
「ハロー、ボンジュール、こんにちは、フジャンボ、オラ」
「私はロッザム7134、ロッザムは常に仕事を完了します」
原題は「The Wild Robot 」(野生のロボット)
原作は絵本作家ピーター・ブラウンの「野生のロボット」シリーズ

ロボットに魂や心は宿るのか?
動物たち(異種間)と共存はできるのか?
親の務めを果たすには?という、昔からよくあるテーマに
圧倒的な映像技術、画像ビジュアル
イラストルック(イラストをそのままアニメーションで再現する)を
取り入れた見事なCG
(誰が見てもすぐわかる宮崎駿からのインスパイア 笑)

なのになぜ、ゴールデングローブ賞アニメ映画賞
アカデミー賞長編アニメ映画賞ともに
「Flow」にもっていかれたのか
私も「Flow」のほうがお気に入りなのですが(笑)
やはり銃で撃ちまくる破壊行為、空爆で森を燃やし尽くす
アメリカ映画ならではのエンタメ性が
「Flow」と比べたとき、ものすごく残酷に感じてしまう
今回に限り逆効果だったような気がします

でもわかりやすい、面白いといったらこちら
たくさんの素敵なシーンもあって
特に、ずる賢くて嫌われ者のキツネのチャッカリが
眠れないキラリにお伽話を聞かせるくだりがいい
子どもの願いを聞いた星に住むロボットが、願いを叶えるため星から落ちてきた・・
たとえ嘘の作り話でも、愛のあるお話に子どもは安心する
映画から学ぶことってホント多いです(笑)
あと、気難しいビーバーがロズのため義足を作って渡す
あそこもいいですね(笑)

そして終盤、機能停止してしまったロズにキラリが寄り添い
言えなかったことをやっと言えるシーン
「大好き、ママ」
これはもう反則(笑)
子どもから大人まで、ファミリー、カップル、おひとりさま
誰でも楽しめる映画でしょう

アシストロボットのロッザム7134は
嵐のせいで輸送機からコンテナが落ちてしまい
無人島に漂着、電源が入ってしまいます
出会う動物たちにアシストを申し出ますが、誰とも言葉が通じない
そこで長い時間をかけ、それぞれの動物の言葉を理解したものの
動物たちはロッザム7134を恐れ、皆逃げてしまいます
アシストする対象を見つけられないロッザム7134は
発売元のユニバーサル・ダイナミクス社に救助信号を送ることにしますが
雷に打たれたうえ、グリズリーベアに追いかけられ崖から落ちると
そこには雁の巣があり、雁は潰されひとつの卵だけが残ります
ロッザム7134はその卵を調べようとしますが
空腹のキツネ、チャッカリに盗まれてしまいます
チャッカリから卵を奪い返すものの、チャッカリにうまいこと騙されて
彼のために貝やハチミツを手に入れてあげるロッザム
(作者はペスコ・ベジタリアン(肉類以外は食べる)かしら)

卵からかえった雛はロッザム7134を親と思い込み(刷り込み)
まとわりつかれるうえ、泣かれて困ってしまいます
それを見た(7匹子育て中の)オポッサムのピンクシッポは
お腹が空いているのだと助言しますが
雁の雛の餌が何なのか、あれこれ試してみてもわからない
なんだかんだチャッカリのおかげで、虫を与えることに成功
さらにそこから、冬の渡りに備えて
泳ぐ、飛ぶを教えなければならないことを教えられます
仕事が出来たとロッザム7134

名前も必要だというチャッカリに「ヒナ0001」と答えると
番号で呼ぶのは人権問題だと言われ、「キラリ」と名付けます
チャッカリはロッザム7134のことも「ロズ」と改名させます
ロズ、チャッカリ、キラリの家づくりが始まり
キラリに泳ぎ方(しかもクロール)を教えるロズ
しかし他の雁たちから(羽根を痛めると)馬鹿にされ、のけ者にされ
ロズはキラリのママではなく、ロズがキラリの家族を死なせたと言われます
キラリはロズがそのことを黙っていたことでロズと喧嘩になり
家出してしまいます

キラリは雁の長老で渡りのリーダーでもあるクビナガから
「そういうこと(家族が死んだ)があったから、君は今生きていられる」
と教えられます
生まれつき身体の小さいキラリのような雛は
野生では兄弟に餌を奪われ、親にも見捨てられ、死んでしまうのが普通なんですね
でも身体が小さいからこそできることもあるのだと励ますクビナガ

ロズは海岸で(一緒に遭難し)破損したロッザムたちを見つけ
1体を修復すると、起動したロッザム6262は
ダイナミクス社の工場に戻るよう助言し
救助信号を送る通信機を渡します(その後電源が切れる)
ロズにとっては戻るよりキラリが飛べるようになるのが鮮血
ハヤブサにキラリの飛行訓練を頼みます

冬が近づき、ついに渡りの出発日がやってきます
別れが寂しい、キラリが恋しい
こんなに胸が痛むのはなぜだろうと不思議に感じるロズ
キラリは旅立ちますが、ロズに言いたいことを伝えなかったことを悔やみます
でも今は群れに着いていくだけ

キラリが去り、チャッカリは冬眠
ロズはロッザム6262から受け取った通信機を起動し
ダイナミクス社は信号に気付きますが
ロズはすぐに通信機を切りキラリとチャッカリと暮らした家にもどります
するとそこにはチャッカリもいて

チャッカリから極度の猛吹雪と低温で動物たちの危険だと知らされます
ロズは島にいるすべての動物たちを救助しに向かい、暖炉のある家に入れ
冬をのりこえるため、喧嘩をやめ休戦するように促します
島最強のグリズリーがロズに従ったため
他の動物たちも従い、長い眠りにつくと同時に
ロズも充電切れで停止してしまいます

旅を続けるキラリたちも嵐に遭い、建物に非難するとそこはダイナミクス社の温室
そこで働くロッザムをロズと勘違いしたキラリが話しかけると
ロッザムはキラリを「汚染」と判断
警報が鳴り、警備ロボットたちが雁たちを撃ち落としにやってきます
クビナガはキラリを逃がすため自ら犠牲になり
自分の代わりに群れを導くよう託すのでした

やがて雪が溶け、春の陽光を浴びたロズは再起動
動物たちは冬眠から目覚め、キラリたちも島に帰ってきます
同時にダイナミクス社の触手型回収ロボットヴォントラが
ロズを回収しにやってきます
キラリが群れの仲間として立派になった様子を見届けたロズは
キラリに黙って島を去ろうとしますが

チャッカリから「キラリが言いたいことがあるってよ」聞くと
忘れ物をしたと逃げ出します
RECOロボット(ヴォントラの部下たち)がロズを追いかけ
ここは野生の島で君がいるべき場所でない、なぜだという問いに
自分は「野生のロボット」だと答えます
動物たちもロズを守るため戦いに挑みますが
輸送機からの爆撃により島は炎に包まれます
ロズは捕らえられ(研究材料のため)機能停止させられます
動物たちはビーバーが削っていた大木を倒し、川をせきとめて火を消し
キラリは輸送機の窓を破り侵入(こんな衝撃に弱い窓でいいのか 笑)
動かなくなったロズに寄りそい、言えなかった一言を伝えます
「大好き、ママ」

そのときロズの胸が光りシステムが復旧
(ロズの「手」のおかげで)ヴォントラと輸送機を破壊しますが
「何度でもやってくるぞ」と繰り返すヴォントラ
ロズは輸送機から飛び降り腹部にキラリを入れると急降下します
ふたりも、動物たちも無事だったものの
木々もロズたちの家も燃え尽き灰と化していました

ロズたちは改めて家を建て直しましたが
ダイナミクス社は「何度でもやってくる」
島と動物たちを守るため、ダイナミクス社に戻る決意をするロズ
改めて輸送機を呼び去っていったのでした

再び冬がやってくると、チャッカリは様々な動物の子どもたちに
お伽話を聞かせていました
渡りに出たキラリは、こっそりダイナミクス社の温室に忍び込みます
キラリを見つけたロズは「わたしの名前はロズ」と自己紹介し
ふたりはおでことおでこを合わせたのでした
AIが人間の便利さだけに役立つものでなく
動物や自然環境を守る存在になりますように
【解説】映画.COMより
アメリカの作家ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット」シリーズを原作に、野生の島で起動した最新型ロボットが愛情の芽生えをきっかけに運命の冒険へと導かれていく姿を描いた、ドリームワークス・アニメーションによる長編アニメ映画。
大自然に覆われた無人島に流れ着き、偶然にも起動ボタンを押されて目を覚ました最新型アシストロボットのロズ。都市生活に合わせてプログラミングされ、依頼主からの仕事をこなすことが第一の彼女は、なすすべのない野生の島をさまよう中で、動物たちの行動や言葉を学習し、次第に島に順応していく。そんなある日、雁の卵を見つけて孵化させたロズは、ひな鳥から「ママ」と呼ばれたことで、思いもよらなかった変化の兆しが現れる。ひな鳥に「キラリ」と名付けたロズは、キツネのチャッカリやオポッサムのピンクシッポら島の動物たちにサポートしてもらいながら子育てという“仕事”をやり遂げようとするが……。
監督は「リロ&スティッチ」「ヒックとドラゴン」のクリス・サンダース。「ブラックパンサー」シリーズのルピタ・ニョンゴが主人公のロボット・ロズの声優を務め、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、キット・コナー、ステファニー・スーが声の出演。日本語吹き替え版はロズ役を綾瀬はるかが担当し、柄本佑、鈴木福、いとうまい子らも吹き替え声優として参加した。アニメ界のアカデミー賞と言われる第52回アニー賞では長編作品賞、監督賞など同年度最多の9部門を受賞。第97回アカデミー賞では長編アニメーション賞のほか、作曲賞、音響賞の3部門にノミネートされた。
2024年製作/102分/G/アメリカ
原題または英題:The Wild Robot
配給:東宝東和、ギャガ