【かすみがいけ】

琵琶湖を模した兼六園の顔には、隠れた役割も
天下に轟く名勝・兼六園の池群のひとつ。
水の庭園ともいえる兼六園の中央に位置し、琵琶湖を模したとだけあり、さすが堂々たる風格をまとった主役格の池である。
池畔には町なみの向こうに日本海までも見わたせる眺望台がある。空中庭園のような立地ゆえに、池の奥行きを遮るものがなく空が広い山頂池の趣きを持ちながら、淀むことなくなみなみと水を漲らせている水景は比類なく圧巻。これを電気や動力に頼らず、江戸時代から連綿と水を湛えてきた点でも究極の庭園池といえる。
一級の庭園池にも関わらず、驚くべきことに金沢城および城下町に生活用水と防火用水を供給する貯水池 兼 配水池という役割をも江戸時代から担ってきた。しかも今なお現役。庭園池とは表向きの顔で、設計時は城の防御力強化やコメの生産力アップを狙ったという話もある。
そんな池視点でこの有名どころの池を見直してみれば、細部にいろいろな発見もありそう。
池に会うには入園料が必要だが、早朝時間帯や特別日には無料で観覧できる。
妻の父母と霞ヶ池。左は2019年、右は1964年。昭和の高度成長期には新婚さんであふれ、池の撮影スポットでは記念撮影を待つ行列に並んだものだという。同じ立ち位置で撮影。二つの東京オリンピックをまたぐ半世紀以上もの時の流れなどまったく意に介さぬように、霞ヶ池は変わらぬ姿で水面を揺らしていた。父母との旅行はこれが最後となった。
霞ヶ池の構造
山頂の眺望と、のびやかな水景を同時に
標高53mの高台に立地し、池畔からは金沢の市街地から日本海までを見渡すことができる。




ジオラマで見る霞ヶ池の地形
全景



噴水池、瓢池との高低差と通水関係

流れ込み側に用水吐き出し口が
園内の斜面をたゆたうように走る水路(辰巳用水)が、焦らすように南から北へと池を迂回するように流れ込む。
この流れ込み側には辰巳用水の取水口があり、高低差をたくみに生かし、下段では瓢池へ注ぎ込む滝となり、噴水池で水を3mほどの高さに迸らせる。







吐き出し
池の吐き出しは用水の吐口とは反対側の岸にある。



吐き出し先の水路と滝
霞ヶ池から吐き出された水は曲水となって庭園をめぐり、滝となって瓢池に流れ込む。
下の写真では、左側が霞ヶ池へと通じ、右側の水路の先が滝。



霞ヶ池の見どころ
唐崎松
唐崎松が庇のようにせり出す池の水深は1.5mもあり、一方で蓬莱島(亀甲島)を浮かべる。



池畔の眺望台
霞ヶ池は高台にあり、池畔からは好眺望が得られる。こんな高台に水を引くために、ポンプのない江戸時代に造られたのが、はるか山の方からトンネルを経て導水した辰巳用水である。

雪吊り(冬季)

旭桜

徽軫灯籠

栄螺山



内橋亭



親不知(おやしらず)


蓬莱島


マップ
現地案内マップ


ニッポン湖沼図鑑マップ
部分抜粋(ver.2.0 / 2026年)








