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行き止まりの世界に生まれて(2018)

原題は「Minding the Gap」(ギャップ(隙間)に注意)で

ここでは子どもから大人になる境界線や隔たりを乗り越えること

 

監督は5歳で渡米し14歳で母親がアメリカ人男性と再婚し

米市民権を獲得した中国系アメリカ人のビン・リュー(1989年生)で

ラストベルト(錆びれた工業地帯) と呼ばれるイリノイ州ロックフォードで

スケートボード仲間との12年間をハンディカムで追ったドキュメンタリー

前半は単にスケートボードが生きがいの

少年たちの青春日記かと思ったのですが

そうじゃなかった

 

かって自動車や製鉄などの重化学工業のおかげで

高校卒などの学歴がなくても高収入で家や車をもつことのできた

米国中西部にあった工業地帯

しかし製造業の衰退とともに

金融やIT産業の発展で優秀な人材や若者が町から去って行き

残された労働者は酒や薬物に溺れ治安悪化

家庭では夫が妻や子を殴り、子どもたちは学校に行かなくなる

貧困のループ

そんな環境の中で育った子どもたちは、犯罪者になるか

ひどい大人になると決まっているのだろうか

監督はそういう世間の偏見に対して、はっきり「ノー」と答えている

どんな大人になるかは自分次第なのだと

 

その支えになったのが、ハンサムで人気者の白人ザック

優しくてスケートボードのうまい黒人のキアー

ふたりの親友とスケートボードだったんですね

彼らは父親からの虐待を受けて育ち

学校には行かず友人たちと煙草を吸いビールを飲み

夜は花火(そこはまだ子どもなのね)で遊ぶ日々

リューがインタビューすると

「スケボーをやってる時は嫌なことから抜け出せるんだ」

「まるでドラックだよ」

バイクやカーレース、喧嘩なんかもそうですけど

危険なことに挑戦する=かっこいい、ことでもあるんでしょうね

親の言うことなんて聞かなくていい、勉強なんてしなくていい

自由でいることが何より大切なことだと信じている

 

でも最初にザックと恋人のニーナの間に子どもが出来ます

ザックはニーナと子どもを養うため屋根職人になりますが

キツイ労働にかかわらず収入は少ない

それなりの収入を得るには高校の資格が必要であることを知ります

 

ザックが休みの日には、ニーナがウェイトレスとして働きにいきますが

ニーナがザックに子どもを預けて出かけるのが気に入らない

自分だって遊びに行きたいし、想像以上に赤ちゃんの面倒は大変

ニーナと喧嘩するようになり、やがてニーナへの暴力へと発展していきます

キアーは皿洗いのバイトをはじめると

(今は亡き)父親の言っていた言葉の意味を知ります

父親に仕事を手伝わされたり、殴られたのも愛されていたから

自分がちゃんとした仕事をもちお金を稼げるよう願っていたから

キアーはスキルを磨き皿洗いから調理とウェイターに昇進

(なのに貯めていたお金を実の兄に盗まれてしまう)

いつの間にか昔の仲間とは距離を置くようになっていました

 

リューは父親から虐待されていたキアーに

継父から虐待されていた自分を見つけ

ザックからDVを受けながら別れられないでいるニーナに自分の母親を

ザックがニーナを殴る理由に、継父が母親を殴った理由を見つけます

ザックと別居したニーナは叔母夫婦との家に同居し

ザックはスケートパークを建設する事業を立ち上げたものの

共同経理者に金を持ち逃げされ借金を抱えてしまいます

突然ロックフォードを去り、新しいパートナーと暮らしはじめたザックに

養育費を請求するニーナ

 

アルコール依存症り、パートナーとロックフォードに戻ってきたザックは

こんな姿になった自分が息子に与える影響について悩んでいました

パートナーとの関係はうまくいっているようです

一方地道にお金を貯めたキアーは車を買い

デンバーに引っ越すことを決意します

 

リューは19歳でイリノイ大学シカゴ校に進学

母親の再再婚が決まると、今度こそ幸せになれることを願い

(異父)弟とともに結婚式に参列します

エンドクレジットでは

ニーナは学校カウンセラーになるための学位取得を目指して勉強

ザックは屋根職人として責任者に昇進し、息子への養育費を支払っていること

キアーはプロスケートボーダーとして2社のスポンサーがついたことが語られます

ここがいちばん感動しました

 

この先も彼らにはたくさんの偏見と苦労が待ち受けていることでしょう

でも過去ではなく、未来の目標に向けて頑張ってほしいですね

最後にはすっかり保護者になった気分(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。

2018年製作/93分/G/アメリ
原題または英題:Minding the Gap
配給:ビターズ・エンド

 




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