夢路行という漫画家が素晴らしくて買える作品をちまちまと集めている。ファンタジー系の話もあるけれど自分は日常の話を書いた作品が好きで、鳥を見ていた朝、空に夏の気配、鈴が鳴る、が素晴らしく良い。少女漫画の部類なんだろうけれどほとんど何も起こらない日々を漫画で描いていて、くらもちふさこの傑作である天然コケッコーのような演出や人物の凄さも特にないのに読めてしまうから不思議だ。何もないけれど読んでいて心地よいというのはヨコハマ買い出し紀行とかふたつのスピカの中の長編の中でいくつかある単発の話とかで感じる感覚にも似ているけれど、それだけで一作品持ってしまうというのもすごい。
あまりこういう作風で夢中になれる漫画は最近なかったのでちょっと他の作品も色々と読んでみたいなと思った。
柳宗悦の手仕事の日本を読んだ。ここで書かれていることは日本すごい、手作りすごい、西洋風の製品や機械の製品はダメ、というような二元論でない気がする。(書かれ方としてはほとんどそれになっているのだが、時代というものを考えていま柳宗悦がどう書くかと考えるとやはり違ってくると思う)
この本が行ったことは、これまで見掛けてた織物や陶器や竹籠といった生活用品(それは柳宗悦の頃と比べてさらに距離のあるものになったけれど)は、生活用品としてしか目に写っていなかったのだけれど、紐解いていけばその地方、その紀行、時代、や人々の暮らしに結びついてそれぞれ違った作り方で発展をしてきた工芸品であることを発見した(発見させた)ことだと思う。
本の中で山形に残る狩人のための被り物の工芸品のところで自分はとても感動してしまった。ただの狩人のための帽子でしかなかったものが、美しくその地方の暮らしや人々と結びついていることを発見して一気に工芸品として認識が反転してしまった。国木田独歩の風景の発見と同じレベルの転換なのではないだろうか。
休日で晴れていたので知らない街へ。北春日部という各駅に乗り換えないと行けない駅に降りてみる。グーグルマップでいい感じの川があったので歩いてみようと思ったのだけれど、結構川自体は汚れていたり、土手周りを長期工事で更地になっていて草なども少なくあまり面白味はなさそうですぐに別の場所を目指す。ヌーベルバーグを気取って現場で色々と決めていく旅は疲れるけれどいい場所に繋がった時は面白い。川を離れて北を目指すといい感じの神社があってそこの案内板みたいなところに周辺の関わり深い神社が載っていた。流れで大きそうな姫宮神社へ行ってみると神社内にいくつか社のある同じ埼玉の鷺宮神社スタイルで結構良かった。ちらっとみながらいい時間なのでそのまま姫宮駅に戻って帰宅。
そんで家に帰ってたどったルートを見ていたらいつも東武動物公園駅に行くときに車窓から見えて気になっていた小川沿いの並木道がその姫宮神社のすぐ裏にあったことに気づく。そこまで行けば良かったー思ったけれど、まあまたあそこに行く機会ができたと思って納得する。最近はもう最寄りから急行で行ける自分の好きそうな景色のある街は行き着きしているので、今年は各駅とか乗り換えでしか行けないところもせめて見たい。



