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ショート・ターム(2013)

原題は「Short Term 12」(一時預かり場所)

ショート・タームとは「短期的な」 という意味で

ここでは家庭問題のある10代の若者を(次の行先を行政が見つけるまで)

一時的に預かるグループ・ホームのこと

主だったテーマは「虐待」による後遺症で

その中でも「父親からの性的な虐待」にスポットを当てています

それは暴力的なものではない、やさしく甘い言葉で娘をたぶらかす

少女たちはそれが虐待であるかどうか、知らないまま育ってしまうのです

さらに(現在では改正されたかも知れませんが)アメリカでは

家族内の虐待は、虐待されている本人が訴えなければ

警察も福祉も介入できないというのです

「ショートターム12」にやって来た気難しい少女ジェイデン

職員のグレイスは彼女の創作絵本「タコのニーナ」見て

彼女が性的虐待をされていることに気付きます

それは彼女自身もかって、父親の子を身ごもり中絶した経験があったからです

しかし施設長が父親のもとにジェイデンを帰してしまい

怒鳴りこみにいくグレイスに

「全員の罪を暴くのは無理」

「すべての子を癒すのも、すべての親を訴えるのもね」と

児童保護行政の限界を説明するのです

 

ケアスタッフは施設内の子どもたちの安全を守ることはできても

施設外の子どもを守る権利はないという壁

虐待も性的被害もなくならないという現実

本当に辛い話しなのですが、とにかく構成がうまいんですね

(あまりにも重すぎるシーンは監督自らカットしたらしい)

社会不適応者との接し方について考えさせられるし

ときどきハッピーでほっこりするシーンもある

低予算ながら興行では成功し、評価もかなり高い

しかし「オスカー無視」という不幸に遭遇

(監督のデスティン・ダニエル・クレットンは日系)

非難を受けたアカデミー賞は2年後に公開された「ルーム」で

ブリー・ラーソンに主演女優賞を与えることになりました

「ショート・ターム12」で働くメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)は

(施設イチの美女イライザに惚れた)マーカスが脱走したとき

彼の乗ったバスに乗り込んで行ったまではいいが

タコスを食べたせいで腹を下してしまい、それどころではなくなったという

カッコ悪すぎる武勇伝を聞かせ皆を笑わせています

 

そこに施設を飛び出そうと、叫びながら走り去るサミー

スタッフも一斉に走り出し、サミーを捕える

 

サミーは衝動性のある不安症で

人形(ぬいぐるみ)に執着心をもっていました

マーカスはもうすぐ18歳になり

虐待を受けていた母親の許へ帰らなければならず

スタッフたちは解決策に頭を悩ませています

恒例の集会があり、福祉意識が高く(そのわりに共感性が全く欠けている)

大学を1年休学してやって来た新人のネイト(ラミ・マレック)と

新たに入所してきた17歳のジェイデン(ケイトリン・デヴァー)が紹介されます

 

ジェイデンの母親はすでに亡くなり、父親によって預けられましたが

すぐに父親が迎えにくるからと誰とも話そうとしません

他の子たちから感じ悪いと言われても気にしない

絵を描くことが得意で、男性器の絵を壁に貼ったりしています

(スタッフに対する嫌がらせだろう)

そんなジェイデンに共通するものを感じるグレイス(ブリー・ラーソン

グレイスは妊娠検査薬で陽性が出たため、病院に行くと妊娠していました

医師に妊娠も中絶も初めてではないことを打ち明け、中絶の予約をします

 

家に帰るとメイソンが待っていて、ふたりは同棲していたのです

優しくて理解があるメイソンですが

グレイスは彼とのセックスを拒むようになります

その理由を教えてくれるまでと、辛抱強く待つメイソン

(恋人同士でも、セックスの強要はDVになる可能性があるんだね)

施設では毎日が事件、野球をすれば喧嘩

マリファナまで見つかってしまう

サミーはセラピストに治療のためと、人形を没収されてふさぎこみ

(こんなセラピスト嫌だ)

ソファに隠れていた人形を見つけたネイトがサミーに渡す

天然すぎるネイトでも彼なりに頑張っているのです(笑)

数日後、グレイスメイソンどもが出来たことを打ち明けます

(中絶の予約をしていることは伝えない)

メイソンは「大丈夫、最高の親になれる」と

結婚しようという意志を伝えます

そしてジェイデンの誕生日、迎えに来るはずの父親が現れず

部屋に閉じこもってしまうジェイデン

施設の皆が誕生日カードを贈りますが(ウルっとくる)ジェイデンが脱走

グレイスはジェイデンを家まで送ることにします

(施設外では身体にふれてはならないルールがある)

しかし家には誰もおらず

ジェイデンはグレイスと施設に戻ることを承知します

ジェイデンと一緒に「クールダウン ルーム」に入ったグレイスは

ジェイデンの自傷行為の跡を見ると

自分の自傷行為の跡も見せます

 

ジェイデンとぐっと距離の近くなったゲレイスは

ジェイデンから彼女の書いた「タコのニーナ」という

物語を教えてもらいます(この短い物語が逸品)

ひとりぽっちのタコは友だちになろうとやってきたサメに

足を食べさせてくれと頼まれます

悩むタコに、8本もあるんだからいいんじゃないかと言われ

そうだねと思う、友だちなんだから

また足を1本食べさせてと頼まれます

また1本

全ての足のなくなったタコに、もう泳げないから遊べないねと

去っていくサメ

愛してもらうため、自分を差し出したのに

またひとりぽっち

しかももうどこにも行けない

 

間違いない、ジェイデンは父親に性的摂取をされている

施設長に報告書を出すゲレイス

メイソンの実家でパーティーがあり、グレイスも一緒に出かけます

いつも明るいメイソンも実は施設で暮らしていて

メキシコ人夫婦の養子となり育てられたのです

でも陽気な環境で義父母に愛され、感謝の気持ちしかない人間になった

愛ってストレートで、いかにわかりやすく伝えることが

特に子どもには大切なんですね

その翌日、ジェイデンの父親が迎えに来てジェイデンが帰宅してしまう

グレイスが虐待の可能性があると訴えたにもかかわらず、施設長が許可したのです  

さらにマーカスが自殺未遂

グレイスはメイソンに結婚出来ないと言うと、ジェイデンの家に行き

彼女の寝ている父親をバットで殴り殺そうとします

さすがにジェイデンに「頭おかしいんじゃないの?」と止められ(笑)

父親の車をバットでボロボロにすると、施設に戻

メイソンに八つ当たりしたことをるのでした

グレイスはジェイデンに自分も父親から性的虐待を受けていたことを打ち明け

ジェイデンが父親にされていたことも虐待であり

法的に阻止しなければならないことを教えます

ジェイデンは父親を訴える決意をし

 

グレイスはメイソンとお腹の赤ちゃんのエコーを見ています

帰り道、マーカスがライザとデートしているのを目撃

ラスト、冒頭と同じようにメイソンがマーカスをネタにして

スタッフたちを盛り上げます

そこにいつも通りサミーが走ってくると、いつも通り追いかけるグレイス

(妊婦なんだからそんな全力疾走したらダメよ)

いつもと違うのはサミーが星条旗のマントを羽織っていること

 

それは小さな変化だけど、サミーがスタッフたちからの

愛情を確かめることのできた信頼の証なのだろうな

過去は消えないけれど、未来は自分で切り開ける

だけどそのためにはやはり、周囲からの援助が必要なのです

福祉や介護の現場で働く人々にも

今やってる仕事は決して無駄じゃないと伝えたい

 

誰もが、今そこにある幸せを掴めるように願わずにはいられない

隠れた名品でした



 

【解説】映画.COMより

10代の少年少女を対象とした短期保護施設を舞台に、誰にも言えない心の傷を抱えた女性と子どもたちが、大切な誰かとともに生きる喜びや希望を見出していく姿を描いたヒューマンドラマ。ティーンエイジャーを預かる短期保護施設(ショート・ターム)で働いているグレイスは、同僚でボーイフレンドのメイソンとの間に子どもができたことがきっかけで、幸せな将来が訪れると希望を抱く。しかし彼女には、メイソンにも打ち明けられない深い心の傷を抱えていた。2013年のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭でプレミア上映されて審査員特別賞を受賞し、そのほか多数の映画賞で話題となった一作。

2013年製作/97分/G/アメリ
原題:Short Term 12
配給:ピクチャーズデプト

 




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