結構時間がかかった曲が出来上がって一息。ゼルダの夢をみる島リマスターをやる。おもろい。ゲームボーイ版と違った操作感でかなりよかったので同じ系統の知恵のかりものも買う。これは実質ブレスオブザワイルドじゃないか、となって隙間時間にずっとやる。
梅崎春生のウスバカ談義を読む。素晴らしい。エッセイのようでフィクションであって、起承転結がないようできちんとした小説である。最後に収録されているSの背中は別の短編集にも入っていて読んだことがあったが、ある話の見せ方としてとても凄い短編だと思う。まず、奇妙な視点での問題提起があって、そこに至るまでの話がある。最終的にはどこにも辿り着かないのだが、その問題提起が起こるまでを描くという切り取り方は梅崎春生的だなと思うし、それが極まった傑作だと感じる。
夏目漱石〜大江健三郎の間、という戦後派の作家は実はあまり読んでいないなと思って(福永武彦くらいか?)梅崎春生が再熱していることもあってその辺を読んでみようかと本屋へ。石牟礼道子の十六夜橋を買う。これはまあ叙情的な視点で語られる幻想的な話といった感じで、文章が良いので読めてしまうけれど、梅崎春生の後に読んだからか、物語の力で進めようとするやり方に馴染めず。積読していた麻耶雄嵩の隻眼の少女を読み始める。
今の会社は大型連休に平気で2週間くらい休みが出るので有給が余ってしまう。なので意味もなく年度末に有給を取って映画へ。渋谷で成瀬巳喜男特集。
"流れる"で描かれる舞妓の裏側は、冒頭から途中までその意図に気づかないくらいスムーズで、途中警官が夜回りのパトロールで家に来るところで、女たちが会話で景観を手球に取るところで初めて、ああこの人たちはプロなんだなとわかる。そのシーンにすごく痺れてしまってそれから後がもうずっと凄い演出の連続である。延々と舞妓の裏側を撮り続けて結局衣装を着て仕事をしているシーンは一度も出ない。でもこれは裏側を撮ってやろうという目論みではなく、成瀬が単に裏側の方が面白くてしょうがないといったような視点で撮っていて、ああ凄いなとずっと唸っていた。(原作の幸田文の方は読んでいないけれど、こちらも舞妓のシーンはないのだろうか)
成瀬映画の中で撮られる歩きのシーンは圧巻で前方から捉えた後に後方からほぼ対角線にカメラから切り返すカット、セリフのここで切るかという絶妙なところでフェードアウトする繋ぎ、各俳優のここまで作り込めるのかというキャラクター、全てが凄い。なんでもない話なのだけれど、だからこそ、映画を見ている幸せをずっと感じれるような映画だった。自分の住んできる隅田川周辺の景色が多く出てくるのも良い。浅草橋あたりは昔はああいう長屋の景色があったんだな。
あと、成瀬映画の昼の光の撮り方がすごく好きで、あれを観るだけで幸福な気持ちになる。
流れで家でも"めし"を観る。初見かと思っていたけれど途中で既視感を感じて昔見たことを思い出す。夫の姪と妻の原節子の対比と、原節子が東京に戻ってからすれ違うようにその対比がずれている様がすごい。冒頭から中盤までの大阪のシーンは"めし"もまずそうで原節子もやつれていてあんまり楽しい映画でないなーと思って見るのだが、東京に戻って、何かを感じていく原節子がだんだんと美しくなっていく様にずっと鳥肌が立つ。それが"何か"なのかは最後まで語られないけれど(夫と大阪と、離れて、初めて気づく幸せ、といって仕舞えば簡単だけれど、それであれば姪の存在が浮いてくる。)ラストの銭湯帰りの夫にばったりあって居酒屋で"めし"が食べたいというシーンで笑って終わるというのは素晴らしすぎないか。とこちらも幸福な気持ちで観ていた。
妹の夫と姪のやりとりを通して自分の居場所について何かをつかむ原節子が、それ以降姪の悪意に対しても何も気にならなくなる(気にならないという態度ではなく本当に気づいていない、というか眼中にない)感じが良くここまで演出、演技ができるなと痺れる。そこからのラストシーンなのでもう文句なしである。
平日の昼間に渋谷に行ったのだけれど明らかに売春の人たちがホテル前に車で乗り降りしていたり、ディスクユニオンに行ったら外人旅行者で溢れかえっていたり、なんだか90年代みたいだなと思いながら歩いていた。ヤンキー的な治安の悪さ、というより、もう少し粘着的なじめじめとした悪意を感じてちょっと当てられてしまったのだけれど、神保町とか自分の生活圏内は相変わらずなので新宿~渋谷あたりがおかしくなっているだけなのかもしれない。
ギターを修理してから基本的なクランチ~歪み、ファズまでの音はほぼ理想通りになっていて後はモジュレーション側でいいエフェクターをつなげたいなという方向になってきている。テープエコーはもう固定で外せないのでトレモロでいくつか試そうかと思って早速uni-vibeを購入。ファズと合わせてぶっ飛んだ音になればいいなと思いつつ。
週末に成瀬の秋立ちぬを観る。一回見ているはずだが記憶の何倍も良い。トリュフォーの大人は判ってくれないと同時期にこれが日本で撮られていると思うと当時の監督の視点の高さに驚く。成瀬全部見るやつしようかなと思うくらいハマっている。戦前のも面白いのかな。