【たいろいけ / 澪の池(みおのいけ)、古澪】

離島の火口湖としては日本最大
日本全国津々浦々、池を求めての長き遍路だったが、国内ダムのほぼすべて2700基と1万に及ぶ湖沼や池をめぐり、主要湖沼では最後のひとつとして残しておいたのが、ここ三宅島の大路池。
御神木にもなっている樹齢600年の巨木「迷子椎」などスダジイとタブノキ主体の照葉樹林がすり鉢状に池を取り囲み、離島という立地もあいまって、原始時代に舞い降りたかのような不思議な感興に包まれる。
池の水はかつて島の生活用水として利水されていたこともあったそうで、池畔の一角に水道施設が残る。現在の水道水源は地下水なのだそうだ。
固有種のタイロ藻は三宅村指定天然記念物。

大路池の成因と歴史
成因タイプは爆裂火口湖
大路池は2500〜3千年前の噴火に伴う水蒸気爆発よってできた火口跡に水がたまった周囲長2kmクラスの爆裂火口湖(マール)。島に無数にある火口跡のなかでは、もっとも古い方に属する。
湖形はほぼ円形で、海とはもっとも狭いところで400mほどの火口壁で隔てられている。この400mの間にはもうひとつ火口跡のような地形が見られる。海岸側は切り立った岩壁。
山側は大きくえぐられるように陥没しておりカルデラの底部に火口跡である大路池があるように見える。



湖面標高は海面とほぼ同じ
湖面標高は海面とほぼ同じだが、水は真水であり海水との通水はなさそうだ。


池伝説
未確認。
池名の由来
古くは澪の池(みおのいけ)と呼んだ。
大路池(たいろいけ)の名は当て字で、島外の人の誤読に由来するという説も。
2kmほど西に、江戸時代、新しい火口湖が生まれ(新澪の池)、対してこちらを「古澪」(ふるみお)と呼ぶこともあるようだ。「澪」(みお)は浅瀬というような意味。

大路池の地形と景観
パノラマ


湖岸


展望台から見た大路池
山側にある展望台からは海に向けて大路池の火口壁がよく見える。道路が火口壁を外側から内側へとねじり込むように走っているのが分かる。




大路池の魚類と動植物
大路藻
固有種の水草だが、噴火降灰によって絶滅の危機に瀕している。

迷子椎(まいごじい)
大木がひしめく湖畔の密林で迷ったとしても、この椎の木を目印にすれば迷子にならないというのが名前の由来。
また、噴火の神々が宿る御神木ともされ、昔は近づくことも許されなかったという。



魚類はすべて放流か
明治時代にコイ、ワカサギ、スジエビ、スッポンを放流。
昭和になってブラックバスなど外来魚も移入された。1980年代には雑誌、テレビで50upのランカーバスをはじめとする東京都最強の爆釣池として紹介されたこともある。
アズマヒキガエルは学校の先生が教材として持ち込んだものが繁殖したのではないかとの島民の話を聞いた。ほか、スジエビを食用に大路池で獲っていたとの報告もあった。
もともと魚類はいなかったのではないかとの学芸員さんのお話も。下の写真は大路池で実際に確認した魚。ブルーギルの幼魚だろうか。



野鳥
アカコッコ
天然記念物のアカコッコは日の出前後に出没。ミミズが好物なので地を歩く。昔は子どもが素手で捕まえられるほど警戒心のない鳥だったが、八丈島からネズミ駆除のために移入されたイタチが増えて天敵となり、警戒心が強くなったという島の人のお話。
黒い頭巾をかぶったような姿が特徴的。


オーストンヤマガラ

カワラヒワ

その他








ガクアジサイ、タマアジサイ


大路池の設備・施設
湖畔の資料館(アカコッコ館)
三宅島自然ふれあいセンター。駐車場あり。月曜休館。




遊歩道







北桟橋と休憩所




南桟橋


水道設備




案内板




観光ポスターの大路池



アクセス
アクセス路入口
池には立派なアクセス路入口がありクルマでも進めるが、駐車場はアカコッコ館側にある。


大路池近くの宿
大路池入口からわずか300mに立地する宿。
大路池の野鳥たちが庭にやって来る。でも、なんで新澪池跡のある新鼻(にっぱな)という地名が宿名になっているのか疑問に思っていたら、なんともともとは新澪池湖畔に宿があったそうなのだが、2000年噴火被災で燃えてしまい、今の場所に移転したのだとか。
つくづく池と縁のあるご主人だったのか。


マップ
ニッポン湖沼図鑑マップ
2025年5月、ver. 1.2に更新。
