※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:反日種族主義/李 栄薫(本 2019)
評価:★5(★★★★★)
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本書は、2019年に刊行された、韓国に激震が走ったベストセラー本の日本語翻訳版。内容は、慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などを実証的研究に基づき検証し、韓国に蔓延する「嘘の歴史」を指摘する。
知れば知るほど、韓国という国はまともではない。日本が撤退したことによって建国して以来、反日を国是として自国民を洗脳しつづけてきたから、「日本は極悪非道の国家だ」という感覚が全国民の骨の髄まで染み込んでいる。慰安婦問題も竹島問題も、ちゃんと調べればそれが日本に対する不当な言いがかりだということが明らかだが、反日の強烈な認知バイアスが掛かっている韓国においては、事実ベースで理性的に話をすることはできない。そういう韓国世論の中で、このような本を刊行した著者の先生方(李栄薫、金洛年、金容三、朱益鐘、鄭安基、李宇衍)はえらい。
この本は、韓国の不当な日本バッシングを糾弾する内容なのでもちろん日本にとって有益なものだが、この本の著者たちはなにも日本のためにこの本を書いたのではない。「反日種族主義」の呪縛から韓国人が解放されることが、韓国の明るい未来につながるという気持ちで、韓国のためにこの本を書いたのだ。韓国でこのような言論活動をすることは命をも狙われかねないと思うので、この先生方はつくづく、えらいと思う。
この本はもともと韓国人のために書かれた本だが、私は日本人の立場でこの本から学ぶべきことを学びたいと思う。竹島、慰安婦、徴用工などの問題はだいたい元々の私の認識通りだったので新たに知ったこと気づいたことを以下に記す。
【「アリラン」と「鬼郷」】
「アリラン」は反日をテーマにした全12巻の大河小説で1994年から刊行され累計350万部を売り上げた。「鬼郷」も反日をテーマにした映画で2016年に公開され観客数が350万を超えた。どちらも大ヒットした作品だ。内容はどちらも韓国併合時代に日本人が韓国人に対して悪逆の限りを尽くしたというもので、嘘の史実をあたかも事実かのように描いて日本人への憎悪感情をかき立てる大問題作だ。この両作品のイメージを一言で言うなら北朝鮮などの共産主義国家のプロバガンダ映画のイメージに近い。まともな民主主義国家ならこんなあからさまな嘘だらけの作品に国民の方から批判の声が上がりそうなものだが、2016年になってもこれが大ヒットしてしまうのが韓国という国の実態だ。
【反日種族主義】
本書のタイトルになっている反日種族主義という独特の言葉の説明は第17章「反日種族主義の神学」に詳しく書かれている。著者いわく、20世紀に成立した韓国の民族主義は、一般的に言われる民族主義ではない。西ヨーロッパで生まれた民族主義は、王と貴族の横暴に抵抗する自由市民の共同体から生まれたが、韓国の”民族主義”は王と貴族の身分から生まれた独裁主義・全体主義だとし、これを「種族主義」と呼称している。
著者はこのような思想の成り立ちを、韓国独特の土地気脈論という風水のような思想と儒教の死生観に求めるが、私はあまりこの説明には納得できなかった。朝鮮人にひとつの民族として団結する意識が弱いのは、単純に朝鮮で高麗王朝時代から日韓併合で廃止されるまで長く続いた身分制度・奴隷制度のために、朝鮮人の中で根強い身分差別の意識があり、それが民族内部での分断を助長しているからだと思う。
儒教の元々の風習では四代前の祖先までの祭祀を行う風習だったのが、朝鮮では有名な両班身分(韓国の身分制度における貴族階級)の親族集団が代数の制限なく永遠に祭祀を行うようになったということが紹介されているが、これはその裏付けだと言える。民族として団結するためには民族内での平等意識を持つこと、つまり身分制度を無くすことが必要だが、朝鮮人はそういう高い視座を持つことができず、自分がいかに貴族身分になりそれを維持するかということしか考えられなかった。
なお、この身分制度、選民思想の元になっているのも儒教・朱子学であり、土地気脈論だとか儒教の死生観だとかを持ち出す必要がないと思った。
【記憶は捏造される】
歴史問題で証言を取り扱う時、私たちは「記憶は捏造される」という事実を知っておく必要がある。長いが以下引用する。
>一般的に歴史学者は、他の資料により傍証されない個人の証言を、史料として認めていません。二〇世紀に入って米国の歴史学者たちは、南北戦争で解放された黒人奴隷を対象に、彼らの奴隷生活に関する記憶を採集しました。そのとき歴史学者たちは、インタビューが繰り返されると、彼らの記憶が一貫性を維持できないことを知りました。昔のことであるため、記憶が薄らいでいることも、前後関係が混乱することもあり、またその間に、新たな記憶が作られることもあります。何よりも、記憶を聴取する人との相互作用で、記憶という行為自体を政治化できるというところに留意する必要があります。
>完慰安婦たちの証言においても、そのような問題点が多く露出しました。ある女性は、鉄道駅の前で日本軍に捕まえられて中国に連れて行かれた、汽車には多くの女性と軍人が乗っていた、と証言しました。ところが、この女性が最初に行なった証言は、その話とは違っています。彼女は、継父が自分を売った、だから自分は日本軍よりも継父をもっと恨んでいる、と言いました。証言が変わった理由を説明するのは難しくありません。継父が自分を売ったと言うと、聞き手があまり興味を示さなかったり、そのような話をしてはいけない、と忠告までしたりするのです。そのため、次第に聞き手が期待する内容に変えるようになります。そうなると、政治的待週も大きく変わります。ある状況に達すると元慰安婦は「二度とこのようなことがあってはならない」と、日本に訓戒を垂れる独立運動の志士に変身します。日本軍に奴隷狩りをされるようにして連れて行かれた、という証言は、ほとんどこの経路で創作されたと言ってもいいでしょう。
【慰安婦問題を”作った”人々】
・吉田清治:この人が1983年に出版した「私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行」という本で、日本人が朝鮮人を強制連行して慰安婦にした(=慰安婦狩り)という作り話を書き、これが1989年に韓国で翻訳・出版され”慰安婦問題”の全ての始まりとなった。
・宮沢喜一:1992年首相だった宮沢は訪韓し韓国の国会で次のように謝罪「私は、この間、朝鮮半島の方々が我が国の行為により耐え難い苦しみと悲しみを体験されたことについて、ここに改めて、心からの反省の意とお詫びの気持ちを表明いたします。最近、いわゆる従軍慰安婦の問題が取り上げられていますが、私は、このようなことは実に心の痛むことであり、誠に申し訳なく思っております。」
・加藤紘一:1992年、慰安婦第一次調査報告書を受けて次のように発表。「いわゆる従軍慰安婦として筆舌に尽くし難い辛苦をなめられた全ての方々に対し、改めて衷心よりお詫びと反省の気持ちを申し上げたい。また、このような過ちを決して繰り返してはならないという深い反省と決意の下に立って、平和国家としての立場を堅持するとともに、未来に向けて新しい日韓関係及びその他のアジア諸国、地域との関係を構築すべく努力していきたい。この問題については、いろいろな方々のお話を聞くにつけ、誠に心の痛む思いがする。このような辛酸をなめられた方々に対し、我々の気持ちをいかなる形で表すことができるのか、各方面の意見も聞きながら、誠意をもって検討していきたいと考えている。」
・河野洋平:1993年、慰安婦第二次調査報告書を受けて次のように発表。いわゆる河野談話といわれる。「今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。(後略)」
・村山富市:1995年、戦後五十周年の終戦記念日に以下のような談話を発表。いわゆる村山談話といわれる。「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」
Wikipediaなどで調べると、吉田清治という人間は定職につかず、雑誌やラジオへの投稿を趣味にしているようなただのろくでなし。1980年3月7日を初回として、1994年1月25日までに十数回に亘って吉田清治の嘘の証言を積極的に報道した朝日新聞こそが”慰安婦問題”を作り上げた主犯だといえる。宮沢は一番最初に謝罪を始めた責任がある。加藤は宮沢の謝罪路線を踏襲した。河野はさらに数歩進んで日本政府が慰安婦の強制的な連行に関与したとか、慰安所の生活が強制的な状況にあったとか、元々作り話なものを本当の話に変えてしまっている。村山は慰安婦には言及していないが大東亜戦争は日本が全面的に悪かったとさらに広い範囲で無責任に謝罪しているのである意味もっとも日本の誇りを傷つけた。
【韓国初代大統領・李承晩の評価について】
「はじめに」や「エピローグ」で述べているように、著者は李承晩が自由と独立の精神をもって国を導いたために韓国は独立を果たしたとして李承晩を支持し、その精神を広めるために「李承晩TV」というYouTubeチャンネルも運営している。一方で、「日本語版 序文」では彼が戦前と戦中にアメリカで反日プロバガンダを行ったことや、竹島問題と作り出したこと、強硬な反日政策をとったことなど、彼の悪い面についても(日本版だけでこっそりと)認めている。
私は著者のこのスタンスを支持する。一人の人間が、ある国に生まれ、そしてそれなりに順当に恩恵を受けて大人になった暁には、ある意味無条件に自分の国を愛し、擁護することがまっとうな人間の責務だと思うからだ。
この精神こそが、多くの日本人が見習わなくてはならないものだ。日本人は清廉潔白を求めすぎる。それゆえ、戦前や戦中のことで少しでも日本の非を攻められると途端に自信をなくしてしまう。
世界を見れば、どの国も自分の国を愛し、擁護するための自国の歴史観を持っている。その中で日本だけが”公平・公正”な立場で自国の歴史を見ていたら、相手の国はそこにつけ込んでくることを知らなければならない。しかも、日本の隣国といえば、中国・ロシアは共産主義国家なので言わずもがな、韓国も本書で明らかなように、臆面もなく嘘をついて相手国を攻撃してくるような国だらけなのだから尚更だ。
日本人はお人好しだから、相手が自分と同じ程度の理性と良心を持っているはずという前提でコミュニケーションを取ってしまうので相手に騙されることになる。テレビや新聞などのオールドメディアしかり、リベラル思想しかり、中国・韓国しかりだ。これらはあたかも自分たちがまともだという風を装っているが、実際はそれほどまともではない。相手がいつ嘘を言ってきてもおかしくないという心構えで対峙しなければならない。
宮沢、河野、村山などの日本を大きく貶めた政治家たちは、その責任を免れることはできないが、悪意はなくただ単純に中国・韓国に騙された無能なお人好しなのかもしれない。私たちは日本の未来のために、こういう無能な政治家を選ばないようにしなければならない。いい加減もう、”無能でお人好しな日本人”はやめよう。岸田・石破を降ろそう。
【参考:本書目次】
日本語版序文
はじめに
プロローグ 嘘の国
●第1部 種族主義の記憶
1 荒唐無稽『アリラン』
2 片手にピストルを、もう片方に測量器を
3 食糧を収奪したって?
4 日本の植民地支配の方式
5 「強制動員」の神話
6 果たして「強制労働」「奴隷労働」だったのか?
7 朝鮮人の賃金差別の虚構性
8 陸軍特別志願兵、彼らは誰なのか!
9 もともと請求するものなどなかった――請求権協定の真実
10 厚顔無恥で愚かな韓日会談決死反対
●第2部 種族主義の象徴と幻想
11 白頭山神話の内幕
12 独島、反日種族主義の最高象徴
13 鉄杭神話の真実
14 旧総督府庁舎の解体――大韓民国の歴史を消す
15 親日清算という詐欺劇
16 ネバー・エンディング・ストーリー 「賠償!賠償!賠償!」
17 反日種族主義の神学
●第3部 種族主義の牙城、慰安婦
18 我々の中の慰安婦
19 公娼制の成立と文化
20 日本軍慰安婦問題の真実
21 解放後の四十余年間、慰安婦問題は存在しなかった
22 韓日関係が破綻するまで
エピローグ 反日種族主義の報い
解説 「反日種族主義」が問いかける憂国 久保田るり子(産経新聞編集委員)
文庫版付記