
原作は荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」(1987~)の
スピンオフ作品として1997年に発表された漫画で
2020年よりNHK総合テレビにてドラマ化され
2023年に映画化された「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」に続く第2作
タイトルの「動かない」の意味は
「露伴は主人公ではなく、あくまで物語のナビゲーターである」ということ

正直、映画としての出来はたいしたことはないのですが(笑)
とても「ジョジョ愛」の感じる作品でしたね
漫画の実写化、しかもジョジョシリーズに出てくるような個性的なキャラって
可視化するのが難しいと思うのですけど
うまくアレンジできていたと思います
(原作はほぼポップコーンを投げて銜えれるかどうかだけの内容 笑)

そして邦画初という全編ヴェネツィア・ロケ
これには本作の共演がきっかけで
(2024年5月に)結婚した高橋一生と飯豊まりえへの
新婚旅行のプレゼントも兼ねていたじゃないかと思わせる
NHKの粋なはからいを感じました
ただ外国人俳優の演技が「世界丸見え」の再現ドラマにしか見えないのは
どうにかならないものでしょうか(笑)

人気漫画家の岸辺露伴(高橋一生)は、相手の過去や秘密を本にして読み
さらに指示を書き込んで操ることができる
(ページを破り取ると相手はその部分の記憶を失う)
「ヘブンズ・ドアー」というスタンド(特殊能力)を持っていて
ヴェネツィア観光中にスリの男たちを退治したことで
父親が日本人だというマスク職人マリア(玉城ティナ)と知り合います

露伴が教会の懺悔室を見学していると
露伴が墓参りをしているのを見かけたマスク姿の男
水尾(大東駿介)がやってきて告解を始めます
かってイタリア旅行中に所持金を盗まれ
人種差別を受けながらも建物の解体現場で働いていたとき
病気のうえ何日も食べていないという浮浪者ソトバ(戸次重幸)が
同じ日本人のよしみで食べ物を恵んで欲しいとやってきます

水尾はパンを与える代わりに(自分が頼まれている)瓦礫を運ぶようソトバに命じ
力のないソトバは重い荷物を運べず階段から落ちて死んでしまいます
ソトバの霊は水尾の脚にしがみつき
「幸福の絶頂を迎えた時に、絶望を味わう」と呪いの言葉をかけたのでした

それからというもの、水尾は宝くじに当選、事業は成功
モデルと結婚し娘をもうるという次から次へと幸せに襲われます
水尾は「幸福の絶頂」を向えないよう、わざと会社に損失を与えたり
妻と離婚したりしますが
ある瞬間、娘の姿に幸せの絶頂を感じてしまったのです

そのとき娘の舌を介してソトバが現れ
(少女の顔はCGなどでもう少し悪魔憑きの顔にするべきだった)
「ポップコーンを街灯より高く投げ、口で3回連続でキャッチする」
ことを命じられます
できなかったら絶望を受け入れろと
1度目、2度目と成功した水尾ですが
あまりに太陽の光りが眩しく、3回目で失敗
殺されてしまったと言います

殺されたのは報酬と引き換えに水尾と整形で顔を入れ替えた執事の田宮(井浦新)で
田宮は死ぬ間際に「娘が幸福の絶頂を迎えた時に絶望を味わう」という
呪いの言葉を(田宮の顔になった)水尾をかけたのでした

娘にも決して幸せにならないよう言い続けてきた田宮ですが
その娘の結婚が決まり、まさしく幸福の絶頂期
なんとか呪いを解くため告解にやって来たのです

しかも偶然に偶然、田宮の娘がマリアで
マリアの婚約者が露伴をヴェネツィア招いた大学の理事ロレンツォ
露伴とあとから合流した編集の泉(飯豊まりえ)にも
次々を幸運が襲いかかるようになり
露伴の漫画のイタリア語版、フランス語版も大ヒット
露伴は「自身の漫画作品は自身の手で人気を獲得するッ!」と
「幸福」に喜ぶどころか、逆に憤慨してしまいます
そしてタダでもらったチケット、オペラ「リゴレット」を鑑賞したとき
解決のヒントを得ます

好色な領主のマントヴァ 公爵に
娘をたぶらかされたモンテローネ伯爵を
笑いものにした道化師リゴレット
怒った伯爵は「父親の苦悩を笑うお前は、呪われよ」と呪いをかけます
リゴレットには一人娘のジルダがいて
運命か教会で学生だと偽るマントヴァ公爵に恋してしまいます
リゴレットはジルダに公爵を諦めさせようと
殺し屋に大金を渡し、公爵の殺害を依頼します
しかし殺し屋の娘マッダレーナも公爵に恋をしていて
公爵を殺すのは止めてと父親に頼みます
しかし金はもらったし・・と困る殺し屋に
ジルダは自分が身代わりになると申し出
リゴレットが死体を確認すると、それは公爵ではなくジルダで
呪いが現実となったことを知るのです

露伴は田宮が娘の結婚式を妨害するため
ロレンツォを殺すよう雇ったに男たちにヘブンズ・ドアーを行い
何かを書き込みます
さらに日付と結婚式を挙げる教会を変更しますが
挙式の最中、ロレンツォをかばい殺し屋に撃たれてしまうマリア
計画を知っていた露伴はロレンツォには防弾チョッキを着せたのに
詰めが甘かったと嘆くと
愛する娘を亡くした田宮は「これで助かった…」と
ソトバと水尾の霊とともに去っていったのでした

田宮が消え目を開けるマリア
露伴は、娘が死んだことで田宮が絶望し呪いが成就したと思い込ませる
(ヘブンズ・ドアーで殺し屋に書き込まれたのは空砲を撃つこと)
「リゴレット」にヒントを得た芝居だったことを、泉に明かします
無事に結婚式を挙げたマリアとロレンツォ
「京花、マリアがブーケ渡したいって」
「やったあー!」

ラスト「生きている」と(リゴレットのような道化師の姿となり)街を彷徨う田宮
絶望とは死ぬことではなく、苦しみながら生き続けることだとも知らずに
そのことを尊敬に値すると露伴は呟き
偽物のお守りを信じる泉のことは
「君を呪うのは至難のワザだな」と呆れるのでした
いつまでもお幸せに(笑)
【解説】映画.COMより
荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を高橋一生主演で実写化したテレビドラマの映画版第2作。原作漫画「岸辺露伴は動かない」シリーズの最初の作品「懺悔室」を基に、映画オリジナルエピソードを加えながら、邦画初となる全編ベネチアロケで映画化した。
人気漫画家の岸辺露伴はベネチアの教会で、仮面をかぶった男の恐ろしい懺悔を聞く。それは、かつて誤って浮浪者を殺した男がかけられた「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いについての告白だった。男は幸福から必死に逃れようとしてきたが、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、男はある試練に挑むことになる。そんな男の奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使用するが、やがて自身にも呪いが襲いかかっていることに気づく。
岸辺露伴役の高橋一生、担当編集者・泉京花役の飯豊まりえらレギュラー陣に加え、井浦新、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介が新たに参加。
2025年製作/110分/G/日本
配給:アスミック・エース