暑すぎるがお盆休み。朝早く散歩して昼に映画を見て帰り際に本屋と楽器屋に寄って夜に作業をして本を読んで走って寝る日々。
夜のみだらな鳥が後半以降面白すぎてクーラーのきいた部屋でひたすら読む。
イネスが分岐するところからのある種のホラー感は圧巻ですべてが未解決な状態なのに集結していくような錯覚を覚える。
並行してブルーノタウトのニッポンを読む。日本好きの建築家みたいな紹介のされ方をうける人だと思うが結構日本の当時の現状を批判もしている。タウトが美と感じた神道側の感覚と過去の将軍たちが金に物を言わせて建てさせた寺院の違いに対する指摘が自分の神社好きお寺嫌いの答えのような気がしてすごく共感する。神社の中心は
虚空であって何もないところに神を見出す、その感覚が自分が散歩をしている時の覚醒している感覚に近い。(本当は何もないわけではない)何もないような日常的なところに構造主義的な思考で規則性を見つけたり、そこから外れた異界を自分の目で見つけ出すことが何より楽しい。寺院は(そもそもあまりいかないが)例えば近所の浅草寺とかも一種のアトラクションで訪問者を楽しませるような施設やお土産屋さんやイベントが用意されていて自分側から何かを見つけ出す余暇がない。それが悪いわけでは全くないけれど、自分の資質としては思考しながら混乱を維持したいのでやはり神社の静寂、自然の中に自然なようで不自然に立てられた簡素な建物、そしてきた人に何をすればいいの?と思わせるような何もなさが気持ちがいい。
タウトは日本の伝統音楽にも触れていて、自分が神楽の中にアフリカのポリリズムとは違う奇数拍子のグルーヴを感じる理由が少しわかった気がした。日本の昔の音楽も建物も構造そのものであって装飾がほとんどない。神楽音楽で言えば(当たり前だが)サビもないしイントロもない。同じリズムが掛け声によって少しずつ変化している。しかしその細部の構造に少し耳を傾けるときちんとしたリズム構造があって高揚させる仕組みもある。ヨーロッパ圏の音楽のように起承転結の流れがない代わりに閉じたループの中で特有のグルーブを構成している様は
アメリカーナを強く感じる。

毎日映画館に通っているが、村上春樹の短編をいくつかくっつけたアニメ映画#めくらやなぎと眠る女"が結構良くて楽しめた。もう流石に村上春樹を真面目に読むことはできないけれどかえるくん、東京を救うは結構好きな短編なのでそのパートが良くて最後まで楽しめた感じ。結構年代も違う短編がつなげられていて(記憶の限りだと、めくらやなぎと眠る女、ねじまき鳥クロニクル、かえるくん、釧路に〜、バースデイガール)不自然にならないのが面白かった。村上春樹は結構過去の短編を長編に発展させたりしているが、そういう意味でも各種短編、長編に通奏したテーマみたいなものがあるのかもなーと思った。(まったく空っぽという意味で通じているということかもしれないが)
次の日にユーロスペースでギヨームブラックのリンダとイリナを見る。とっても良い。ラストの電車のシーンで一人と見せかけてカットバックで友達がいるという演出がベタだけど上手い。他にも会話劇(ドキュメンタリーらしいけど)の中でカメラの位置を少しだけずらして、反対側に人物がいる/いないという状況を画面で見せていく流れはうまいなーと唸る。
新宿で侯孝賢の特集をしてたりシネマヴェーラで来週から勅使河原宏の安部公房原作ものをやるようなので見に行きたい。

いやはや熱海くんの3巻が届く。これは傑作。2巻の最後に出てきた姉の友達が3巻で会話の中でしか出てこず、すげーなと思う。(編集がよく許したなと)
学年が変わったりして登場人物の入れ替わりが激しい巻だったがきちんと読めるうまさと各話のキレの良さが本当にすごい。告白された女の子に自分の嗜好を打ち明けるところを絵だけで、セリフなしで伝えるところとか、名前が書かれてないバレンタインチョコとか演出や話そのものの面白さに唸る。このまま行ってくれたらくらもちふさこ並みの傑作を書ける人なんじゃないかと期待してしまう(熱海くんがもう傑作になりつつあるが)