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『A Seditious and Sinister Tribe』クリミア半島先住民の知られざる歴史を紐解く一冊

2024年9月に刊行されたドナルド・レイフィールドによる『A Seditious and Sinister Tribe: The Crimean Tatars and Their Khanate』(日本語意訳 反逆と忌避の民──クリミア・タタール人とハン国)は、忘れ去られたクリミアの歴史に光を当てる一冊である。本書は、15世紀から現代に至るまでのクリミア・タタールの歴史を、ウクライナ戦争との関連性を示唆しつつ描き出す。

近年の歴史において、クリミア半島は幾度となく国際社会の注目を集めてきた地である。1854年には英仏軍がロシアに宣戦布告し、クリミア戦争が勃発。そして2014年には、ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナからの強奪という形で再びその名が世界に轟いた。しかし、これらの近年の出来事にもかかわらず、クリミアの歴史はほとんど知られていない。

クリミア・タタール人は、テュルク系言語を話すクリミアの先住民族であり、1440年代に強大なハン国を樹立し、1783年までその支配を維持した。ドナルド・レイフィールドは、百年以上にわたって英語で書かれたことのないこのハン国の歴史を初めて描き出し、誤解され、不当に恐れられてきたこの民族が、実際には活気に満ちた文学、宗教的寛容、洗練された憲法、そして繁栄した経済を持つ成熟した国家であったことを示す。

本書は、ハン国の成立、その支配、そして最終的な崩壊、さらにロシア帝国、そしてソビエト連邦によるタタール人の冷酷な抑圧、そしてウラジーミル・プーチンによる事実上のジェノサイドとも言える侵略へと筆を進める。この最終的には悲劇的な年代記は、現在のウクライナ戦争の背景に関心を持つすべての人にとって必読の書であると言えよう。

レイフィールドは、単に歴史的事実を羅列するに留まらない。クリミア・ハン国が、強力な軍事、政治、司法、そして経済構造を備え、350年もの間繁栄した様を、数百に及ぶ多言語の出版された資料に基づいて詳細に解き明かす。著者は、これらの構造の内部における機能や、ハン国が近隣諸国とどのように相互作用してきたのかを綿密に掘り下げていく。

ロシア帝国が1783年にクリミアを奪取するほどに強大化すると、民族浄化のプログラムが開始され、それはソビエト連邦時代、そして現在のウラジーミル・プーチン政権下においても継続されている。レイフィールドは、この悲劇的な歴史を「緩やかなジェノサイド」として描き出す。

著者であるドナルド・レイフィールドは、ロンドン大学クイーン・メアリー校のロシア文学ジョージア文学の名誉教授である。彼の著作には、『Anton Chekhov: A Life』(アントン・チェーホフ:生涯)や、『Edge of Empires: A History of Georgia』(帝国の辺境:ジョージア史)などがある。

『A Seditious and Sinister Tribe』は、これまで十分に語られることのなかったクリミア・タタールの歴史、その繁栄と苦難の道のりを、最新の研究に基づいて描き出した重要な一冊と言える。この地域に根差した歴史的背景を知ることは、現在のウクライナ情勢を理解する上でも大きな助けになるだろう。

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参考資料:

'A Seditious and Sinister Tribe’: The Crimean Tatars and Their Khanate - Professor Donald Rayfield | King's College London

https://thearabweekly.com/forgotten-pages-crimea-history

Crimean Khanate - Wikipedia




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