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どうなる?新課程2年目の2026年度入試(① 女子枠・年内入試・模試動向)

はじめに

 新課程初年度の2025年度、共通テストの情報は手加減しまくりで全体の平均点もまずまずでした。しかし受験のセオリーは「新課程は2年目が難しい」。今年は要注意です。「カレーは二日目がうまい」は嬉しいのですが。

 「カレーは二日目がうまい」をNHKEテレの「すイエんサー」が検証した結果(2010年4月3日放送)、うまみ成分の増加よりも水分の減少が大きい、つまり舌に滞留する時間が長いからうまく感じるのでは?という仮説でした。

 今回は河合塾および駿台予備学校の「模擬試験の結果から入試動向を分析する会」の資料を著作権の範囲内で引用し、2026年度入試について展望します。

*予備校は経営上チャレンジを進めるのでそのつもりで聞いてください。

 河合塾からは「公開されているものは出処を明記すれば引用OK」と営業さんから許可をいただいています。教員用サイトの2026年度入試分析が出処です。

www.keinet.ne.jp

www.keinet.ne.jp

目次

1 基本編

① 受験生を取り巻く環境

  • 2025度の高校三年生は約109.6万人、1995年度の約205万人から半減も2024年度の底(106万人)からここ2年は増加、ただしこの後は減少へまっしぐら。
  • 受験人口は例年並みと予想(約65.6万人) 
  • 2025年度(前年度)の私立大学(594校)の定員は502,775人で2024年度からは約1.114人減少(後述)。2026年度の国公立179大学の定員は130,813人で、2025年度より240人増加。
  • 選り好みしなければほぼ大学に行ける状態だが競争あり

大学等進学者数に関するデータ 関係 - 文部科学省

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000255573.pdf

大学・短期大学数の推移

参考:大学入学者選抜関係資料「Ⅰ.18歳人口及び高等教育機関への入学者・進学率等の推移」

https://www.mext.go.jp/content/20201209-mxt_daigakuc02-100014554_2.pdf

② 迷走する入試改革

  • 政府の実学重視を文科省が丸呑みし、大学入学共通テストの英語は架空のシチュエーションで読む・聴くに特化、国語で実用文導入、国語と数学ⅡCで時間延長に情報の追加と国公立志望生の負担は増加
  • 文科省は「英語成績提供システム」頓挫後も大学ごとに英語民間検定の活用を迫っている
  • Japan E-portfolio は頓挫、調査書6分割記載は廃止。観点別評価を調査書に載せるかは先送り

③ 政府の国立大学への干渉強化

  • 文科省は大学に推薦・総合型選抜の拡充や実学重視を迫っている
  • 文科省は国立大学にガバナンスの根本的強化、組織の見直し、.教育の質の向上、統合・連携の検討、学部から大学院へ定員と教員のシフトなど研究力強化や博士の拡大を求めている。ただし博士のポストを拡大する話は今のところなし
     

2 国公立大学トピック

① 理系「女子枠」は拡大中

  昨年度から複数の国立大学が一部学科で学校推薦入試に「女性特別枠」(以下一般的に言われている「女子枠」で統一)を設定しました。2026年度も京都、大阪、広島が新たに女子枠を実施します。 

 2026年度の国立大学「女子枠」。旺文社教育情報センター、旺文社パスナビおよび各大学のHPよりぶんぶんが作成。

  大学 学部 定員 女子枠 入試 共テ 女子在籍比率 定員/女子枠
1 北見工業 410 18 総合 免除 14% 4%
2 室蘭工業 理工 560 15 総合 免除 16% 3%
3 岩手 理工 414 6 総合 課す 11% 1%
4 秋田 先進環境理工 315 15 推薦 免除 23% 5%
5 山形* 工(フレックス) 50 3 総合 免除 17% 6%
6 福島** 理工 200 8 総合 免除 23% 4%
7 茨城 515 15 推薦 免除 17% 3%
8 埼玉 510 20 推薦 課す 18% 4%
9 千葉 情報理工・データサイエンス 100 15 推薦 課す - 15%
10 電気通信 情報理工 720 5 推薦 免除 13% 1%
11 東京科学 生命理工 150 15 総合 課す 31% 10%
12 東京科学 151 15 総合 課す 14% 10%
13 東京科学 358 70 総合 課す 23% 20%
14 東京科学 物質理工 183 25 総合 課す 23% 14%
15 東京科学 情報理工 132 20 総合 課す 8% 15%
16 東京科学 環境・社会理工 134 9 総合 課す 30% 7%
17 新潟 535 35 推薦 免除 17% 7%
18 富山 395 13 推薦 免除 18% 3%
19 金沢*** 理工 619 44 総合 課す *** 7%
20 福井 525 10 推薦 免除 20% 5%
21 福井 15 総合 課す
22 山梨 365 14 推薦 免除 19% 4%
23 名古屋 700 29 推薦 課す 14% 4%
24 名古屋工業 930 23 推薦 免除 21% 2%
25 三重 430 8 推薦 免除 21% 2%
26 滋賀 データサイエンス 150 20 総合 免除 28% 13%
27 京都 311 15 総合 課す 8% 5%
28 京都 955 24 推薦 課す 10% 3%
29 大阪 基礎工 462 20 推薦 課す 11% 4%
30 神戸 システム情報 150 15 推薦 課す - 10%
31 和歌山 システム工 320 10 推薦 免除 22% 3%
32 島根 総合理工 370 20 推薦 課す 27% 5%
33 島根 材料エネルギー 80 6 推薦 課す 26% 8%
34 広島 230 7 総合 課す - 3%
35 広島 455 15 総合 課す - 3%
36 広島 情報科学 180 15 推薦 免除 - 8%
37 香川 創造工 330 3 総合 免除 30% 1%
38 愛媛 530 13 総合 課す 15% 2%
39 佐賀 理工 500 3 推薦 免除 21% 3%
  佐賀 理工 12 総合 課す
40 長崎 情報データ科学 120 3 推薦 免除 34% 8%
  長崎 情報データ科学 7 推薦 課す
41 長崎 330 12 推薦 課す 15% 4%
42 熊本 情報融合 473 8 推薦 課す 18% 2%
42 大分 理工 395 12 推薦 免除 22% 4%
  大分 理工 2 推薦 課す
44 宮崎 370 14 推薦 免除 15% 4%
45 琉球 350 10 推薦 課す 14% 6%
  琉球 10 総合 免除

*女子在籍率は工学部全体

**合格者は共通テストを必ず受験

***女子学生の比率が高い生命理工(42%)、物質科学(35%)以外で実施。

 何かと物議を醸す「女子枠」ですが、実施している大学・学部のうち31学部が女子学生比率が25%未満(21学部は20%未満!)、定員に対する「女子枠」の割合も東京科学大学以外は10%未満が大半です。

 技術革新には「多様性と包括性」、視点の違う人が忌憚なく議論することが必要です。女子学生がもうちょい増えてほしいという工学部の気持ちは理解できます。もちろん学力の担保は必要で、入試難易度が高い大学ほど共通テストを課しています。

 2024年度のデータですが、第一志望で選ばれる人気大学はそこそこの倍率、そうでない大学は志願者が定員に満たないところもあります(見合う受験生がいなければ定員割れにして一般入試に付け替え)。受験生はシビアです。 

朝日新聞の記事

www.asahi.com

 毎回繰り返しますが「入試に女子枠を設けること」が「理系の女子比率を上げる」最適解ではない、理系(特に機械や電気)に進む女子のキャリア形成、学校現場は各校種で科目や進路選択の「ジェンダーバイアス」解消に取り組みたいです。

③ 国立大学も年内入試?

 その昔国大協の会長が(「筑波のプー○ン」という陰口あり)「推薦を3割まで引き上げる」と息巻いていましたが、2026年度は国公立は前期(-457人)後期(-454人)が減り、総合型(+527人)推薦型(+433人)が増え、総合型7%、推薦17%と3割に近づいてきました。

 国公立大学の推薦、総合型は次のようなルールや準備すべきことがあります。

  • 第一志望で専願、合格したら必ず入学する
  • 学校推薦選抜は1年度に1大学1学部(学科)しか受験できない
  • 受験生は膨大な志望理由書、活動報告書、学習計画書等を作成する
  • 担任は膨大な推薦書、受験生の活動報告書を作成する
  • 面接の練習は一度や二度では済まない
  • 落ちたことも考えて一般入試の準備も並行して行う

 「勉強が間に合わないから総合型や推薦で潜り込みたい」「成績がいまいちの生徒は総合型に回して国立の数を稼ぐ」など目的をはき違えて安易に出願する(させる)と、志望理由書や面接の指導が大変です。教員の浅知恵(「○○先生の研究はまさに私がしたかったことです( 。•̀_•́。)キリッ!」とか)など大学教員にはバレバレです。

 ぶんぶんはタフな総合型選抜や専門学科推薦は賛成ですが、「入試を多様化したら多様な人材が確保できる」は、現場の感触では短絡的です。「尖った生徒」がゴロゴロいるのはスーパー進学校で、そういう生徒は一般でも合格できます。

 定員割れの危険水域にいる地方国立大学が「共通テストレスで年内合格」をうたい、「ダメだこりゃ」と思いながら合格を乱発する…なんてことが起こらないことを祈ります。学力層が「多様化」して大学にメリットはありますか?(´・ω・`)

3 国公立大学模試動向

① 安全志向?

 河合塾の話では、第3回全統共通テストの受験者は現役生はやや減少、浪人生は増加です。フル受験(6教科8科目)は理系で減少、そのため志望欄に国立を書く生徒が減っています。

 私立専願者は増加し、共通テスト利用を積極的に志望欄に書いています。近畿圏では3月の共通テスト利用入試で「ポロっと」通ることがあるので、私大専願生も共通テストは(勉強の邪魔になっても)大事です。

 模擬試験の志望欄によると、難関10大学(旧帝大(北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州)+東京科学(旧東京工業)・一橋・神戸)準難関(大阪公立、広島など)、地方国立とも昨年並みです。定員が拡充された旧帝大(京都、大阪、九州)の情報系は人気です。

② 系統別…従来の「女子系統」は苦戦? 

河合塾、上記のリンクのスクリーンショット

 河合塾の模試の動向では、昨年と同様に社会科学と理系が堅調、情報系は人気継続です。一方で従来女子が多く志願した薬学、看護、生活科学が低調です。河合塾の2019~2025年の動向を比較したグラフでは、文系では経済や法学、理系では工学部を志願する女子生徒が増加しています。

3 私立大学編

① 定員割れは改善

www.shigaku.go.jp

 日本私立学校振興・共済事業団の「令和7(2025)年度私立大学・短期大学等入学志願動向発表」によると、調査した四年制大学594校について入学定員充足率(定員に対する入学者数)は98.19%から101.61%に上昇し、入学定員未充足の私立大学の割合は38校減少して316校となり、大学全体に占める未充足校の割合は59.2%から53.2%へと減少しています。

 文科省は定員未充足の大学に対する私学助成の減額率の引き上げや不交付を厳格化し、就学支援新制度(給付奨学金の原資)の交付について2024年からは3年連続で定員充足率8割未満なら他の条件(経営状態)がよくても一発不交付にするなど、学生集めに汲々とする中小規模校の経営改善や整理縮小を促進する腹積もりです。そのため2025年には定員を減らす大学が相次ぎました。

 2026年度には中央、東京理科、立教、立命館、近畿などの知名度の高い大学が学部新設で受験生の掘り起こしを狙う一方、大学(特に女子大)や短大の募集停止も相次いでいます。生存競争です。

② 推薦入試に学力検査で首都圏は大騒ぎ?

 昨年度東洋大学が近畿圏では標準的な「基礎学力試験型併願公募推薦」を実施して多数の受験生を集めたことを首都圏の高校が問題視し、関係者の話し合いを経て、文科省は2026年度の「入学者選抜実施要項」で年内入試の学力試験について「小論文や面接、実技検査といった評価方法と組み合わせる場合は可能とする」としました。

過去ログ

bunbunshinrosaijki.hatenablog.com

 入学者選抜実施要項

www.mext.go.jp

 これを受けて首都圏でも基礎学力試験を課す総合型、学校推薦型を導入する大学が増加しました。Kei-net plus 2026年度入試分析より引用

*首都圏で年内入試に学力試験をまったくやっていなかったわけではなく、「給費制試験」「特待生選抜」という名目で年内に学力試験を行う大学は存在しました。

 「とばっちり」を受けて、近畿圏では併願の公募推薦にも志望理由書が義務付けられました。紙で提出する、受験ポータルサイトに打ち込むなど形式は様々ですが、受験生の負担感を軽減する配慮がされています。

 近畿圏では追加料金で学部内・他学部併願が可能、公募制推薦の日程を前期・後期と分割する大学もありますが、志望理由書は一回の提出が基本です。「えー学部が違ったら(以下略)」とか野暮なことを言ってはいけません。「その大学に行きたい」という強い気持ちが大事です。

 ぶんぶんは「何をやってきたか」ではなく「今何ができるか」、教員の推薦書、塾やAIの入れ知恵志望理由書とそれを「暗唱」する面接ではなく、当日のパフォーマンスで受験生を評価し選抜するのが公平と考えます。

③ 入学金ビジネス?

www.tokyo-np.co.jp

 文部科学省は2025年6月、「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等についてという通知を出し、全国の私立大学に「入学料に関する学生の負担軽減」を要請しました。さらにQ&Aには「今後、文部科学省から各設置者に対して、令和8年度入学者選抜に向けた対応状況や対応方針等について伺うことを予定しています」とあります。

以下通知の引用

1.各大学が設定している入学料の額や納付時期等の趣旨や考え方について、学生や保護者をはじめとする社会の理解を得られるよう、積極的に説明すること。
2.学生の経済的な負担軽減を図る観点から、入学料の額の抑制に努めること。
3.入学しない学生の納付する入学料に係る負担軽減のための方策を講ずるよう努めること。
その際、複数大学への入学料の納付が進路選択の幅を狭めることのないよう経済的
に困難な学生への特段の配慮の観点や、入学料納付後の学生の入学辞退の意思表示の
時期が、大学において他の入学者選抜等により辞退者の代わりの入学者を決定するこ
とができ得る時期かどうかという観点、入学料を納付する時期を複数回設定するなど
の時期の設定の観点など様々な観点も考慮することが望ましいこと。

 現在桃山学院大学、 美作大学、 新潟工科大学文化学園大学産業能率大学が入学金の全額または一部返還を条件付き(併願の受験生のみ、国公立大進学者のみなど)で認めるとしています。

 さて2006年11月27日に最高裁は、入学金は返還不要(入学の権利金)、授業料等は原則3月31日までに辞退を申し入れれば全額返還すべきという判決を出しています。

www.eiko.gr.jp

 ぶんぶんも子どもの入試で入学金を支払いましたが、「掛け捨て保険」にしては20万円は高額です。文科省の悪手「定員管理厳格化」の時には「追加合格のドミノ倒し」で複数の大学に入学金を入れる保護者がいたことを記憶しています。

 学校現場的には「入学金ビジネス」の見直しは賛成ですが、私立大学からすれば、大学への補助金を減らす文部科学省に「どの口でゆうとんねん」と思っているかもしれません。

 私立大学が入学金を返還する代わりに授業料を上げたり、専願の割合を増やすと受験生や保護者が困るので、文科省は言いっぱなしではなく所轄官庁として何か策を講じるべきです。

③ 模試の動向

 河合塾の模試では首都圏の女子大グループは低調、それ以外は各エリアで偏差値上位大学を志望欄に書く受験生が増えています。ただし一般入試は減り共通テスト利用を書く受験生が増加しています。

 系統別は国公立とほぼ同じ傾向で、生活科学、看護が低調です。情報は雨後の筍のように学部学科ができたので競争は緩和気配です。

 新設・改組があった首都圏の大学では、立教大学環境学部(分離融合学部)が文系理系両方から人気、学習院女子大学学習院大学に統合された国際文化交流学部も認知が進んでいて志望欄に書く生徒が多いです。

 近畿圏では立命館大学のデザイン・アート学部、近畿大学看護専門学校を閉鎖して立ち上げた看護学部が共通テスト利用で志望欄に多く書かれています。後者は国立看護学部の併願として狙われている可能性があります。 

まとめ

  • 現役生は微減ながら浪人生が増加し受験人口は昨年並み
  • 私立専願の共通テスト利用が増加
  • 共通テスト負担増でも国立大学は昨年並み
  • 総合型、学校推薦選抜は拡充傾向
  • 生活科学や看護系が人気薄
  • 有名どころの新設学部は人気
  • 楽して合格しようとは思わない

*最新情報については必ず各大学の募集要項で確認してください。




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