※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:沈黙の艦隊 (アニメ 1995〜7)
評価:★4(★★★★☆)
リンク:
2025年9月、「沈黙の艦隊」のアニメ三部作がBSで放送していたので見てみた。
・(1996) 沈黙の艦隊 (1時間40分)
・(1997) 沈黙の艦隊 VOYAGE2 (57分)
・(1997) 沈黙の艦隊 VOYAGE3 (58分)
Wikipediaによると、1作目はテレビ放送の2時間枠向けに製作されたもので、しかし諸般の事情で放映されずビデオでリリース、2作目と3作目もOVAでのリリースと、少し変わったリリース形態の作品だ。
原作漫画「沈黙の艦隊/かわぐちかいじ」は1988年〜96年まで「モーニング」で連載され、単行本は全32巻。累計発行部数が3200万部を超える。
興味があった作品だが、なんとなく敷居が高く感じて今まで漫画を読んでいなかったが、いざこのアニメを見てみると面白くて最初から最後まで集中を切らさず見ることができた。戦争が遠い昔の話となった今、現代を生きる日本人のほとんど(私を含む)は戦前の勇敢で誇り高い日本を知らず、第二次世界大戦の「敗戦国」として徹底的に去勢された日本しか見たことがない。この作品で、軍事の分野で日本が世界を驚かせているシーンを見たとき、私は自分の中にカタルシスのような気持ちが湧き上がってくるのに気づき、我ながら驚いた。現実世界の中で日本が弱腰外交で真っ当な自己主張ができないことをもはや当たり前のことと諦めていたが、やはりその抑圧されたストレスは相当なものなのだ。
この作品は、日本やアメリカ、ソ連といった実際の国際社会をベースにしながら、一台の原子力潜水艦が「戦闘国家・やまと」として独立宣言をするというかなり突飛な設定になっていて、軍事に詳しくない私には、この漫画の設定が実際にどのくらい筋が通っているのかはわからないが、設定の粗探しをすることよりも、国際社会の中で毅然とした態度で渡り合う日本の姿を見て一独立国家としての誇りを思い出すことが、本作の一番の意義であり楽しみ方だと思う。
日本は民主主義国家だから、約一億人の有権者が全員、素人なりにであっても国防について考えなければ、まともな国防が成り立たない。中国は共産党が支配する独裁国家で、党に忠誠を誓う軍事の専門家が本気で周辺国を侵略するための戦略を立て、政治ももちろんそれを本気でサポートする。日本の有権者のうち何割が、国防について一度でも真剣に考えたことがあるだろうか。日本は極めて危険な状態にある。この作品を見た日本人の中に国防意識が少しでも芽生えるのだとすれば、この作品の存在意義は極めて大きい。
…以上の文章の流れからすれば以下は完全に蛇足ではあるが、言わずにはいられないので言ってしまおう。私はこの作品の論点については不満がある。この作品は「憲法九条の専守防衛」や「非核三原則」を遵守しつつ世界と軍事戦略で渡り合い、上回るゲームをやっているが、そもそも「憲法九条」と「非核三原則」の両方ともが倒錯した「平和主義」のなれ果てなのであり、それに囚われることから戦略を組み立てること自体が致命的な誤りであり、この罠に陥った時点で実際にはゲームの負けが確定する。他にも、「我が軍の指揮権を国連安保理に委ねる」とか「同盟国のアメリカを出し抜いて原潜を奪取する」とかも、う〜ん。
なお、2023年公開の実写版映画「沈黙の艦隊」もちょうどテレビ放送していたので見てみたが、アニメ版の方がいいと思った。大沢たかおのキャスティングは合っているし演技も悪くないが、そもそも海江田のキャラ(いつでも沈着冷静・無表情)は漫画やアニメだから成り立つのであって実写にすると違和感がある。