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イル・ポスティーノ(1994) 4Kデジタル・リマスター版

原題は「Il Postino」(郵便配達人)

原作はアントニオ・スカルメタ1985年に発表した小説

アルディエンテ・パシエンシア(燃える忍耐)

1971年にノーベル文学賞受賞した共産党員の詩人

パブロ・ネルーダ1904-1973)が

祖国チリを追われナポリにあるカプリ島に身を寄せた

史実をもとにした架空の物語

物語は、世界中から送られてくるネルーへの郵便物を

配達することになった純朴な青年が

ネルーに感化され「隠喩」に目ざめ

好きな女性のハートを詩の力で射止めるというもの

ただラストはすっかり忘れてしました

私の記憶はデモに参加する主人公の姿だけで終わっていたのです

それは30年ぶりに観たせいなのか

それとも当時の私にはまだ理解できなかっただけかも知れません

もっと早く会いに来れば死ななかったかも知れない

それよりも詩を知らなければ死ななかったかも知れない

マイケル・ラドフォード監督が本当に訴えたかったのは

ネルーダが自分のしていることは本当に正しかったのか

自分自身に問いかけることだったのではないでしょうか

1950年、イタリアの沖合にある小さな島

漁師の息子マリオは、漁師として働くことに不満を抱いていました

そんなとき故郷のチリを追放された元チリ共産党上院議員で詩人のネルーダを

イタリア政府が受け入れたというニュース映画を見ます

そこには大勢の美女たちがネルーダに喝采を浴びせる姿

そのネルーダが島(歴史家エドウィン・セリオが所有する別荘)に

滞在することになり

(島では少ない字が読める)マリオは女性からモテたい下心だけで

ネルーダに手紙を届けるためだけの臨時郵便配達員に応募し

共産党に傾倒している郵便局長に)雇われることになります

自転車で(島にはまだ車がない)ネルーダに郵便物を運ぶマリオ

そこには音楽がかかり、ネルーダは美人な奥さんとダンスしていました

戦後の日本人がはじめて外国映画を見たときのような衝撃でしょうね(笑)

自分たちの知らない豊かさ

マリオは自分もネルーダのようになりたい!と憧れるわけですが

ネルーダにとってマリオはただの配達人、眼中にもありません

そこでマリオはネルーダの詩集を買い

女の子を口説き落とすためにサインしてもらおうと企みます

ネルーダはサインはしてくれたけど「親愛なるマリオへ」が足りない

これじゃあネルーダと親友だと女の子に自慢できない

女の子の知り合いなどひとりもいないくせに(笑)

そんな不埒な理由で買ってみたネルーダの詩集ですが

物や人の心情を違う何かに例えた言葉に夢中になるんですね

それをネルーダは「隠喩」だと教え

その時から少しづつ、マリオとネルーダは親友になっていきます

ある日、カフェで働く娘ベアトリスを一目みたとたん恋に落ちたマリオは

サッカーゲームのボールを口に咥えるとか挑発すぎだろ 笑)

ネルーダに彼女のために詩を書いて欲しいと助けを求めます

いやいや、その女性を見てからでないと詩は書けないとネルーダが言うと

高名な詩人がくるなんて、彼女は気を失うに違いない

有名人と知り合いだというだけで格があがる時代

ベアトリスとの結婚式にはネルーダに付添人をしてほしいとまで頼むマリオ

プロポーズどころか、まだろくに会話もしていないのに(笑)

そうしてマリオはベアトリスに官能的な詩を贈り

(のちに大部分がネルーダの詩の盗作だとわかりますが)

ベアトリスもマリオに詩にうっとりとし好意を持つようになります

カフェの女主人であるベアトリスの叔母は

「何かされるより、言葉の方がタチが悪い」と(確かに 笑)

貧しい漁師の息子のマリオに不満でしたが

約束通り(共産党ではあるがカトリック教の)ネルーダの付添人で

マリオはベアトリスと結婚をします

結婚式はそれこそ島中で祝うくらい盛大なんですね

たくさんの料理が並びワインで酔い

マリオの無口な父親がこのときばかりは流ちょうなスピーチをする

この不器用な父親もかって若く妻になる女性を口説いた時があったのです

さらにネルーダに追放令がなくなりチリに帰国できるという

嬉しいニュースが届きます

ネルーダが去り、マリオは手紙を書くますが返事はきません

ネルーダのニュース映画を見ても彼が島の生活で

マリオという親友がいたことを語ることはありません

世界中を飛び回りノーベル賞も授与、忙しいのはわかってる

でも・・

やっとネルーダから手紙がきたと思ったら、それは彼の秘書から

マリオにネルーダの持ち物をチリに送ってほしいいう依頼でした

別荘に向かったマリオは蓄音機でネルーダに初めて会ったときに聞いた歌を聞き

古いカセットレコーダーに「島の美しいところ」の音を録音します

海の音、風の音、もうすぐ産まれる赤ん坊の心音

やがて島にも資本主義者が入り込み

水道工事をするという(嘘の)公約で選挙に勝ったり

貧しい漁民から(正当な価格より安く買い)摂取しようとしたり

マリオは生活のためカフェの手伝いをするようになったものの

ますます共産思想に淘汰していきます

5年後愛妻とカフェにやってきたネルーダは

壁にマリオの結婚式の時の写真を見つけ

ベアトリスと息子の(ネルーダにちなんで名付けられた)パブリトに会います

そこでベアトリスからマリオ息子が生まれる前に殺されたことを知らされ

彼女はネルーダにカセットレコーダーを差し出します

それはマリオがネルーダのために「島の美しいところ」を録音したものですが

マリオの声が録音されたそのレコーダーを手放せなかったと



ネルーダはマリオと「隠喩」について語った海岸をひとり散歩し

そこにマリオが共産主義者による集会にに参加する様子が映しだされます

彼はネルーダに捧げる詩を朗読するはずでした

ちょうどマリオの名前が呼ばれたとき、大規模な警察の介入が入り

そのままマリオは帰らぬ人となったのです




言葉は愛を語り、人間の魂を自由にしてくれる

一方で自由な思想は命さえ奪われる危険も併せ持つ

それでも人権を取り戻したかった、貧しい人々を救いたかった

でも結果はどうなのだろう

わかっていたはずなのに、改めて現実を突き付けられた

ネルーダはいままで見せたことのない虚しい表情で

海を見つめるだけでした

 

 

【解説】映画.COMより

南イタリアの小さな島を舞台に、純朴な青年が島を訪れた詩人との交流を通して成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。実在したチリの詩人パブロ・ネルーダが祖国を追われた際にカプリ島へ身を寄せた史実をもとにしたアントニオ・スカルメタの小説を映画化。
ナポリ沖合の小島に、祖国を追放された詩人で外交官のパブロ・ネルーダが滞在することに。世界中から届くファンレターを配達するため、島の青年マリオが臨時配達人として雇われる。美しい砂浜でネルーダは自作の詩をマリオに聞かせ、詩の隠喩について語る。マリオはネルーダの温かい人柄に惹かれ、2人は友情を育んでいく。やがてマリオは島の食堂で働くベアトリーチェに恋をする。
マリオ役のマッシモ・トロイージは心臓に病を抱えていた中で撮影に参加し、撮影終了からわずか12時間後に41歳の若さで夭逝。これが遺作となった。トロイージは脚本にも参加しており、死後、本作でアカデミー主演男優賞と脚色賞にノミネートされた。アカデミー賞ではそのほか、作品賞、監督賞、作曲賞にもノミネートされ、作曲賞を受賞している。ネルーダ役に「ニュー・シネマ・パラダイス」のフィリップ・ノワレ。2024年11月、製作30周年とパブロ・ネルーダ生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1994年製作/107分/G/イタリア・フランス合作
原題または英題:Il postino
配給:セテラ・インターナショナル

 




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