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罪と罰(1983)

「虫けらを殺して 自分が虫けらになった」

 

原題は「Rikos ja rangaistus

アキ・カウリスマキ26歳のときのデビュー作

ドストエフスキー罪と罰を80年代(冷戦時)のフィンランドを舞台に

罪とは(赦しを十字架に請うのではなく)人間社会の法に委ねるべきだという

現実的翻案

アキらしいユーモラスさはまだ控えめでしたが、私的には良かった

原作を読むよりわかりやすいですしね(笑)

 

冒頭からゴキブリを包丁で殺すシーンがあり

それがラストの「虫けら」のイメージに繋がることになります

ヘルシンキの食肉加工工場で働くラヒカイネン(マルック・トイッカ)は

実業家ホンカネン(ペンティ・アウエル)の家に電報と偽り訪れると

ドアを開けたホンカネンを射殺します

そこに偶然パーティ料理を配達しにやって来た

ケータリングサービス会社のエヴァ(アイノ・セッポ)は

殺人現場を目撃してしまいます

ラヒカイネは3年前婚約者を交通事故で亡くしていました

それはホンカネンの飲酒運転によるものでした

しかしお金も社会的地位もあるホンカネンは無罪になった

という過去がありました

ラヒカイネンはホームレスに証拠品を持たせたり

(ホームレスは警察の取り調べで偽りの自白をしてしまう)

内装工事が始まった殺害現場に出向いて働きたいと自分の住所を伝えたり
どこかで逮捕を望んでいるような行動に出ますが捕まりません

エヴァは警察に事情聴取されるも

なぜか彼が犯人であるという発言はしません

それどころかラヒカイネンを庇い自首するよう促します

彼女はラヒカイネンのことが好きになっていたんですね

ラヒカイネンを犯人だと確信し彼に付きまとっている

ペンナネン刑事(エスコ・ニッカリ)も

ラヒカイネンを逮捕するよりも、彼に罪の意識を自覚させようとします

ラヒカイネンと同じ工場で働く

友人のニカンデル(安定のマッティ・ペロンパー 笑)は

(大きく新聞に殺人事件が載っている)ラヒカイネンに仕事を休むよう言い

一緒に外国に逃げようと提案します

 

なぜ彼らはラヒカイネンの罪を問わないのか

(ふたりの会話を盗み聞きしていた)ケータリング会社の上司ヘイノネンは

ヴァをホテルに閉じ込め、自分と結婚しなければ

ラヒカイネン警察に突き出すと脅します

エヴァは(ラヒカイネンの部屋で見つけて持ち帰った)銃で彼を脅して逃げ

エヴァを追いかけたハイノネンは、やって来たラヒカイネンと対峙

路面電車に轢かれて死んでしまいます

実業家もハイノネンも

まるでラヒカイネンを陥れようとする者は

不幸に見舞われるかのように

ラヒカイネンはニカンデルの助けで作った偽造パスポートで

ストックホルム行きのフェリーにいったんは乗船したものの、突然引き返すと

ペンナネン刑事が予言した通り警察に自首します

ラヒカイネンはかって恋人を殺されたが

それがホンカネンを殺した本当の理由ではなかったといいます

自分が殺したかったのは”道理”だ

人じゃない、人殺しは誤りだったと

ラヒカイネンの言う”道理”とは何か

牛や豚は殺しても罪にならないけれど

人間なら(虫ケラ同様の悪人でも)殺したら罪に問われてしまう

一方で罪を犯しても(金持ちなら)裁かれない人間もいる

つまり世の中の理不尽や不平等のこと

それを殺したかったのだと

誰であっても自分の犯した罪や過失は償わなければならない

それこそが「罪と罰」のテーマでもある「贖罪」なのではないかと

私は思いました

実刑判決を受けたラヒカイネンに面会に行ったエヴァ

(出所までの)「7年間待つ打ち明けますが

ラヒカイネンは「君は自分の人生を生きろ」と彼女の思いを拒否します

どうせ死ぬんだ死んでも天国はない

何があるの
きっとクモかなにかだ知らない

ラヒカイネンの背中を見送るエヴァ

でもラヒカイネンがいざ出所するときには

エヴァが待っていてくれることを祈っているのかもな

男ってそういうものよ(笑)

【解説】KINENOTEより

殺人を犯した青年の行動を乾いたタッチで描く作品。「白い花びら」のアキ・カウリスマキ、監督長編第1作。原作はロシアの文豪、ドストエフスキーの同名小説。出演はマルチ俳優として活躍するマルック・トイッカ、「愛しのタチアナ」までカウリスマキ作品の顔だったマッティ・ペロンパー、カウリスマキ作品の常連名脇役であるエスコ・ニッカリほか。1983年第1回フィンランド・ユッシ賞最優秀処女作品、最優秀脚本賞受賞。

 




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