君たちはどう生きるかの流れで、もののけ姫のDVDを買う。
あまり観たことがなかったので(多分子供の頃に金曜ロードショーで見たくらい)細かいところを覚えていなくて初見の感じで見れた。ナウシカの作りなおし的なところもあるがあの時代にお金も体力もあるタイミングでもう一度このテーマをやりたいという強い意志を感じる。前半から中盤にかけてはすごいなーというシーンが多くて、特に登場人物全員が神の領域にいるものたちも含めてそれぞれが間違っていて、それでも自分の意志を持って何かをなしているという混沌をこんなに分かりやすく書けるのかと感心する。最後の方は結構寓意的なオチでこうするしかないよなといった感じ。
そういえば風立ちぬも久々に見る。あまりに完璧だったと思う。それは作品としてというよりかは個人が描きたいものをやりたいことをやり切ったという意味において完璧ということで、アニメーションの動きや演出のわかりやすさ(話の繋がり)だけを見たらもののけ姫の方が圧倒的に上だが、その根源にある何かを描きたいという純度の深さで言えば風立ちぬが圧倒的にその強度が強い。
一歩間違えたらただの美談になりそうなテーマ、話ではあるが、愚直な愚か者として人間を描いているのがすごい。二郎の夢に出てくる飛行機の造形と実際の形が違っているのも現実の中でもがいて、制約の中で死力をつくしたように思えて良い。最後の方のあっさりとした流れも美談にせず、ボロボロになり切って本当に何も無くなって、それでもまだ風が吹いているというところに持っていったのは、この人は本当に最後まで作ろうとする人なのだなと思って、君たちはどう生きるかのドキュメンタリーをあらためて思い出す。
新しい曲の構造がぼんやり出てきたので散歩をしながら色々考える。ボサノバ的なコード感をバンドでやるには、というのをずっと考えているが、それってGuiroじゃんと気づいてあらためて聞いている。数年前に出たA MEZZANINEを聴いたらとんでもない傑作で繰り返し聞く。2019年リリースなので当時ゲーム業界に移ったりしてバタバタしていたのでちゃんと聞けていなかった。エチカの新アレンジは当時のネオソウル再評価の流れの上でさらに先に行っている感じ。銀河の新録もサンバのリズムが立ち現れてくるところのアイデアが冴えている。
流れでジョビンのコードブックを買ったのだが初心者用でめちゃくちゃ簡略化されていて結局自分で耳コピする。9thの響きって意外とバンドに合うなーと思って模索中。リズムもちょっと面白い仕掛けにしたいので時間はかかりそう。ただ、Guiroをあらためて聴いて自分の中にあったRafael martiniあたりの美しい展開とグロテスクさの合間にあるような音楽を詩として、バンドの音として表せるのではないかという感覚がようやくできて先に進めそうな感じ。
先週まで色々と仕事関係で動いていたが、とりあえず今の職場に留まることに決める。(来年あたりを目処に他に移るか独立するつもりだが)現状維持ではなく自分で留まると決めたのでその辺のモヤモヤはないから良いと思う。
それで時間もできたので本をまたたくさん読むようになったら読んだ本の話、内容が混在し始めてきて思い出す時に混乱をきたしている。それはそれで悪夢めいて面白いが、自分は記憶力の人でありたので今週から備忘録としてメモをのこしていきたいと決めた。
○今週読んだ本
閉ざされた扉 ホセ・ドノソ(まだ途中)
ある家族の会話 ナタリア・ギンズブルグ
TIMELESS 朝吹真理子
家の哲学 エマヌエーレ・コッチャ
死都調布シリーズ 斉藤潤一郎(再読)
雑貨屋とある 上村五十鈴
幽霊たち ポール・オースター(再読)
A&P ジョン・アップダイク(短編、再読)