインなら、P3対応は特に重要。サイズは24と27で迷ったら、後々デュアルにしない限り27インチ一択です。作業スペースが広くなる分、効率が全然違います。
低価格という意味ではBenQ SW240や2700PTも候補になりますが、USB-Cでの給電対応、PANTONE認証、そして正確な色再現を可能にするAQCOLOR技術を採用しているという点で、SW270Cが最もコストパフォーマンスに優れた選択肢だとつるたまは考えています。
▶ SW270C | Adobe RGB 99% 写真・動画編集向けカラーマネジメントモニター(BenQ公式)
🎯 今すぐチェック:BenQ SW270C
「カラマネモニターはいらない」と思っていた人が、納品後に最初に検索するのがこのモニターです。
そうなる前に——手に入れておいてほしい。
入門〜中級向けにはSW240もあり
予算を抑えたい方にはBenQ SW240も選択肢です。USB-CやPANTONE認証はありませんが、AdobeRGB 99%対応でハードウェアキャリブレーション対応。「まず基準となる色を知りたい」という最初の一歩には十分なモニターです。
まとめ:「いらない」と思っている今が、一番危ない
「カラマネモニターはいらない」と感じているうちは、まだ痛い目に遭っていないだけです。
MacとiPhoneで完結している間は問題がないように見える。でも納品先の担当者、写真展のプリント、チームでの統一色調整——そのどこかで必ず「基準のなさ」が顔を出す。
つるたまはここで「買え」とは言わない。ただ、正しい色・正しい明るさの基準を知ることの価値を、一度でも体験してほしいと思っている。
BenQ SW270Cは、その「基準を知るための道具」として、今のカメラマンに最もコストと性能のバランスが取れた選択です。
そうなる前に——ぜひ。
それでは、また。
maphoto / つるたま
※ この記事はBenQさんのご協力にて執筆させていただきました。