
なんの前知識もなく見たので、それがよかった
お父さんの膝の上で一緒にハンドルを持ち運転する少年ロール
今じゃご法度ですが、昔はこういう風景がたまにありました
お父さん役のマチュー・ドゥミは

夏休みに集合アパートに引っ越したばかりで
お母さんは臨月でお腹が大きい
5歳になる妹ジャンヌとは大の仲良し

でもいくら仲良しの兄妹でも、こんなにベタベタしたり
一緒にお風呂に入って髪の毛を洗いっこしたりするのは
と思ったんですけど(笑)違いました

ロールは実は女の子だったんですね
ボーイッシュでスポーツが得意な10歳
それまで男の子と分け隔てなく遊んだり喧嘩したりしても
両親はさほど気にしなかったかも知れません
(それに比べて妹がガーリーすぎる極端 笑)

でも男子も女子もそろそろ身体に変化の現れる年頃
ロールは近所にすむリザという同じ年頃の女の子に名前を聞かれ
思わず「ミカエル」という男の子の名前を名乗ってしまいます
リザは身体も大きく、子どもたちの間でも姉後肌のようで
胸が膨らみはじめています
ロールとリザがお互い好意を抱くようになるのには
時間がかかりませんでした

リザと泳ぎに行く約束をした日
水着の上半身を切り、丸めた粘土を下腹部に入れるロール
ここらへんは、浅はかだけど子どもっぽくて微笑ましい部分もある

ある日、妹のジャンヌを仲間たちのところに連れて行くと
ジャンヌが男の子のひとりに突き飛ばされ怪我をしてしまいます
怒ったロールはその男の子を殴ってしまい
その夜、男の子とそのお母さんがロールの家に
「ミカエルから、ケガを負わされた」と 抗議に来ます
ロールのお母さんはその場で謝罪しましたが
そこでロールが「ミカエル」という名で
男の子のふりをしていたことを知ります

ロールが、トランスジェンダーなのか
ただ男の子のような容姿に憧れているだけなのかはわかりません
たぶん本人もまだ(年齢が低くて)性自認できていないのだと思います

お母さんは新学期になれば嘘がバレること
その前に女の子であることを打ち明け、謝るべきだと考えます
お母さんはロールにワンピースを着せ、男の子の家を訪ねると
ミカエルではなく、ロールという名前の女の子だと説明をします
次にリザの家に行き、リザにも女の子であることを打ち明けます

ロールはワンピースを脱ぎ捨て、ひとり森に向かいます
そこにロールが謝りに行った男の子から
ロールが女の子だと聞かされた皆がやって来て
「本当に女の子かどうか確認する」と迫られます
(それってスケベ心でしかないから)

リザが「やめて!」止めると、男の子たちはリザに確認するよう言い
リザはロールの下半身を触ると、男の子たちに囃し立てられ
「気持ち悪い」と呟くのでした

アパートから出ることも、友だちと遊ぶこともしなくなったロール
やがて赤ちゃんが生まれ、ロールもジャンヌも喜びますが
ロールは夏休みが終わったら、学校に行くという試練を
受け入れることができません

ロールがひとりベランダでおやつを食べていると
階下に広場にロールを見上げるリザの姿があり
リザはロールに「本当の名前はなんていうの」と尋ねるのでした
でも私は、リザより先に両親にロールのことを理解して欲しかったな(笑)
赤ちゃんが産まれてくるとき「男の子でも、女の子でも、健康ならいいい」
そう思ったことを忘れないで欲しいと思います
【解説】映画.COMより
2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞するなど高い評価を受けた「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督が、2011年に手がけた長編第2作。引っ越し先の土地で新たに知り合った友人たちとの間で男の子として過ごそうとする主人公ロールの、みずみずしくもスリリングなひと夏を描いたドラマ。ある夏休み、家族とともに新しい街に引っ越してきた10歳のロールは、自ら「ミカエル」と名乗り、少女リザをはじめとする新しく知り合った友人たちに、自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは2人きりでも遊ぶようになったロールだったが、リザがミカエルとしての自分に好意を抱いていることに気づく。そのことに葛藤しつつも、距離を縮めていく2人。やがて、新学期の始まりでもある夏の終わりが近づき……。
2011年製作/82分/PG12/フランス
原題または英題:Tomboy
配給:ファインフィルムズ