寒くなって暑くなって、また寒くなったりしているうちに花が咲いて、もう春だということを認めないといけない時期になっていた。そうだ、もう4月なんだから。
春、といってももうなにも新しい気持ちになるわけじゃない。何かが始まるわけでもなければ、何かを始めたくなるわけでもない。ただ、春、という季節があるだけ。暖かくなったのかな? そういうわけでもないな。いまだに朝は身震いしている。春、ってなんなんだ? 学生であれ卒業式があって入学式があって、まともな会社に勤めている人であれば新しく社員が入ってきて、みたいなことがあるのか? どうなんだ、そこんとこ、まともを知らないわたしは知らない。花が咲く、といってもそこらじゅうアスファルトで、あるのは個性のない桜たち。今年は雨がふらないからか長いこと咲いてるね。個性がないと言ったが個性を見出していないだけ、たぶん何かしら違うんだろうけど、立ちどまって見つめる、なんてことをしない限り個性なんて見えてこない。そしてわたしは立ちどまっていられない。目的なんてない、目標も。夢とか希望とかそんなものを持ったことがないわたしは、いったいぜんたなんのために生きているのか、いやほんとうに、出会いとか別れとか、大事にしようと思っても難しいもんだ。無責任に一生友達だぜって言ってきたあいつを軽蔑もしたもんだが、わたしだって結局のところおなじようなもんだ。だって、疲れるよ。こまめに連絡を取るのもさ、だいいち話題なんてない、そもそも話したくもないのかも、わたしもあなたも。疲れしまったんだ、だって、本当のこと話したことがないもの。知りたかったのだけどなあ、でも、知られたくはなかった。だから通じ合ことはないんだろう。この先も。さて、なんの話かな。
とにかく、春が来たのだな。雨が降った覚えはないのだが、いつのまにか。そして次に気がついた頃には、春はどこかへ行っしまっているのだろう。桜なんか散ってしまって、二度と帰ってこないんだ。少なくとも、今年のうちは。