以下の内容はhttps://breakfast-at-bnn.hatenablog.com/entry/2025/07/22/021826より取得しました。


『Original Sin』バイデン大統領の健康問題がどのように隠蔽されてきたかを暴露した一冊

2025年5月に刊行された『Original Sin: President Biden’s Decline, Its Cover-Up, and His Disastrous Choice to Run Again』(原罪:バイデン大統領の衰退、その隠蔽、そして再出馬という破滅的な選択)は、CNNの主任ワシントン特派員ジェイク・タッパーとAxiosの国家政治担当記者アレックス・トンプソンによる共著である。本書は、ジョー・バイデン前大統領の知的・身体的衰退の過程と、それを覆い隠そうとした側近たちの対応を克明に追い、2024年の再出馬がいかにしてドナルド・トランプの復活という結末を招いたかを描き出している。
 
中心となるテーマは、バイデンの健康悪化が明らかであったにもかかわらず、本人とその側近たちがその事実を国民、同盟国、そして民主党内に対してひた隠しにしたという主張である。バイデン再出馬の決断こそが「原罪」であり、それによってその後の政治的混乱のきっかけとなったと指摘する。
 
健康上の懸念は、2015年に息子ボー・バイデンを失った頃から見え始めたとされている。精神的な打撃により、バイデンの思考力は次第に鈍化し、2023年から2024年にかけてその傾向は不安定さが目立つようになった。バイデンには「機能している時」と「そうでない時」が存在し、後者の頻度が次第に高まっていく。本書が指摘する主な症状には、親しい人物の名前を思い出せない、会話の中で思考が途切れる、発言が支離滅裂になる、歩行が不安定になり言葉も不明瞭になる、午後になると著しく疲労する「サンダウン現象」を示す、過去の出来事や重要な日付を忘れるなどがある。
 
これらの症状に対して、バイデンの身近な家族や側近グループは、徹底した情報統制を図っていたとされる。内部ではこのグループは「政治局(Politburo)」と呼ばれ、マイク・ドニロン、スティーブ・リチェッティ、ブルース・リード、ロン・クレイン、ジル・バイデン夫人、ハンター・バイデンらが含まれていた。彼らは大統領と外部との接触を厳しく制限し、公務の時間帯も午前10時から午後4時に限定するなどして、バイデンの状態が露見することを防いだ。演説や会見ではテレプロンプターへの依存が顕著になっていった。
 
こうした状況を象徴する出来事として、ロバート・ハー特別検察官による機密文書の取り扱いに関する報告書が取り上げられている。この中でハーはバイデンを「善意ではあるが記憶力に難のある高齢者」と形容し、有罪となる可能性は低いとの見解を示した。ホワイトハウスはこの表現の削除を試みたが、ハーは応じなかった。この報告書は政権内部に大きな衝撃を与え、側近たちが現実を直視せざるを得なくなる契機となったとされている。
 
本書では、バイデンが自らを批判しない忠実な側近を重用し、異論を排除してきた政権運営のスタイルにも問題があったと指摘する。権力者が自分の誤りを指摘する人物を遠ざける構造がバイデン政権にも見られていた。ホワイトハウス内部では反対意見は不忠とみなされ、メディアが大統領の健康問題を取り上げようとすれば、政権側は激しく反発した。
 
2024年6月27日に行われたドナルド・トランプとの大統領討論会は、バイデンの衰退が全米に知られる転機となった。共同司会を務めたタッパー自身は、その様子を見て思わず「Holy smokes(まじかよ)」とiPadに記したという。バイデンは討論中にしばしば話がかみ合わず、観衆を驚かせた。討論後、ナンシー・ペロシ民主党幹部の間でも懸念が表面化し、この出来事がバイデンの選挙戦撤退とカマラ・ハリス副大統領への支持表明につながったとされる。
 
本書は200人以上の関係者(その多くは匿名)への取材をもとに執筆されており、ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストをはじめとする主要メディアから高く評価された。一方で、バイデン陣営からは「職務を全うできなかった証拠はない」との反論があり、また著者ら自身が過去にバイデンの衰退を報じなかった責任を問う声も存在する。これに対しタッパーは、報道が遅れたことを認めたうえで、多くの情報は選挙後になってようやく明らかになったと説明している。
 
著者についても触れておきたい。ジェイク・タッパーはCNNの主任ワシントン特派員であり、『The Lead with Jake Tapper』および『State of the Union』のアンカーを務める。ノンフィクション作品『The Outpost』のほか、小説『The Hellfire Club』や『The Devil May Dance』などでニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにも名を連ねている。2024年の討論会では共同司会を務めた経験を持つ。
 
アレックス・トンプソンはAxiosの国家政治担当記者であり、CNNの政治コントリビューターも務める。2024年のバイデン取材により、ホワイトハウス記者協会賞の優秀賞を受賞。Politico時代には「West Wing Playbook」ニュースレターの創設にも関わったほか、ニューヨーク・タイムズやVice Newsでも執筆してきた経歴を持つ。
 
『Original Sin』は、単なる政局の暴露本ではなく、権力の自己欺瞞という普遍的な主題に迫る一冊である。バイデン政権が直面した危機と、その背後にある人間的な弱さ、組織的な盲目、そしてそれが国家の未来に及ぼした影響を、実証的な取材によって明らかにしている。本書は現代の政治的リーダーシップが抱える危機と、真実に対する感受性の低下を示唆しているといえるだろう。

breakfast-at-bnn.hatenablog.com

参考資料:

youtu.be

Original Sin (Tapper and Thompson book) - Wikipedia

Biden aides discussed requiring a wheelchair if re-elected: new book

Original Sin: how Team Biden wished away his decline until it was too late | Books | The Guardian




以上の内容はhttps://breakfast-at-bnn.hatenablog.com/entry/2025/07/22/021826より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14