ガチお仕事用のレンズ以外に趣味で遊ぶ用のレンズが欲しい。できれば1〜2万円で買えるレンズが欲しい。
そう思ってたらズブズブとオールドレンズ沼にはまっていった。Helios 44-2だとちょっとアップ過ぎて引きが欲しいと考えていた時に見つけたカールツァイス イエナ フレクトゴン 35mm f2.8のレビューです。
- FLEKTOGON 35mm F2.8の実写作例と描写特性
- 2026年現在の価格相場と購入時の注意点
- エラーが出ないマウントアダプタの選び方
- 前期/中期/後期モデルの見分け方
- 同価格帯オールドレンズとの比較
- Lightroom現像設定(つるたま流プリセット)
東ドイツの銘玉、CARL ZEISS JENA FLEKTOGON 35mm F2.8とは
オールドレンズで35mmを探しているうちに出会ったCARL ZEISS JENA FLEKTOGON 35mm F2.8。M42マウントで、第二次世界大戦後に東西に分かれた、東ドイツのカールツァイスイエナが1950年代後半に販売したモデルです。
西ドイツ = カール・ツァイス・オプトン(後のCarl Zeiss AG)
東ドイツ = カール・ツァイス・イエナ(VEB Carl Zeiss Jena)
1989年〜1990年のドイツ統一により、低迷期にあった東ドイツ イエナは西ドイツのツァイスに吸収されました。歴史的背景を知ると、このレンズがより愛おしく感じるんですよね。
スペック一覧
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 焦点距離 | 35mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 最短撮影距離 | 18cm(自動的にF4に移行) |
| 絞り羽根 | 5枚 |
| マウント | M42スクリューマウント |
| 製造年代 | 1950年代後半〜1970年代(複数世代あり) |
近距離から中景が得意とされているレンズです。最短撮影距離18cmは現代のレンズと比べても驚異的で、テーブルフォトやスナップでかなり寄れます。
【2026年版】FLEKTOGON 35mm F2.8の価格相場と購入ガイド
現在の市場価格
💰 2026年2月時点の相場
- 前期型(1950年代):3.5万円〜5万円
- 中期型ゼブラ柄(1960年代):2.5万円〜3.5万円 ← つるたまが買ったのはこれ
- 後期型MC版(1970年代):3万円〜4万円
※状態・付属品により±5,000円変動。2019年当時は1〜2万円台で買えたが、オールドレンズブームで価格上昇中。それでもツァイスの銘玉がこの価格で手に入るのは破格です。
前期・中期・後期の見分け方
| 世代 | 特徴 | 描写傾向 |
|---|---|---|
| 前期型 | 距離指標がメートル表記のみ | 最もクラシックな描写、コントラストやや低めで柔らかい |
| 中期型(ゼブラ) | 白黒ゼブラ柄の距離指標、緑コーティング | バランス型、逆光でフィルムライクなフレアが楽しめる |
| 後期型(MC) | マルチコーティング、赤文字 | 最もシャープ、逆光耐性向上、実用性重視 |
つるたまが中期型ゼブラを選んだ理由:「オールドレンズらしいふんわり感」と「実用的な解像感」のバランスが絶妙だから。プロ機材としては後期MC版が安心だけど、趣味で撮るなら中期のキャラクターが面白い。あと見た目がカッコいい。
オールドレンズらしからぬ想像以上のシャープさ
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F2.8 | SS 1/1000 | ISO 400 | Lightroom調整あり
自分の好みにライトルームで調整入れておりますが、なんとなくパシッと撮っても開放値でこの写り。
「オールドレンズ=ふんわり甘い描写」というイメージがあったけど、FLEKTOGONは想像以上にシャープ。現代レンズとは違う「空気感のある解像感」で、デジタル臭さがないのに細部はしっかり写る。これがツァイスの設計思想なんだと実感。
- TAMRON 35mm F2.8 Di III OSD(現行):★★★★★(カリカリシャープ)
- SONY FE 35mm F2.8 ZA:★★★★☆(バランス型)
- FLEKTOGON 35mm F2.8(中期):★★★★☆(空気感のあるシャープさ)
- Helios 44-2 58mm F2:★★★☆☆(ドリーミー)
※F5.6まで絞れば現代レンズと遜色ない解像感。開放はやや柔らかいが、それがオールドレンズの「味」になる。
順光なら常用レンズとしても十分な気がするのです
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F4.0 | SS 1/500 | ISO 200
一眼レフカメラ初心者の彼女がおもしろがって撮った写真。オールドレンズ初心者やマニュアルフォーカスが初めてでも、難しくなくピントが合うしこの解像力はやっぱりびっくり。
全然普通に仕事でも使えるしもしかしてLeica Qシリーズ買わなくてもこれでいいのでは...っと考えてしまう。でも、Leicaはいつか一度は使ってみたいので買うけども。
35mmのちょっと引いた感じがスナップにちょうどいい
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F2.8 | SS 1/2000 | ISO 200 | 逆光
あとは思うままに撮り歩いた写真をご紹介していこうかと。逆光での写真で、ようやく自分の好きな出したい感じの絵にたどり着く。
どこか懐かしさのある色作り。そうこの写真が撮りたくてCARL ZEISS JENA FLEKTOGON 35mm F2.8を買ったのだ。
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F2.8 | SS 1/1600 | ISO 400 | 逆光
ご紹介できるのがこちらのカットのみだけれども、逆光でのポートレート写真は絶妙にやわらかくていい。
逆光での魅力的な描写
- フィルムライクなフレア:中期型は単層コーティングのため、太陽光が入ると柔らかいゴーストが発生。デジタル臭さが消えて、どこか懐かしい絵になる。これを「欠点」と思うか「魅力」と思うかで、オールドレンズ向きかどうかが分かれる。
- ふわっと抜ける空気感:逆光時のコントラスト低下が、むしろ「柔らかい光の表現」に。現代レンズでは出せない、オールドレンズならではの味わい。フィルムで撮ったような雰囲気が簡単に出る。
- Lightroom調整のコツ:あえてフレアを残しつつ「かすみの除去+30〜50」で立体感を復活させると、ちょうどいい塩梅に。フレアは活かす方向で。
※「クリアに写らない=失敗」ではなく、「オールドレンズらしい表現」として楽しむのがこのレンズの正しい使い方。逆光でこそFLEKTOGONの真価が発揮される。
【2026年最新】エラーが出ないマウントアダプタ3選
α7シリーズやEOS RにM42マウントのアダプタをつけて使用すると、しばしばエラーでフリーズし、バッテリーを抜いてリセットする状況に陥る。
一応今KIPON使ってるのですがエラーが出る頻度が高く、マウントアダプタ選びは超重要と気づきました。以下、2026年時点で安定動作が確認できているアダプタです。
✅ 推奨マウントアダプタ
価格:約2,500円 / エラー発生率:ほぼゼロ
シンプル構造で接点がないため、カメラ側がレンズを認識しようとしてエラーになることがない。「レンズなし時レリーズON」設定でピーキング使えば問題なし。コスパ最強。
価格:約4,800円 / エラー発生率:低
KIPONより加工精度が高く、ガタつきが少ない。α7IVでの長時間使用でもフリーズ報告なし。つるたま的にはこれが一番安心。
価格:約5,500円 / エラー発生率:低
EOS R/R5/R6ユーザーならこれ。電子接点が干渉しない設計で、MFアシスト機能がしっかり動く。
- KIPON M42-E(電子接点付き):α7IIIでフリーズ多発、バッテリー抜き必須。つるたまも苦しんだ...
- Commlite M42-E:個体差が激しく、当たり外れが大きい。博打はしたくない。
- ノーブランド中華製(1,000円以下):マウント精度が低く、ピント合わせがシビア。安物買いの銭失い。
FLEKTOGONに合うLightroom現像設定
📸 つるたま流・FLEKTOGON現像プリセット
- 露光量:+0.3(やや明るめに)
- コントラスト:+10
- ハイライト:-20
- シャドウ:+15
- 白レベル:+10
- 黒レベル:-10
- 明瞭度:+15(適度にパキッと)
- 自然な彩度:+10
- 彩度:-5(派手すぎない色に)
→ オールドレンズの柔らかさを残しつつ、SNS映えする仕上がりに。
- かすみの除去:+40(フレアを残しつつ立体感を)
- ハイライト:-50(白飛び抑制)
- シャドウ:+30
- トーンカーブ:シャドウを持ち上げてフィルム風に
- 色温度:+200K(温かみを足す)
- 色かぶり補正:+5(マゼンタ寄りに)
- 明瞭度:+10(やりすぎ注意)
→ 逆光のフレアを「味」として活かしつつ、眠くならないバランスに。つるたまの鉄板設定。
- 自然な彩度:+20
- 明瞭度:+25(料理のディテールを)
- シャープ:80(Amount)/ 半径 1.0
- ノイズ軽減:輝度 20(高感度時のみ)
- 色温度:料理に合わせて微調整
→ 最短18cmの威力を発揮。料理がシズル感たっぷりに。
情緒あふれる写真が撮れるイエナ フレクトゴン 35mm f2.8
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F5.6 | SS 1/320 | ISO 200
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F4.0 | SS 1/640 | ISO 400
📷 SONY α7III + FLEKTOGON 35mm F2.8 | F2.8 | SS 1/800 | ISO 200
撮影しているときは自分の予想より引いている状態になるため、空間を広く使って撮影することが必要になりますが、帰ってきてライトルームなどで調整するのが楽しいレンズ。
このレンズの個性を理解する
事前調査してわからなかった部分は、暗く感度を上げた場所やシャドウ部の色が独特で、現像でゴリゴリ調整が必要になることがある。つるたまの使い方だと日中がメインになるかなと。でもそれがオールドレンズの個性であり、「完璧に写らないから面白い」んですよね。
📋 FLEKTOGONの得意・個性が出るシーンまとめ
| ✅ 得意なシーン(ここで輝く) | 🎨 個性が強く出るシーン(好みが分かれる) |
|
|
※「苦手」というより「個性」。この癖を理解して使えば、唯一無二の表現ができる。完璧を求めるなら現代レンズ、個性を楽しむならオールドレンズ。
同価格帯オールドレンズとの比較
2〜3万円台で買えるオールドレンズは他にもたくさんある中で、なぜFLEKTOGONを選ぶべきか?
| レンズ名 | 価格 | 特徴 | つるたま的おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| FLEKTOGON 35mm F2.8 | 2.5〜3.5万円 | バランス型、35mmの使いやすさ、ツァイスブランド | ★★★★★ |
| Helios 44-2 58mm F2 | 0.8〜1.5万円 | ぐるぐるボケ、入門最適、安い | ★★★★☆ |
| Super Takumar 35mm F3.5 | 1.5〜2万円 | シャープだが暗い(F3.5) | ★★★☆☆ |
| Jupiter-12 35mm F2.8 | 2〜3万円 | L39マウント、個性強い、癖が強い | ★★★☆☆ |
| TTArtisan 35mm F1.4 | 1〜1.5万円 | 現代製オールドテイスト、明るい、コスパ◎ | ★★★★☆ |
結論:「35mm F2.8」という使い勝手の良いスペックで、ツァイスの血統を持ち、実用性も高い――この3つを満たすのがFLEKTOGONの強み。Heliosのような派手さはないが、長く使える相棒になる。「最初の一本」ならHelios、「長く付き合える一本」ならFLEKTOGON。
中古購入時のチェックポイント
🔍 購入前に必ず確認すべき5項目
→ 懐中電灯で光を透過させ、白い綿状のものがあればカビ。クモリは拭いても取れない曇り。少しでもあれば避けるべき。
→ 絞りリングを回して、羽根が引っかからずスムーズに動くか。油ジミで固着している個体あり。F2.8→F16まで全段確認。
→ ピントリングが重すぎる・軽すぎるのはNG。適度な抵抗があるのが正常。グリスアップは1万円〜。
→ 表面の細かいキズは描写に影響しにくいが、深い引っかきキズはゴーストの原因に。光に透かして確認。
→ M42スクリューマウントは締め込みが甘いとピント精度に影響。装着時にネジ山がしっかり噛んでいるか確認。ガタがあると無限遠が出ない。
FLEKTOGONに関するよくある質問
A. 距離指標が白黒のシマシマ模様になっている中期型のこと。見た目がカッコよく、コレクター人気が高い。描写的には前期・中期・後期で大差なし。好みとビジュアルで選んでOK。
A. 使える。Fotodiox ProのM42-EOS Rアダプタを使えば、フォーカスピーキングも問題なく動作。RF-Sボディ(APS-C)だと換算52mmになるので注意。フルサイズ推奨。
A. FLEKTOGONはレンズ本体に絞りリングがあるので、どのカメラでも絞り操作可能。カメラ側の設定で「レンズなしレリーズON」にすれば撮影できる。Exif情報には記録されないので注意。
A. 軽度なら影響は少ないが、逆光時にコントラストがさらに下がる。購入時はカビなし個体を選ぶのが無難。クリーニング業者に出すと1.5万円〜。カビは他のレンズにも移るので要注意。
A. Heliosを選ぶべき人:ぐるぐるボケで遊びたい、予算1万円、58mm(中望遠)が好き、オールドレンズ入門
FLEKTOGONを選ぶべき人:万能に使える35mm、ツァイスの描写、長く使える相棒、実用性重視
つるたま的には両方買って使い分けるのが理想。どちらも最高。
A. 不良ではなく、オールドレンズの特性。中期型は単層コーティングのため、逆光でフレアが出やすい。これを「欠点」ではなく「味」として楽しむのがオールドレンズ道。後期MC版なら逆光耐性が向上しているので、気になる人はそちらを。
まとめ:3万円台でツァイスの銘玉が手に入る幸せ
2026年現在は価格が上がってしまったものの、それでも3万円台でツァイスの銘玉が手に入るのは破格。日中のスナップや逆光ポートレートで「あ、このレンズでしか撮れない絵だ」と実感できる瞬間がある。
完璧に写るレンズではない。逆光でフレアが出る。暗所は苦手。でもそれが「個性」であり「魅力」。現代レンズでは出せない空気感、フィルムライクな雰囲気、どこか懐かしい色作り――これがFLEKTOGONの真価。
マウントアダプタ選びさえ間違えなければ、長く愛用できるレンズです。オールドレンズ沼へようこそ。