はじめに
2026年の共通テスト、力を存分に発揮することができましたか?
土曜日までの一週間で共通テスト関連の記事にたくさんのアクセスをいただきました。ありがとうございます!少しでもお役に立てたなら光栄です。
現在は過疎ブログに戻りました。(´・ω・`)

月曜日は学校で自己採点です。目標点に届かなかった人、弱気になってはいけません。また「よっし!」と思った人、自分だけができたとは限りません。
共通テストは2021年度に開始されたばかり、そこへ2025年度から新課程がぶちこまれたため平均点管理が崩壊していて毎年科目ごとの難化や易化が発生します。自己採点の段階で「できなかった」「できた」を判断するのは早計です。自己採点の結果が帰ってくるまでは第一志望貫徹、自己採点が終わったら二次試験に向けて机に向かいましょう。
ぶんぶんは毎年センター試験/共通テストに勝手な「命名」をしています。2013年は「小林秀雄+スピンスピンショック」、2022年は「数ⅠA大ショック」です。
国公立大学の一般試験は受験できる回数が決まっていて、前期・後期・公立中期を一斉に出願します(一部別日程あり)。自己採点の結果が帰ってきたら三者面談をして最終的な出願先を決めます。第一志望を貫くか、志望変更をするか、中期・後期をどうするか、今回は「願望」ではなくリアルに出願する大学を選びます。
国立(合格者数)至上主義の高校には「出願指導」という言葉があり、「より合格可能性の高い大学への受験を生徒に承諾させるのが担任の指導力」のようなくだらない風潮があると聞きますが、「入れるところ探し」ではなく「第一志望に合格できるような学力がつくよう支援する」が進路指導の本筋です。
特に保護者にとっては「C判定って合格するの?」「データってどう見るの?」と、そもそも自己採点が何かわかりにくいです。
今回は、自己採点以後の段取りについて考えます。
いらすとやさん。AはappleのA

目次
1 自己採点~出願の段取り
大学入試センターは出願までに自分が何点取ったか教えてくれません。また志望大学に合格するには何点ぐらいあればいいかも見当が付きません。そこで受験産業が実施する自己採点サービスを利用します。
二大勢力(五十音順)。2025年から自己採点データの収集は合同で行っています。
駿台・ベネッセ連合
業者を活用した自己採点の流れはこうです。
- 月 自己採点を業者に提出する(上記2社はウェブ入力)
- 水 自己採点結果がウェブ上にアップされる*
- 木 教員向け志望動向報告会が行われる**
- 木~金 教員が「進路検討会議」を行う***
- 金 自己採点結果(紙媒体)が生徒に返却される
- 金~日 三者面談で国公立大学の出願先を決定する
- 月~次週の水 願書を出す(前期、後期、中期同時)
*志望大学について、自己採点に参加した受験生の中での自分の順位がわかります。また共通テストの成績とその業者の記述模試の成績を各国公立大学の配点比率に直し、合格する可能性が表示されます(ドッキング判定)。
**教員向けの説明会では平均点、どの学部系統が人気(どの学力層の生徒が集まってきている)か、志望変更するならどの大学か、などが議題になります。
***教員がパソコンにダウンロードするシステムからは生徒が閲覧できるものよりも詳細な情報が得られるので、それに基づいてあれやらこれやら相談します。
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2 受験は気持ちのぶつかり合い
データに基づいて担任はアドバイスしますが、最終的に志望校を決め、準備するのは受験生本人です。A判定だからといって合格が保障されたわけではありません。
受験は「水物」、二次試験の科目相性、「アナウンス効果」(報告会で「不人気」と言われた大学に受験生が押し寄せる)、倍率が低くても「一見さんお断り」大学など、数字に表れない要素も考慮しなければいけません。
また自己採点はあくまで月曜日の「人気投票」です。自己採点後に人気が上昇したり、「隔年現象」といって昨年低倍率の大学に志望が殺到するのは国立志向の強い東海北陸地域では年中行事です。
受験は「合格したい」という気持ちのぶつかり合い、「判定がいいから」という理由だけで気乗りのしない大学を受験する人に用意される椅子はありません。この仕事を長くやっているぶんぶんはA判定で不合格、D判定で合格を何度も体験しています。
判定だけ見て志望校を決めるのではなく、情報を分析し、適切な計画を建て、実行して合格を勝ち取ってください。出願すればそこが「第一志望」です。

3 自己採点の見方と合格可能性
① 得点度数分布(イメージ)
ベネッセのサイトを参考に自作しました(大学名は架空)。 「センター」とありますが共通テストと読み替えてください。

「前期は定員20人、一次試験を600点満点に傾斜配点し、二次試験620点との合計で合否判定します。志願者が6倍を越えたら、あふれた人は一次試験の点数で自動的に不合格です。去年の倍率は7.7倍です」という意味です。
その下は一次試験の持ち点で志願者を並べたものです。A~Dが合格可能性です。合否に関わる部分では、ベネッセはB60%、C40%。河合塾はC50%です。
例えば太郎さん(仮名)の持ち点が500点とすると、定員20位の中にいて約5点のアドバンテージです。一方花子さん(仮名)さんの持ち点が475点とすると、合格するためには23人をごぼう抜き(20点を個別試験で挽回)する必要があります。
昨年度のデータも見ます。500点取っている生徒はほぼ合格、470~490の間で逆転が起こっています。一次と二次の配点比率が均等な割には逆転があまりないので、二次では差がつきにくい大学といえます。
太郎さんは二次で失敗しなければ合格の可能性が高く、花子さんは逆転を狙える限界にいると判断できます。
ただしこれは自己採点の日の「人気ランキング」であり、今後他大学から「下げて」流入してくる人、逆に「上位校」が本命で「抜ける」人もいます。
またこの表では志望者の二次試験の学力はわかりません。D判定で合格した生徒がいるので先生は「受験生は冬から伸びる、最後まであきらめるな」と励ましてくれますが、その生徒はもともと「上位校」相当の実力者であった可能性が高いです。
この度数分布は、昨年度との難易度比較、チャレンジできる限界、逆転の起こりやすさなど当該大学の傾向を見るのには適しています。
② 個人票(イメージ)
河合塾のサイトを参考に自作しました(大学名は架空)。

個人票には志望者の中の位置、必要な二次偏差値の最低値(ボーダーライン)が載っています。■が第一志望者、□が総志望者、★が自分の位置の人数です。
サンプルは「一次試験の順位は第一志望者の中で定員ちょうど、ボーダーラインよりプラス3点のC判定(河合塾は合格可能性50%)、記述模試の偏差値が72.5、この大学の二次ランクは「00」(70.0がボーダー)、志望者の中では二次力が上位なので個別試験はA判定(80%)、総合でB判定、合格可能性は71%」という意味です。
個人票を見ると合格するには何点アドバンテージorビハインドか、守りきれるか逆転可能かが判断出来るので、出願及び準備の指標になります。
4 新兵器 逆転可能性診断マクロ
2025年度から河合塾と駿台ベネッセ連合は自己採点を合同で実施、入力をウェブ上とし、学校向けの冊子資料も発行しないなどペーパーレス化が進みました。
冊子資料の代わりに特設サイトにMicrosoft Excel©(以下エクセル)のマクロが置かれているので、それをダウンロードし操作すれば各大学・学部・学科の度数分布を見ることができます。これは事情通には優れものです。
ここでは河合塾の分析ツールを紹介します。『Kei-Net Plus』2026年度大学入学共通テスト特集>集計資料・分析ツールからダウンロードします。2026年度は2026年1月21日(水)公開予定です。
*サイトがアップしたらリンクを張ります。しばらくお待ちください。
河合塾の営業の許可をもらったので昨年のデータをもとにしたイメージを貼ります(数値は架空です)。コメントはぶんぶんの個人的な推理です。
① 大学を検索する

『Kei-Net Plus』大学入学共通テスト特集のサイトから「kokkouritsu_20XX」というエクセルファイルをダウンロードします。ファイルを開くとマクロがブロックされるので「マクロを有効にする」を選んでください。
検索画面では様々な条件で大学を検索できます。
② 度数分布

入力した大学について、3①で紹介した度数分布が表示されます。紙の冊子の頃は大学別に並んでいるので何度もページをめくる必要がありましたが、受験候補だけを並べることができるのでありがたいです。また昨年、一昨年の実際の合否(調査分)は「隔年現象」のチェックにもなります。
この例では、持ち点がH大注意ライン(二次で最高点なら合格するかも)なのでS大に志望変更しようとしたらそこがS大のボーダーライン付近で志望者が集中、S大の注意ラインはハム大のボーダーなことが見て取れます。
③ 第一志望の人が第二志望にどこを書いているか

第二志望欄に書いてある大学およびその志望者の成績が表示されています。
H大工学部を見ると、H大の他学科を第二志望にする生徒は平均成績が高く、このまま居座るか変更でも他学科へスライドする可能性が高いと判断できます。
一方S大の第二志望先はかなりばらけています。S大はH大より共通テストの配点比がやや高いので、持ち点が少ない人は他大学に志望変更する可能性が考えられます。「S大ブランド」にこだわる人は入りやすい他学部を書いています。
④ 第二志望にこの大学を書いている人の第一志望

いわゆる「上から落ちてくる」人が多いかどうかを判断する材料になります。
H大を第二志望に書いているのはK大第一志望で、成績はいまいちなのでH大に流入する可能性が高いです。S大を第二志望に書いている人は圧倒的にH大第一志望ですが、成績は良い人はそのままH大で勝負する可能性があります。
⑤ 後期はどこに出す予定か

前期H大、後期S大は成績上位者、前期S大組は後期もS大に出してもT大K大落ちとは勝負にならないので各地域に分散しています。
ただしこのデータは月曜日の人気投票、このデータを見てさらに受験生は流動します。受験生はデータとにらめっこしている暇があったら勉強しましょう。
まとめ
- 自己採点のデータから、月曜時点の当該大学の志望者の中で「私はどの位置にいるか」がわかる。
- 判定も大事だが、「定員の中か外か」「ボーダーに対して何点アドバンテージ、ビハインドがあるか」に注目する。
- 過去のデータを見て、隔年現象などに注意する。
- このデータを見て実際の出願では生徒の志望動向は変わる可能性もある。
- 判定だけ見て早合点せず、担任と一緒に詳細なデータを吟味する。
受験生や経験の浅い担任は倍率や判定を気にしますが、ぶんぶんは合否に直結するラインに人が集まっているかに注目し、生徒の現時点の二次力とこの後の「伸び」と合わせて、逃げ切れるか、逆転可能かを判断します。
先ほどの花子さんの場合、定員まであと20点、B判定まであと30点です。担任の先生は「記述の成績は10月時点だし現役は冬から伸びる」と励ますでしょうが、残り時間で花子さんは本当に他の受験生より20~30点上乗せできるかはケースバイケースです。
普段からの姿勢や志望大学へのこだわり(つまり努力し続けられるか)は担任、問題相性は教科担任、と判定だけでは見えない部分をチームで共有することが「出願指導」に必要です。
最終的には受験生本人の決定ですが、チャレンジするなら根拠を持たせて送り出したいです。応援しています!
関連リンク
大学が発表している合格者の最高点、最低点、平均点から生徒の合格可能性や戦略を探る回。
bunbunshinrosaijki.hatenablog.com
おわりに
ネットの情報は参考です。担任の先生があなたの情報を一番持っています。一人合点せず相談しましょう。パブリックドメインQより(AI生成画像)。
