
名刺アプリ「Eight」の開発責任者の間瀬です。Sansan株式会社に入社して15年以上が経過しました。Eightには公開前のアルファ版の時代からインフラ担当として関わっており、AWS、Chef、Terraformなどその時々の新しめのサービスやツールの導入など、さまざまな ”歴史” を築いてきました。
一生現場のエンジニアとしてやっていくものと思っていましたが、インフラやSREのグループマネージャを経てEight開発全体の責任者となっていました。インフラだけでなくWebアプリケーションエンジニアやモバイルアプリケーションエンジニアもマネジメントする立場になるとは、夢にも思っていませんでした。
そんな私が、EightというプロダクトとEightの開発組織であるEight Engineering Unit(Eight EU)について、それぞれの魅力と合わせて紹介します。
Eightが提供する価値
Eightは名刺管理アプリとして世にでて13年以上が経過しています。現在のEightは、「名刺文化を変える」というビジョンを掲げ、単なる名刺管理アプリという枠を越えた価値を提供しています。
個人向けの名刺アプリ「Eight」、中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」、プロフェッショナルリクルーティング「Eight Career Design」(ECD)、ビジネスイベントを軸にサービスを展開しています。ユーザー数は400万人以上、Eight Teamの導入数は5000件以上、ECDの累計導入者数は1000社、ビジネスイベントは年間50件以上と、着実にビジネスとしても成長をしています。 Eightは名刺を中心とした人脈・キャリア・出会いの創出を連続した体験として提供するプロダクトであり、すべてのビジネスパーソンに伴走するプラットフォームとしてご利用いただいています。
人脈管理・人脈共有
Eightでは、名刺交換をした相手がEightユーザーであった場合につながることができます。つながることで、断片的になりがちな人脈を最新に保ち、実名であることを強みとした信頼性のあるデータとして管理できます。
最新の情報を維持するためには、ユーザーが自身の名刺を最新に更新し続けることが必要で、一定のコストはかかります。しかしながら、それだけで信頼性の高いビジネスネットワークが構築されていく構造になっています。
Eightの特徴として、つながった人とのメッセージ機能があります。ビジネスパーソンとしての個人によるメッセージであり、通常のSNSによるメッセージとは異なったフォーマルなコミュニケーションも送りやすくなっています。
さらに、個人の人脈を企業やチームで共有することで、組織の資産として活用できます。EightやSansanにおいては、人脈は個人に閉じるのではなく、組織として最大限活用することで、成果を最大化できると考えています。Eight Teamをご利用いただくことで、DXの第一歩として名刺・人脈の共有をシンプルに始められます。人脈共有の価値を感じてみてください。
キャリアの形成
Eightの特徴として、自分自身の名刺(通称プロフィール名刺)の登録があります。人脈における情報の最新化やアプリ上での名刺交換のためだけでなく、異動や昇進、転職によって名刺に変更があったことを常に記録していくことで、自分のキャリアを登録していくことができます。
Eight上に積み重ねられたプロフィール名刺は、業界や領域との関わりや行ってきた業務がリスト化されており、自分自身のキャリアやスキルが表現されていることになります。このキャリアやスキルを現在よりも一層生かせる場を提案するサービスとして、ECDがあります。ECDでは、自分自身が明確に転職意欲の高まりがなく、積極的な転職活動をしていないとしても、よい企業との出会いが提供されます。
ECDを通して、ビジネスパーソンとしての新たなキャリアを積み、新たな人脈を広げることができます。
出会いの創出
「Eightがイベントを主催」と聞いて、驚かれる方もいます。Eightが主催しているのは、企業と企業、企業と人が出会う場であり、ビジネスの始まりとなる出会いを創出するためにビジネスイベントや展示会を開催しています。
Eightという400万人のビジネスパーソンの属性情報を持ったデータが、イベントのテーマに合わせた質の高い出会いを提供するための基盤となっています。出展者と参加者の出会いだけでなく、出展者同士、参加者同士もつながることで、新たなビジネスが始まることも期待しています。
組織構成
Eightのエンジニア組織であるEight EUは、担当領域毎に4つのグループから構成されています。それぞれの特徴を簡単に紹介していきます。
Mobile Applicationグループ
Eightの主たるユースケースであるモバイルアプリを開発するグループで、iOSとAndroidそれぞれのネイティブアプリを開発しています。
Eightのモバイルアプリは、Web APIとの連携でデータを表示するだけではありません。ネイティブアプリだからこそできる、カメラ+OCRによる名刺画像の認識や、Bluetooth Low Energyを用いたタッチ名刺交換などの機能開発が特徴的です。
Eightの開発チームは通常の機能開発だけでなく、13年間で積み重ねられた技術負債や複雑さにも向き合っています。今まさに、iOSチームではアプリをゼロから作り直し、Androidチームでは既存アプリの基盤刷新を進めています。これらの刷新は自分たちの開発生産性のためだけでなく、ユーザーの皆さまへの価値提供スピードを上げるためでもあります。
Product Devグループ
EightのWeb版やWeb APIを開発するグループです。
モバイルアプリケーションと同様、WebアプリケーションやWeb APIも13年の年月を経て負債や複雑さを抱えるようになってきています。特にEightは単一プロダクトでありながらBtoC + BtoBのサービスが巨大なモノリシックアプリケーション上に構築されているため、ドメイン知識の深さと広さの両方が求められます。これらを改善するための取り組みとして、BtoBサービスにおいては主となるドメインを分割した2チーム構成とし、機動力の向上とドメイン知識の深化に向けて動き始めています。
継続的な価値提供のために基盤改善を進めるEnhancementチームも存在しています。技術負債の返済や認知負荷の軽減、パフォーマンス改善など、生産量最大化に向けて取り組んでいます。
Events&Solutions Devグループ
イベント事業に関する開発を担当し、Eightによるビジネスの出会いの創出を支えるグループです。MeetsやDX Campといったイベントの申し込みから当日の体験までを担うMeetsシステムの開発をメインで行っています。
イベントの申し込み開始日や開催日といった変えることができない締切の中で、実現可能性の検討とMVPを決定し、実際の開発までを担う技術力とスピード感・責任感の問われるグループです。
Eightのイベントの価値を最大化するための新システムの開発が予定されており、事業売上の中核を担いながらもプロダクト開発の0→1フェーズも体験できるチャレンジングなタイミングです。
Platformグループ
Eight事業に関わるインフラやWebアプリケーションの信頼性を支えるSREチームが所属しています。 元々はインフラやDevOpsをメインで活動していました。最近では少しずつではありますがWebアプリケーション領域における非機能の改善にも取り組み、名実ともにSREへと近づいています。
SREチームの目下の目標としては、インフラやWebアプリケーション領域の改善だけではなく、事業全体で使えるCUJに基づくSLO/SLIを運用にのせることがあります。Eightの運用ではシステムのメトリクスやAPMを利用したシステムの状態ベースの監視が中心となっています。これを、ユーザー体験に対する影響度に応じてサービスの健全性を計測・表現できるようにし、事業に関わるすべての人がEightの価値をベースにプロダクトの状態を理解できるようになることを目指しています。
組織文化
Eight EUのメンバーが大切にしていること、大切にしていきたいことなど、組織の文化についても紹介します。
事業部メンバーとの距離が近い
Eight事業に関わるメンバーは、ビジネス + プロダクト組織のEight事業部とエンジニア組織のEight EUで構成されています。
Eightは事業立ち上げの頃から少人数で構成されており、ビジネスサイドとエンジニアは業務や業務以外のことについて気軽に話し合える関係性となっています。人数が増えてきた現在においても、ワンフロアの顔が見える範囲にほぼ全員がおさまっており、同期コミュニケーションがとりやすくなっています。仕様やビジネス影響についてなど、即座にコミュニケーションをとって判断でき、スピード感を落とさずに意思決定ができる組織です。
Eight EU合宿の開催
プロダクトを開発する中で、仕様などのプロダクトについての議論はその時々でされてきましたが、組織や文化については議論する機会がありませんでした。Eight EUとして大切にしていきたいことや文化などを議論するために、社内制度のチームコーチャ*1のチームと協力して、2025年11月にEight EUとしては初となる合宿*2を実施しました。

合宿の目的としては、相互理解、カルチャーの創出、次の半期のアクション決めをすることを掲げ、Eight EUとしての文化の共通認識ができること、アクションを含めたプロジェクトが生まれていることを目指しました。
固定テーマとして、「今ある文化」と「今後創っていきたい文化」を、OST*3で「新しく始めること」、「やめること・変えること」を議論しました。普段の業務では話せていないチーム間で感じていることや、個人やチームとして変えていきたいことなどを、限られた時間ではありますが集中して話すことができました。

これまで話すことがなかったメンバーとのコミュニケーションもあったため、今後の開発や日常の会話における壁は小さくなったと感じています。
今後も定期的に合宿を開催し、Eight EUメンバー同士の思いをぶつけ合い、プロダクトの改善へとつなげられるようにしていきます。
Eight EUの今とこれから
Eightが事業として目指す次なる山は1000万ユーザー達成です。現在の400万ユーザーから2.5倍に伸ばすという途方もない目標ではあります。これまで通り着実にやるべきことをやるだけではなく、非連続な成長がいつ訪れても冷静に対応できるチーム体制やシステムとすべく、各種の準備や検討を進めています。
- モバイルアプリにおける技術的負債の返済
- iOSアプリをゼロベースで作り直しが進行中
- Androidアプリの基盤刷新が進行中
- WebアプリケーションやWeb APIなど、バックエンドアプリケーションの複雑性解消
- 巨大化したRuby on Railsのモノリシックアプリケーションの可読性や保守性の向上を目指す
- AI活用を最大化するために、モジュラーモノリスなどのコンテキスト分離も検討
- 信頼性の可視化と事業への提案
- サービスの健全性や品質などを信頼性として表現し、事業・プロダクト・開発の共通言語とする
- セキュリティのさらなる向上
- 多くのユーザーが利用するアプリであるため、ITリテラシーに左右されず、利便性を考慮したセキュリティレベルの向上を検討
- クロスファンクションチームによる価値提供スピードの最大化
- 技術領域ごとのチームはレビューや育成のために残し、プロジェクトでは各領域のメンバー、PdM、デザイナーが集結し、コミュニケーションや意志決定のオーバーヘッドを小さくすることで、価値提供スピードを上げる
- 価値 + データドリブンなプロダクトや事業の意思決定
- Eightというプロダクトは直接的な業務を置き換えるものではないため、絶対的な正解は存在しない。プロダクトとして届けたい価値の正しさは、リリースされるまでは分からないこともある。価値仮説の検証のためにデータと向き合い、日々改善ができる体制とする。
13年という歴史の重みを感じながらも時代に合わせて変えていくこと、進化していくことを忘れずに、社会を変えるプロダクトを創り続けることが我々Eight EUの使命です。
最後に
事業部長の塩見がmimiのインタビューで「Eightならば世の中を変えられる」と発信している通り、Eightは個人向けプロダクトがベースとなっているからこそ、すべてのビジネスパーソンに価値を届けることができます。長年変わることのなかった名刺文化そのものを大きく変え、Eightがなければビジネスが成立しないと思われるような価値や体験を届けていきたいと考えています。
Sansan技術本部ではカジュアル面談を実施しています
Sansan技術本部では中途の方向けにカジュアル面談を実施しています。Sansan技術本部やEight EUでの働き方、仕事の魅力について、現場のエンジニアやマネジャーの視点からお話しします。「実際に働く人の話を直接聞きたい」「どんな人が働いているのかを事前に知っておきたい」とお考えの方は、ぜひエントリーをご検討ください。