以下の内容はhttps://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2024/07/16/185446より取得しました。


ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979)

原題は「The Brood

「ブルード」とは「胎児」や「ひよこ」のことで

(動詞では恐ろしい、脅威を与える何か、として使われる

その意味がラストに解明される、というもの

とにかく「人間の恨みの具現化」という

発想が素晴らしい

 

ただし、これから結婚を控えている人は

絶対見ないように(笑)

誰でも強いストレスを感じると

身体に湿疹やかゆみを生じたり

潰瘍ができたりする場合がありますが

ここでは強すぎる怒りに対して出来た「できもの」が

人間の形をして産まれてきます

そしてその子どもたちが、本人の代わりに復讐をしていく

形となった生霊が、自分をひどい目に遭わせたと思っている人々を

本当に殺してしまうのです

この映画を製作にするのにあたっての背景がまた面白いですね

当時、デヴィッド・クローネンバーグ

最初の妻マーガレット・ハインドソンと離婚調停中のとき

クレイマー、クレイマー」が映画化されることを知り

離婚を巡る家庭崩壊はこんな甘っちょろいものではないと幻滅(笑)

離婚した夫婦が子供を巡って争う恐怖を真に描写しようと脚本を作成

しかもヒロインには元妻に雰囲気が似ているという理由で

サマンサ・エッガーを起用したというのです(笑)

 

ただ本作と「クレイマー、クレイマー」は、ほぼ同時期に撮影公開されているため

クローネンバーグが言及しているのは映画のほうでなく

エイヴリー・コーマンの原作小説についてだと思われます

物語は名の通った精神科医ラグラン(オリヴァー・リード)の

劇場での公開治療”サイコ・プラズミック療法”からはじまります

ラグランは入院しているフランクの妻ノラ(サマンサ・エッガー)の

主治医でもありました

この”サイコ・プラズミック療法”というのが、怒りを収めるのではなく

どんどん怒りを溜め込み吐き出させるというもの

ノラは自分が幼いころ母親に虐待されていたこと

そのことを知りながら父親が助けてくれなかったことへの恨みを

増幅させていました

母親との面会から戻ってきた娘のキャンディの身体に

複数のあざを見つけたフランク(アート・ヒンデル)は

娘がノラに虐待されているのではないか

その原因が”サイコ・プラズミック療法”だと疑い

ラグランにノラに会わせるよう頼みますが

ノラの治療の妨げになると断られてしまいます

 

フランクはキャンディをおばあちゃん(ノラの母親)に預け

独自の調査を進めようとしますが、おばあちゃんが何者かに殺され

次におばあちゃんの死の知らせを受けてやってきた

おじいちゃん(ノラの母親とは離婚)が

酒に酔っていたところを撲殺されます

 

おじいちゃんの死体を発見したフランクは、犯人を見ますが

犯人は幼い子どもでその場でもがき苦しんでしまいました

司法解剖の結果、子どもは奇形で

目に虹彩はあるが網膜はなく、視界はゆが色の識別は不可能
上唇は口唇裂で歯は無い、厚すぎて喋れない
何より”へその緒”が無い

つまり人間の形はしているが、お産で分娩された子ではないということ

さらに体内にコブがあり

そのコブに貯蔵されているエネルギーのようなものが切れた時点で

死に至るのだといいます

さすがに事件を重く見たラグラン先生は病院を閉鎖することにし

ノラを除いた入院患者たちを全員退院させます

しかしノラの”サイコ・プラズミック療法”は続き

ノラがフランクが浮気しているのではないと疑っている

キャンディの幼稚園の担任、ルース・メイヤーが小人たちに殺され

(それも積み木のトンカチで 笑)

フランクが駆け付けたときにはすでに

キャンディは小人たちによって連れ去られていました

ラグランの元患者のハートグを訪れたフランクは

(”サイコ・プラズミック療法”のせいでリンパ腫を患っている)

ラグランに退去させられた患者のひとりマイクを紹介され

ノラはラグランの「女王蜂」であり

ラグランは研究所の屋根裏部屋で

子どもたちの世話しているのだと教えられます

キャンディを救出するため研究所に向かったフランク

危険な小人たちを制御できなくなってしまっていたラグランは

自分がキャンディを小人たちから救うので

その間フランクに決してノラを刺激しないよう

愛しているのだと、彼女にそう伝えるよう指示します

でなければ、ノラの怒りでキャンディが小人たちに殺されてしまう

ノラに会いに行ったフランクは

いかに彼女を愛していて、必要なのかを説明しますが

いまさらもう遅かった(笑)

ノラが怒るたび子どもたちは狂暴化しラグランとキャンディを襲おうとし

ノラが「これでも愛していると言える?」と上着をめくると

ノラの腹部には大きなコブがあり、そこから胎児が飛び出てきます

胎児を舐め綺麗にしようとするノラの姿に嫌悪感を隠しきれないフランク

その時のフランクの表情を見たノラの怒りは爆発

このシーンはサマンサ・エッガーのアイディアだそうで(笑)

彼女は犬と猫を飼っており

動物は出産した後、赤ちゃんを舐めて綺麗にしてあげることから

思いついたそうです

(犬や猫と違い人間がやるとグロイことはわかった 笑)

ルグランは小人たちの袋叩きにより惨殺され

クローゼットに隠れていたキャンディも見つかり

小人たちに襲われると悲鳴が聞こえます

とっさにノラの首を強く締め上げるフランク

ノラが息絶えると、小人たちも次々と命尽きていきます

フランクはキャンディを連れ車で研究所を脱出

 

キャンディが涙を流しているのは、安堵によるものなのか

それとも母親の死を哀しんでなのか

彼女の腕には小さなコブが現れていました

確かにこれを見たら「クレイマー、クレイマー」は生ぬるい(笑)

どちらにしても、夫婦喧嘩や離婚による一番の犠牲者が

子どもであることに間違いはないのでしょう

 

 

【解説】映画.COMより

夫婦間や親子間の亀裂というテーマとともに、驚愕の科学実験が生んだ凄惨な恐怖を描いたデビッド・クローネンバーグ監督のホラー。幼少期に受けた虐待が原因で神経症を患うノラは医師ラグランの診療施設に入院する。しかしノラの夫フランクは彼女を隔離し面会させないラグランに不信感をいだく。一方、ラグランは人間の怒りを実体化する実験を行なっていた。ノラの体にできた腫瘍から異形の群れが現れ、やがて復讐を開始。ノラとフランクの娘キャンディスにも危険が迫る。2013年、クローネンバーグ監督の新作「コズモポリス」(12)公開にあわせた特集上映「コンセプション オブ デヴィッド・クローネンバーグ 受胎」でリストア版が公開。

1979年製作/91分/カナダ
原題:The Brood
配給:コムストック・グループ

 




以上の内容はhttps://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2024/07/16/185446より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14